新特定保健用食品制度に関する基準等策定のための行政的研究

文献情報

文献番号
200400011A
報告書区分
総括
研究課題名
新特定保健用食品制度に関する基準等策定のための行政的研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
田中 平三(独立行政法人国立健康・栄養研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 平成16年6月9日にとりまとめられた「「健康食品」に係る今後の制度のあり方について(提言)」では、国民がバランスのとれた食生活を送るために必要な基本的考え方が示された。この提言内容を受け、新特定保健用食品制度に関する安全性及び有効性に関する審査基準等を検討する学際的な視点から、条件付き特定保健用食品(仮称)の審査基準、規格基準型特定保健用食品の規格基準、疾病リスク低減表示の規格基準など、新しい特定保健用食品制度に必要とされる諸基準について専門的・技術的立場から検討することを目的とした。
研究方法
 医学、栄養学、薬学、農芸化学等の専門家からなる学際的な研究班を組織し、必要とされる諸基準について専門的・技術的立場から検討した。
結果と考察
 1.条件付き特定保健用食品の審査基準等:現行の特定保健用食品の審査においては、申請された食品を用いたヒト試験として、無作為抽出試験を要求しているが、これに代わる試験法について検討するとともに、試験の対象被験者の特徴、被験者数、試験期間等を設定するなど、保健の用途に関する有効性に関する表示を担保するための科学的な根拠、名称について検討し提案した。2.規格基準型特定保健用食品の規格基準等:これまでに許可された特定保健用食品の中から規格基準型に移行させる品目の選定方法について検討するとともに、選定された品目の規格基準の設定方法について具体例を示しつつガイドラインを作成した。3.疾病リスク低減表示の規格基準等:検討会提言で例示された、「カルシウムと骨粗鬆症」及び「葉酸と胎児の神経管閉鎖障害」を対象として、その許可表示内容を検討するとともに、その表示を担保できるカルシウム及び葉酸の食品中の含有量を設定した。さらには、これらの疾病リスク低減表示以外のものについて追加する際の検討方法について基準を作成した。
 安全性及び有効性の不確かな健康食品が流通している現状において、一定の安全性及び有効性の担保できるものについては特定保健用食品に取り込むことにより、消費者の適切な商品選択に役立と期待される。また、これまでの特定保健用食品の審査における医薬品レベルのヒトを対象とした試験では開発費用が高いが、大企業だけでなく中小企業に対しても許可取得の道を開くと考えられる。
 
結論
 新しい特定保健用食品の審査基準等の策定及びその検討による提言の具現化は急務であった。本研究により、平成16年度内の新制度の施行に貢献できたとともに、食と健康の非科学的な情報の抑制、偏った食生活を是正し、現代人の食に起因した健康問題の改善に貢献すると期待される。

公開日・更新日

公開日
2005-06-24
更新日
-

研究報告書(紙媒体)