診断群分類を活用した医療サービスのコスト推計に関する研究

文献情報

文献番号
200400157A
報告書区分
総括
研究課題名
診断群分類を活用した医療サービスのコスト推計に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
松田 晋哉(産業医科大学医学部公衆衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 今中雄一(京都大学医学部)
  • 開原成允(国際医療福祉大学)
  • 渡辺清明(慶応大学医学部)
  • 大江和彦(東京大学医学部)
  • 遠藤久夫(学習院大学経済学部)
  • 伏見清秀(東京医科歯科大学医学部)
  • 石川ベンジャミン光一(国立がんセンター研究所がん情報研究部)
  • 柿田章(私立医科大学協会)
  • 宇都由美子(鹿児島大学医学部)
  • 吉田英機(昭和大学医学部)
  • 竹田秀(特定非営利活動法人VHJ機構)
  • 坂本徹(東京医科歯科大学医学部)
  • 遠藤明(医療情報システム開発センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
240,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は以下の通りである。
1.わが国で開発された診断群分類であるDPC(Diagnosis Procedure Combination)を活用して医療サービスの原価を推計する。
2.DPCに基づく包括支払い方式が医療サービス提供体制及び医療サービスの内容に及ぼした影響について医療経済学的視点から検討する。
研究方法
1.原価把握の方法論の確立と医療サービスの原価推計
先行研究において開発されたDPC対応標準原価計算マニュアルを用いて、わが国の急性期入院医療における医療サービスの原価を推計した。対象施設は、特定機能病院22施設、国立病院5施設、全社連病院15施設、民間病院83施設である。
2. DPCレセプトの評価手法の開発
諸外国において開発されている種々の統計学手法や監査方法を参考としながら、わが国の医療制度のあったDPCレセプト審査手法について検討した。
3.地域医療への影響の評価
調査に参加している民間病院等を対象に、DPC導入により、臨床面及び医療経済面でそのような影響が生じているのかについて検証した。
4.国民医療費への影響
各施設から提出されるDPC関連情報などを基に、そのような医療行為の変化について検証し、それが国民医療費に及ぼす影響などについてマクロレベルでの検証した。
結果と考察
本研究により、各病院が所有しているレセプトコンピュータを活用することで、共通手法によりDPCベースの原価の推計が受容可能なレベルで可能であることが実証された。しかしながら、データの精度に施設間格差があり、その解消のための方法論確立が今後の課題である。
DPCに基づく包括評価制度は地域の医療提供体制に大きな変化はもたらしていなかった。支払い対象施設では、在院日数の短縮、画像診断、内服・注射、処置、検査などで入院中の提供量が減少しているが、それによる粗診粗療は生じていなかった。
結論
現在、急性期病院で進行しているIT化の枠組みにDPC研究で開発された原価推計手法を適用することで、受容可能なレベルで患者別・DPC別の原価推計が可能であることが示された。今後の課題として、個別施設から提出される情報の精度を向上させる方法を検討することが必要である。
包括評価対象施設では入院期間中の医療資源の投入量が減少しているが、地域の医療提供体制や医療サービスの質に対する望ましくない影響は特に認められなかった。

公開日・更新日

公開日
2005-04-08
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-06-04
更新日
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