病原性グラム陰性桿菌における16S-rRNAメチレース遺伝子の獲得状況等に関する緊急調査

文献情報

文献番号
200400022A
報告書区分
総括
研究課題名
病原性グラム陰性桿菌における16S-rRNAメチレース遺伝子の獲得状況等に関する緊急調査
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
荒川 宜親(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 山根 一和(国立感染症研究所)
  • 鈴木 里和(国立感染症研究所)
  • 長沢 光章(防衛医科大学校病院)
  • 倉辻 忠俊(国立国際医療センター研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、緑膿菌などのグラム陰性桿菌の多剤耐性化が国内外の臨床現場で進行し、死亡事例も少なからず発生し、深刻な医療問題となっている。臨床現場では、β-ラクタム剤やニューキノロン剤、アミノ配糖体が重要な抗菌薬として使用されている。しかし2003年から2004年にかけて我が国及び欧州諸国において、RmtA、RmtB、ArmAと命名されたアミノ配糖体に超高度耐性を付与する16S rRNAメチラーゼが、緑膿菌やセラチア、肺炎桿菌、シトロバクターなどの種々のグラム陰性桿菌で相次いで発見された。そこで、今回、我が国の臨床分離株における、16S rRNAメチラーゼ遺伝子の保有状況を正確に把握するための緊急調査を行った。
研究方法
全国の169の医療施設の参加により、アミノ配糖体耐性のグラム陰性菌を収集し、16S rRNAメチレース遺伝子の保有状況をPCR等により解析した。また、多剤耐性緑膿菌による感染症とともに細菌学的な解析を行った。
結果と考察
国内の169の医療施設において16S rRNAメチラーゼ遺伝子を保有するグラム陰性桿菌が日常検査で分離される頻度は0.1%以下であり未だ稀ではあるものの、この種の新型耐性遺伝子を保有する株は、調査に参加した169施設中少なくとも14施設(8.3%)で確認され、既に国内の医療施設にこの新型耐性遺伝子保有株が、密かに拡散しつつある実態が確認された。また、新型耐性遺伝子を持つ同一菌株による院内感染や菌株間における遺伝子伝達を疑わせる事例も確認された。多剤耐性緑膿菌については、同じ遺伝子型を示す多剤耐性株が、地理的に遠隔の医療施設から分離され、特定の多剤耐性クローンが、国内に広く拡散しつつある可能性が強く示唆された。
 以上より、16S rRNAメチラーゼ遺伝子保有株とともに、多剤耐性緑膿菌の分離状況やその動向について、今後も監視を継続する必要がある。
結論
16S rRNAメチラーゼ遺伝子を保有する汎アミノ配糖体高度耐性グラム陰性桿菌の平均的な分離頻度は0.1%以下であり未だ稀ではあるものの、この種の新型耐性遺伝子を保有する株は、調査に参加した169施設中少なくとも14施設(8.3%)で確認され、既に国内の医療施設に この新型耐性遺伝子が、密かに拡散しつつある実態が確認された。また、この新型遺伝子を持つ同一菌株による院内感染や菌株間における新型耐性遺伝子の伝播拡散を疑わせる事例も確認された。多剤耐性緑膿菌については、同じ遺伝子型を示す多剤耐性株が、地理的に遠隔の医療施設から分離され、特定の多剤耐性クローンが、全国に広く拡散しつつある可能性が強く示唆された。

公開日・更新日

公開日
2005-04-25
更新日
-