厚生労働行政施策の基盤となる疫学研究の適切な推進に関する研究

文献情報

文献番号
200400152A
報告書区分
総括
研究課題名
厚生労働行政施策の基盤となる疫学研究の適切な推進に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
玉腰 暁子(名古屋大学大学院医学系研究科(予防医学/医学推計・判断学))
研究分担者(所属機関)
  • 小橋 元(北海道大学大学院医学研究科)
  • 佐藤 恵子(和歌山県立医科大学)
  • 杉森 裕樹(聖マリアンナ医科大学)
  • 中山 健夫(京都大学大学院医学研究科)
  • 丸山 英二(神戸大学大学院法学研究科)
  • 武藤 香織(信州大学医学部保健学科)
  • 山縣 然太朗(山梨大学大学院医学工学総合研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生労働行政施策を根拠に基づき行うためには疫学研究が必要である。疫学研究では対象者個人個人の協力の下に、疾病に関連する要因や予防方法を明らかにし、集団に対して結果が還元される。このような構造であることを研究者も対象者も理解することは重要であるが、未だ一般国民の疫学研究に対する理解が十分であるとは言えず、また研究者側の配慮も不十分である。さらに用いる情報の保護と利活用が適切なバランスを保つ必要がある。そこで我々は、社会の理解と協力を得て円滑に疫学研究が遂行される基盤作成を目指し研究を行った。
研究方法
研究者及び研究対象となりうる一般の方への調査、文献やメディア情報の検索による。
結果と考察
以下の研究調査を実施した。
1.疫学研究者などに対する研修・教育のあり方に関する研究
○開発中のeラーニングシステム“BRIDGE”コンテンツの充実と利用に関する調査
○個人情報保護に関する若手疫学者の意識調査
2.倫理審査委員会の在り方の検討
○研究者から見た倫理審査委員会の機能に関するプレリミナリィ調査
3.疫学研究のリスク管理に関する研究
○HIPAA法施行後の米国の状況調査
○リスク管理のための過去の国内外の事例の収集と整理
○開示請求の取り扱い
4.一般国民の疫学研究に関する意識調査と啓発に関する研究
○一般の方との意見交換会
○マスメディアを利用した情報発信および成果還元に関する研究者の意識調査
5. 医学部における疫学研究の倫理に関する教育状況の把握

 特に“BRIDGE”は個人情報保護法の施行により社会・研究者双方が適切な研究の進め方を検討する中、より使いやすいインターフェイスを用意したことから、今後利用が増えることが期待される。また、積極的に集合型研修の機会を設け、より主体的に考える場を提供すると同時に交流し、“BRIDGE”のさらなる向上に努める予定である。
 実施した調査研究(倫理審査委員会のあり方、個人情報保護の観点に立った情報の取り扱い、リスク管理、一般の方との意見交換、医学教育のあり方など)を通じて得られた知見を総合的に結びつけ、今後、研究対象となりうる一般集団から研究が理解されより適切に実施されるためのさらなる方策につなげることを試みたい。
結論
一連の研究により、社会と疫学研究(者)を結ぶ橋を架けることを試みた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-