医療情報ネットワーク基盤整備と安全な電子カルテ実現のための技術的方策に関する研究

文献情報

文献番号
200400029A
報告書区分
総括
研究課題名
医療情報ネットワーク基盤整備と安全な電子カルテ実現のための技術的方策に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
大山 永昭(国立大学法人東京工業大学フロンティア創造共同研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 喜多 紘一(国立大学法人東京工業大学像情報工学研究施設IT都市創造研究部門、医療情報工学)
  • 公文 敦(財団法人医療情報システム開発センター研究開発部、個人情報保護)
  • 土屋 文人(国立大学法人東京医科歯科大学歯学部付属病院 医療情報学/人間工学/医療薬学)
  • 八幡 勝也(財団法人九州ヒューマンメディア創造センター、産業医科大学産業生科学研究所作業病体学研究室(併任))
  • 高橋 紘士(立教大学コミュニティ福祉学部、福祉政策論・福祉情報論・地域福祉論)
  • 秋山 昌範(国立国際医療センター第一専門外来部第五内科/情報システム部)
  • 石垣 武男(国立大学法人名古屋大学大学院医学研究科分子総合医学専攻高次医用科学講座、放射線医学・遠隔医療)
  • 山本 隆一(国立大学法人東京大学大学院情報学環、個人情報保護・電子カルテ・セキュリティ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
保健医療分野における情報化の推進が期待されているが、電子的に保健医療情報の流通を行う場合には、個人情報の保護が極めて重要であり、そのために必要となる措置を講じることが急務とされている。本研究では、通信回線上や医療機関内部における個人情報・医療情報等の安全性を確保する技術について研究開発を進めるとともに、保健医療分野における情報の安全な流通を保証するネットワーク基盤を構築・運用する方策について検討する。さらに、ネットワーク基盤を利用した安全性、利便性、経済性などに優れた医療サービスの実施方法を取りまとめるとともに、それを利用した保健医療福祉サービスの今後の新たな展開を示す。
研究方法
工学者及び医師ら、保健、医療、福祉の各分野における情報化推進にあたっている専門家を中心とした研究班を組織し、各分野における電子化の状況や情報保護に対する取り組みの調査、及び安全に医療情報を取り扱うための課題の抽出と実現方法の検討を行った。
結果と考察
利用者や利用環境をネットワーク経由で迅速に確認し、複数の情報機器で動的にセキュアなネットワークを構築することができるオンデマンドVPNを提案し、オンデマンドVPNを利用した医療機器等の認証機構とこれらを利用する医師等の認証機構を用いることで、医療情報へのアクセスコントロールを実現できる可能性があることを示した。さらに、保健医療福祉分野においては、オンデマンドVPNを利用したネットワーク化を促進することにより、医療にかかわる多くの機関が相互に情報交換可能な環境下で電子カルテに代表される医療情報の電子化を進めることが可能になり、個人情報保護を実現しつつ必要な情報の授受を実現する基盤が構築可能となることを明らかにした。
今後はネットワーク基盤の整備とともに、それを活用した様々な保健医療福祉サービスの充実が求められており、安全性、利便性、経済性などに優れた医療サービスの具体的検討が必要である。
結論
本研究では、保健医療福祉分野のネットワーク基盤を構築する方策を検討し、実現に向けた課題を明らかにした。本研究で得られた成果は、安全なネットワーク基盤を利用した保健医療福祉サービスの研究開発に活用される予定となっており、今後医療機関相互における情報連携の実証実験や医療サービスの検討等への反映や、オンデマンドVPNを構成する技術仕様へフィードバックすることを予定している。

公開日・更新日

公開日
2005-05-12
更新日
-