パネル調査(縦断調査)のデータマネジメント方策及び分析に関する総合的システムの開発研究

文献情報

文献番号
200400161A
報告書区分
総括
研究課題名
パネル調査(縦断調査)のデータマネジメント方策及び分析に関する総合的システムの開発研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
金子 隆一(国立社会保障・人口問題研究所企画部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 統計情報高度利用総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,650,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生労働省は国が講ずるべき次世代健全育成・少子化対策に不可欠な出産・子育てならびに発育状況の把握と諸施策の効果測定を目的に、2つのパネル調査(21世紀出生児縦断調査、21世紀成年者縦断調査)を開始した。しかしこれらはわが国政府統計初のパネル調査であり、必ずしもデータ管理方法、分析方法が確立しているわけではない。本研究はこれらのパネル調査データの有効なマネジメント方策と分析システムの検討、開発を行い、今後継続して蓄積されるデータの有効活用を通して、少子化をはじめとする国民生活の動態の解明、諸施策策定に資することを目的とする。
研究方法
本研究は1.諸外国先行調査のデータ管理・分析方法の調査検討、および2.21世紀縦断調査のためのデータ管理・分析方法の検討、開発作業により構成される。2ではさらに、実施、データ管理、分析過程の課題検討と支援システムの開発、脱落・データ欠損等への対処法、クリーニング原則の検討などが実施されている。なお、統計調査に関する有識者による委員会を設置し研究内容に係る助言を得ることとしている。
結果と考察
諸外国パネル調査の主要アーカイブの検索整理により一覧表による基礎資料を作成し、とくに厚生労働関連テーマは詳細情報をまとめた。諸外国の長いパネル調査の歴史、広範な活用事例は、そのわが国諸課題への有効性を強く示唆している。膨大な文献資料から基礎的なものを選別収集して文献集とし、一部を要約し、基礎的統計手法について整理した。調査実施、管理の課題を検討し、システム要件としてデータと管理情報の一元管理の重要性を確認した。これに従い試験システムを開発し論点の検証を行った。コード表からの分析プログラムの自動生成などが実現され、支援システムとしての有効性、発展性が示された。また、調査結果から脱落・居住地移動や回答不詳の実態を調べた結果、調査目的に関連するいくつかの属性での選択的欠損、移動の存在が明らかとなり、実施、分析の両面での対処の必要性が示された。分析準備としては「地域」の視点から関連研究をレビューし課題を明らかとした。
結論
諸外国の豊富なパネル調査の先行活用例からは、わが国21世紀縦断調査の有効性が期待されるが、実施面、実体面において特異な部分も多く、独自のデータ管理・分析システムの必要性が示唆される。第2年度では開発されたシステムを中心にさらに課題の検討、改善、分析への応用が実施される。

公開日・更新日

公開日
2005-05-19
更新日
-