レコードリンケージを用いた保健医療福祉統計の有効活用に関する研究

文献情報

文献番号
200400163A
報告書区分
総括
研究課題名
レコードリンケージを用いた保健医療福祉統計の有効活用に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 修二(藤田保健衛生大学医学部衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 中村 好一(自治医科大学公衆衛生学)
  • 林 正幸(福島県立医科大学情報科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 統計情報高度利用総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
3,009,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 保健医療福祉に関連する主要な統計を対象として、地域・施設・個人単位でレコードリンケージし、その実施可能性を評価するとともに、そのリンクデータを解析して、保健医療福祉統計のレコードリンケージの有用性と課題を明確にした。
研究方法
 地域保健・老人保健事業報告の年次間および国民生活基礎調査と地域保健・老人保健事業報告間を市区町村単位に、患者調査と医療施設調査間を医療施設単位に、老人保健施設調査の年次間および訪問看護統計調査の年次間を利用者単位にレコードリンケージした。各々のリンク状況を検討するとともに、リンクデータに基づいて基礎となる多くの集計表を作成し、その集計表に基づいてデータ解析を行った。倫理面への配慮としては、使用した保健医療福祉統計に個人情報が含まれておらず、個人情報保護などの問題は生ずることがなく、また、その使用は指定統計調査・承認統計調査等調査票の目的外使用許可の下で実施した。本研究は藤田保健衛生大学医学部倫理委員会から承認を受けた。
結果と考察
 地域保健・老人保健事業報告の年次間、国民生活基礎調査と地域保健・老人保健事業報告間、および、患者調査と医療施設調査間においては、ほぼ完全に正しくリンクできた。老人保健施設調査と訪問看護統計調査の年次間において、リンク率(2つの年次の統計ともにレコードがある者の割合であり、利用継続者割合を意味する)は1年間隔で54-57%、2年間隔で37-38%であり、正しいリンクの割合は96-99%であった。地域保健・老人保健事業報告の年次間リンクデータにより、生活習慣病対策状況の市区町村ごとの年次推移を解析した。国民生活基礎調査と地域保健・老人保健事業報告間のリンクデータにより、生活習慣病対策状況と生活習慣・生活習慣病等の状況の関連性を解析した。患者調査と医療施設調査間のリンクデータにより、医療施設の特性と患者の特性の関連性を解析した。老人保健施設調査の年次間および訪問看護統計調査の年次間のリンクデータにより、利用継続率と利用者特性の変化を解析した。
結論
 保健医療福祉の主要な統計について、同一統計の年次間および異なる複数の統計間で、地域・施設・個人を単位とするレコードリンケージを実施した。これらのレコードリンケージについて、有用性が高い可能性を提示するとともに関係課題を総括した。

公開日・更新日

公開日
2005-05-19
更新日
-

文献情報

文献番号
200400163B
報告書区分
総合
研究課題名
レコードリンケージを用いた保健医療福祉統計の有効活用に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 修二(藤田保健衛生大学医学部衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 中村 好一(自治医科大学公衆衛生学)
  • 林 正幸(福島県立医科大学情報科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 統計情報高度利用総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 平成15年度は研究の初年度として、保健医療福祉に関連する統計について目的外使用許可の下で地域・施設・個人を単位とするレコードリンケージを実施して、その実施可能性を評価するとともに、基礎となる集計表の作成および一部の解析を実施した。16年度は研究の最終年度として、既に作成した集計表に基づくデータ解析を行い、また、研究対象とする統計の年次を拡充してレコードリンケージおよびリンクデータの解析を行った。両年度の研究成果を総括してレコードリンケージの有用性と課題を評価した。
研究方法
 平成15年度と16年度において、使用統計は8統計の延べ23年次分であった。これらの統計について、地域・施設・個人単位でレコードリンケージした。各々のリンク状況を検討するとともに、リンクデータに基づいて基礎となる多くの集計表を作成し、その集計表に基づいてデータ解析を行った。倫理面への配慮としては、使用した保健医療福祉統計に個人情報が含まれておらず、個人情報保護などの問題は生ずることがなく、また、その使用は指定統計調査・承認統計調査等調査票の目的外使用許可の下で実施した。本研究は藤田保健衛生大学医学部倫理委員会から承認を受けた。
結果と考察
 市区町村と医療施設を単位とするレコードリンケージでは、ほぼ完全に正しくリンクできた。利用者を単位とする老人保健施設調査と訪問看護統計調査の年次間レコードリンケージでは、かなり高い割合でリンクでき、そのリンクにはほとんど間違いがないと評価された。これらのリンクデータを用いて、基礎となる多くの集計表を作成した。その集計表に基づくデータ解析によって、単独の統計では得られない貴重な知見を得た。解析の課題としては、生活習慣病対策状況の市区町村ごとの年次推移、生活習慣病対策状況と生活習慣・生活習慣病等の状況の関連性、医療施設の特性と患者の特性の関連性、老人保健施設と訪問看護ステーションの利用継続率と利用者特性の変化などであった。
結論
 平成15年度と16年度において、8統計の延べ23年次分を用いて、同一統計の年次間および異なる複数の統計間で、地域・施設・個人を単位とするレコードリンケージを実施した。保健医療福祉に関連する統計間のレコードリンケージについて、有用性が高い可能性を提示するとともに関係課題を総括した。

公開日・更新日

公開日
2005-05-19
更新日
-