国際健康危機管理のための情報ネットワークのあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200400172A
報告書区分
総括
研究課題名
国際健康危機管理のための情報ネットワークのあり方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
喜多 悦子(日本赤十字九州国際看護大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 岡部 信彦(国立感染症研究所感染情報センター)
  • 澤  洋文(北海道大学大学院医学研究科 分子細胞病理学)
  • 大石 和徳(長崎大学熱帯医学研究所呼吸器感染症・熱帯医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 国際健康危機管理ネットワーク強化研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
26,368,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
SARS、鳥インフルエンザ、狂牛病、西ナイル脳炎、エボラ出血熱など、毎年のように感染症の新たなアウトブレークが報じられ、そのいくつかは、わが国への拡大リスクを持った。さらにバイオテロなど、国際的な健康の危機に際し、国民の健康被害を最小限に食い止めるためには、危機発生の予知を含む早期警戒システムと適正かつ迅速な対応が必須である。本研究は、各種健康危機の発生、緊急度、拡散程度を迅速に把握し、効果的な対策を決定するための情報収集ネットワークのあり方を多角的に検討することを目的とする。最近の国際保健状況から本研究の必要性および緊急性は極めて高い。
研究方法
まず、既存の国際的感染症情報ネットワークの実態と問題を調査分析する。それをもとに関係機関と意見交換し、あるべき効果的なネットワークを検討する。特にアジア、WHO/WPRO地区の各国関係機関との連携体制を検証する。実際のアウトブレイクなど、健康の危機発生に対する近隣国の情報ネットワークとレスポンスに関し、当該地域の各国情報交換の実態を検証し、適正な方法を提案する。さらにわが国と公的な交流を持たないため、既存の国際的枠組みでは連携困難な国や地域における健康の危機で、わが国に波及する危険性をどう察知するかを近隣各国の関係機関の体制などを調査し、可能な方法を提案する。
結果と考察
既存の国際的健康の危機に関する情報ネットワークの成り立ち、現状とその問題点を調査分析し、新たなシステム案を検討した。また、当分野の国内研究や、研究活動の実態と近隣諸国の感染症その他の健康の危機を把握した。また、本研究関連のシンポジウム「私たちの身近に迫る健康の危機」に参加し、初年度の研究成果を踏まえて座長、発表者をつとめた。引き続き、特に、アジア諸国に発生し、わが国に波及するリスクをもつ健康の危機を、如何に迅速に把握し、適切かつ迅速に対応するかの決定に資する情報把握の体制構築に努めたい。
結論
初年度であり、全体的結論を述べる時期ではないが、感染症のみならず、環境汚染や水不足を含む天候異常、地震と津波など自然災害の頻発化、巨大化など、日本国民の健康に直接的、間接的、また一時的あるいは長期的に関係するリスクが多数存在する。本研究では、感染症に主体を置いた検討を進めるが、研究期間内にその他の健康のリスク情報をも包含できる体制構築を提言したい。

公開日・更新日

公開日
2005-06-10
更新日
-