高齢が進んだ大都市近郊地域等における高齢者の社会参加促進方策とその地域社会に与える効果に関する研究

文献情報

文献番号
200400138A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢が進んだ大都市近郊地域等における高齢者の社会参加促進方策とその地域社会に与える効果に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
植村 尚史(早稲田大学人間科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 馬場 康彦(明星大学社会福祉学部)
  • 可部 明克(早稲田大学人間科学部)
  • 佐野 友紀(早稲田大学人間科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
6,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
都市近郊地域に居住する高齢者の多くは元サラリーマンで、多くの知識、経験を有する人々であり、引退後も地域において十分な活躍ができる能力を備えている人も多い。本研究は、都市近郊地域に居住する高齢者が充実した生活を送ることができるようにするために、生活のあらゆる面で、どのようなニーズがあり、どのような対策が必要であるかを明らかにしようとするものである。
研究方法
高齢化が進んでいる大都市近郊地区で、高齢者の生活実態に関する調査を行った。また、自治会関係者等のヒアリングを行った。さらに、新しい情報伝達手段を用いて高齢者のコミュニケーションの促進を図っている活動について実態調査した。これらの調査に加え、高齢者の社会活動やコミュニケーションに関する既存の研究をもとに、高齢者の社会活動促進のための方策について検討した。
結果と考察
高齢化が進んでいる都市近郊地域に居住する高齢者は、地域からも家族からも「浮いた」存在となってしまっている。元サラリーマン高齢者が「会社」から「地域・家族」へのスムーズな転換が可能になるような手段をまわりが提供していくことが必要である。しかし、都市近郊地域では、地域住民の間のネットワークは根付いていない。従来の伝統的な地域社会を前提にした支援システムを機能させることは難しく、地域や住民の実態にあった新しいシステムを構築していくことが必要である。
結論
高齢者の活動の活発化のためには、行動の制限を取り除くことが必要である。最も行動の障害になっているところに絞って、高齢化に向けた生活基盤の整備を図ることが求められる。その場合、住民のニーズ調査やコスト・ベネフィット分析などに、そうした仕事の経験のある高齢者住民のグループを活用するといった方法も考えられる。高齢者には、多様で多層的なネットワークが形成できるように支援することが求められる。その手段として、新しいコミュニケーション機器の活用と、それを使った交流の場の活用が考えられる。また、高齢者居住にとって、セミパブリックな空間を形成することで交流を促進することが重要である。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-