患者調査の統計情報高度利用に関する研究

文献情報

文献番号
200400160A
報告書区分
総括
研究課題名
患者調査の統計情報高度利用に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 敏彦(国立保健医療科学院政策科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 平尾 智広(香川大学 医学部)
  • 長谷川 友紀(東邦大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 統計情報高度利用総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
患者調査の高度利用と調査のあり方、結果の使用方法の検討を目的とする。
研究方法
1)施設内患者抽出率と調査精度とその影響を分析した。
2)天候が診療所の患者数に及ぼす影響と、診療所の休診日や診療時間が患者数に及ぼす影響、病院票と診療所票の一月の調査で患者数の推計をすることの妥当性を検証した。
3)3論文のメタ分析を実施し、患者調査における施設類型の可能性を考察した。
4)9医療施設を対象として記入や情報源、記入者負担に関する調査を行った。
5)(1)11疾患に関して前回診療日からの日数が31日以上の再外来患者の割合を求め、最近の診療間隔を傷病間で比較し、2時点間での変化を検討した。
(2)11疾患に関して主副傷病名と副傷病名のみの総患者数を推計し、疾病間で比較した。
6)救急医療に関する質問項目のある患者調査と医療施設調査を二次医療圏別に集計し相関関係を検証した。
結果と考察
1)現行の5/10抽出を基準とした場合、5%以上の誤差が一部存在する。しかし、3/10でも若年者が増加し、2/10、1/10等一部でその影響は大きく、1/3~1/2で5%を超えその影響は大きい。
2)天候による患者数に有意差はない;診療時間が長いほど患者数が多い;外来患者数と入院回数には季節差はないが、在院患者数は有意に少なかった。
3)病院は急性期、長期、外来の3つの型からなり、歴史的に次第に分化している。
4)患者の基本情報は殆どの施設で電子化され、紹介の有無や救急等は殆どの施設で電子化されていない;記入者は基本情報では事務職が多く、診療内容では診療情報管理士や医師は少ない;基本情報や主病名、手術の有無の記入負担が多いと回答した施設は少ない;調査結果を利用している施設は殆どない。
5)(1)受診間隔31日以上の割合は、全11疾患で3年間に増加し、慢性の生活習慣病が上位を占めた。
(2)副病名の削除により、生活習慣病やその他の慢性疾患の診療名が頻繁に主病名の下に隠れることが判明した。
6)救急の状況に関して、2調査の間に相関が見られなかった。

第一年度成果から、患者調査とその関連調査に提言可能である。利用法への提言も可能となり、統計情報の高度利用の推進に資することが期待される。第二年度において、より詳細な分析を行う。
結論
考察に含まれる。

公開日・更新日

公開日
2005-05-19
更新日
-