医療事故事例の調査に係る内容や費用・人材育成等に関する研究

文献情報

文献番号
200400020A
報告書区分
総括
研究課題名
医療事故事例の調査に係る内容や費用・人材育成等に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
野本 亀久雄(財団法人日本医療機能評価機構医療事故防止センター)
研究分担者(所属機関)
  • 相馬 孝博(杏林大学医学部外科(呼吸器))
  • 山口 徹(国家公務員共済組合連合会虎の門病院)
  • 池田 康夫(慶應義塾大学医学部内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究はわが国の医療安全政策に関する動向を踏まえ(1)第三者機関における医療事故事例収集、分析及び現地状況調査に必要な実践モデルを確立する(2)『診療行為に関連した調査分析モデル事業』早期実施に向けて事業の実施に必要な資源や条件を明らかにする、ことを目的としている。
研究方法
(1)①事故事例報告の受付から事後処理までの一連の過程を検討、実践モデル案を立案、試行的調査を実施し修正を行う。②分析体制・方法に関する郵送質問紙法調査および聞き取り調査(2)分担研究者2名・研究協力者9名から成る研究班を編成し、検討会形式で調査モデル、システムに関する検討を行った。あわせて、当該事業モデル(予定)地域関係者及び学会関係者との意見交換会、を行った。
結果と考察
(1)①運用調査を行った結果、RCAトリアージによって確認事項を構造化したうえで事前に確認事項を伝えてから訪問することが有効である、ことが明らかになった。これらの結果を踏まえ実践モデルを確立した。②事故報告制度に参加している医療機関では医療安全担当者の専任化等の体制整備が進んでいるが、その役割や体制構造は多様であること等が明らかになった。また医療安全管理体制確立における管理者の関与の重要性等が示唆された。(2)検討会において①事業における中央事務局とモデル地域の役割分担②事業に必要なマンパワーと各々の役割③当該モデル事業の対象とする事案の条件④情報の取扱い等について検討を行い、①・②は『診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業(案)』、③は『調査依頼の取扱規定(案)』として取りまとめた。④については、事業における個人情報等に関する基本的考え方を整理した。
結論
今回の研究で、医療事故事例情報収集、分析及び現地状況調査の方法論が確立された。医療機関の事故事例分析体制と事故事例情報の質向上については後の検討が必要である。次に、医療関連死の調査モデルと調査システムの検討では、実施に向けて必要な資源や中央事務局とモデル地域の役割分担などが明らかになったが、今後、明らかにされた内容を各モデル地域に周知し、実施地域の実情に即した事業の実施計画を作成する必要がある。また、個人情報保護・情報の取扱い等についてさらに詳細な検討が必要である。

公開日・更新日

公開日
2008-05-12
更新日
-