医籍登録情報の電子化・カード化の医療施策への活用に関する研究

文献情報

文献番号
200400025A
報告書区分
総括
研究課題名
医籍登録情報の電子化・カード化の医療施策への活用に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
山本 隆一(東京大学 大学院情報学環)
研究分担者(所属機関)
  • 喜多 紘一(東京工業大学 像情報研究施設)
  • 山下 芳範(福井大学 医学部 医療情報部)
  • 公文 敦((財)医療情報システム開発センター)
  • 美代 賢吾(東京大学 医学部附属病院 医療機器・材料管理部)
  • 増田 剛(神戸大学 医学部付属病院医療情報部)
  • 田中 勝弥(東京大学 医学部附属病院企画情報運営部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療従事者の資格の電子的な確認は医療のIT化を進めていく上で必須の事項で、厚生労働省はすでに医籍登録台帳の電子化に取り組んでおり、本研究は医籍台帳の電子化を前提として医籍データベースの高度利用のあり方を提言することにある。
研究方法
フランス・台湾の医籍のIT利用状況の調査と医籍データの活用に必須のICカードの国内企画および医療分野での国際的な標準化動向の調査を行い、医籍DBのデータモデルをHL7 RIMに準拠して作成した。さらにHPKIとの連携および患者による医師資格の確認ついて技術的可能性を検討した。
結果と考察
フランスと台湾を調査し、導入された場合の効果と導入に際しての取り組み主体、経費負担、および制度との関連を明らかにした。主に保険制度の違いから調査対象国のコストモデルを直接わが国に適応することは困難で、後述のHPKIの整備により、診療情報提供書の電子化などの国民的な利点を得ることで適切なコストモデルとなることを示した。医籍DBのデータモデルをHL7 RIMを用いて設計をおこない実用的なデータモデルを構築できた。HPKIによる電子署名基盤の整備との関連を論じた。医籍情報の電子化および高度利用とHPKIによる電子署名基盤の整備は不可分であり、同時に整備すべき事項であることを明らかにした。医籍情報を格納するICカードの国内で利用可能な規格を調査し、適切な仕様を示すことができた。また国際標準化機構で現在進められている保険医療福祉分野のスマートカードに関する標準化を調査し、今後の対応の資料とすることができた。また患者による医師等の資格確認が現状困難な点を取り上げ、資格カードの導入により解決の可能性があることを示した。
結論
先進的な海外事例を検討し、特に整備導入のコスト負担について考察し、HPKIと平行して整備することで、わが国に最適なコストモデルになることを示した。また高度利用に不可欠な柔軟性のあるデータモデルを設計することができ、さらに医籍情報を格納するICカードの仕様および国際標準化の動向を明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2005-04-25
更新日
-