インフルエンザワクチンの安全性向上のための品質確保に関する研究

文献情報

文献番号
200400018A
報告書区分
総括
研究課題名
インフルエンザワクチンの安全性向上のための品質確保に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
板村 繁之(国立感染症研究所ウイルス第3部)
研究分担者(所属機関)
  • 竹森 利忠(国立感染症研究所免疫部)
  • 堀内 善信(国立感染症研究所細菌第2部)
  • 西藤 岳彦(国立感染症研究所ウイルス第3部)
  • 真鍋 貞夫((財)阪大微生物病研究会)
  • 大隈 邦夫((財)化学及血清療法研究所)
  • 小幡 朗(デンカ生研株式会社)
  • 渡辺 隆雄((社)北里研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
インフルエンザワクチンの安全性と有効性を確保するために必要な品質管理の試験方法の改良・開発やその意義について明らかにするとともに、現行の生物学的製剤基準の改訂の基礎になる知見を得ることを目指した。
研究方法
マウス白血球数減少活性の高いものとして全粒子インフルエンザワクチンを使用して、活性の低いインフルエンザHAワクチンと、白血球数及びサイトカインや炎症反応マーカーの増減について経時的に比較した。同時に、血清中の抗体価についても測定し、白血球数と免疫応答との関連について調べた。さらにワクチンの接種経路や使用するマウスの系統、採血法などについて、マウス白血球数減少試験おける感度、精度、再現性について調べた。
結果と考察
(1)インフルエンザワクチンに含有されるマウス白血球数減少活性の実体についての解析を行い、ワクチンに含有されるウイルスRNAがその本体である可能性を見出した。得られた知見からワクチンの免疫原性を損なうことなく、ヒトでの副反応に関係する可能性のある白血球数減少活性を除去し得ることがわかった。
(2)より精度、再現性の高いマウス白血球数減少試験の方法を確立し、本活性の製造工程での品質管理を容易にすることを可能にした。また、本試験法に替わるより定量性の高い試験方法の候補としてIFNaの測定を挙げることができた。
(3)マウス白血球数減少試験の基準を変更することなく、現行のワクチンの蛋白含量の基準値を増加させることは可能であることがわかった。
(4)一元放射免疫拡散試験によって測定されたHA含量だけでは免疫原性を担保できないことがわかったが、これを結論付けるにはヒトでの免疫原性についての研究など更なる研究が必要である。
結論
インフルエンザワクチンの安全性と有効性を確保するために必要な品質管理の試験方法の改良・開発やその意義について研究を行い、ワクチン製造での品質管理を行う上で有効な方法を確立することができた。また、ワクチンの副反応に関係する可能性のある物質の候補を見出し、より安全性の高いワクチンを製造するための基本的知見を得ることができた。現在の生物学的製剤基準が現行のワクチンに適合していない問題については、現行のワクチンの総蛋白量を変更することによって適合可能であることがわかった。ワクチンの有効性を確保するためには、ワクチンの免疫原性について現行の力価試験を担保するための研究が不可欠である。

公開日・更新日

公開日
2009-04-21
更新日
-