病院ボランティアの導入とコーディネートに関する普及モデルの開発とデモンストレーション

文献情報

文献番号
200400128A
報告書区分
総括
研究課題名
病院ボランティアの導入とコーディネートに関する普及モデルの開発とデモンストレーション
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
信友 浩一(九州大学大学院医学研究院医療システム学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 安立 清史(九州大学大学院人間環境学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
4,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 平成16年度は、福岡県内の病院における病院ボランティアの状況を探ること、病院ボランティア・コーディネーターの詳細な仕事内容を探ることを目的とした。
研究方法
 福岡県内の病院ボランティアの受け入れ状況については、福岡県病院協会、福岡県私設病院協会、福岡県精神科病院協会に所属する福岡県内の全病院の病院長に対して郵送調査を行った。調査時期は2004年9月?12月末日までとし、発送総数っは386通、回収率は51.3%(198票)、有効回答率は51.0%(197票)であった。
 また、前年度の成果を踏まえて、日本病院ボランティア協会に委託して、全国9病院から、専任専従の先進的なボランティア・コーディネーターにワーキンググループを形成してもらい、3回にわたるワークショップを行った。
結果と考察
 福岡県内の3つの協会所属する病院のうち、30%の病院で病院ボランティア活動が始まっていることがわかった。しかしまだ70%もの病院ではボランティア活動がないこと。現在活動がない病院でも、そのうちの7割以上では「病院ボランティア活動の導入の検討を始める予定」と答えており、予想以上に病院ボランティア導入へ向けた病院の取り組みが積極的であることが分かった。
 また、コーディネーターについては、、専任専従のコーディネーターが必要であること。そしてコーディネーターにも、よりボランティアの理解を深め、ボランティア活動全体の意義や理念を学びなおし、ボランティアと協働する技術や技法を学び、医療と患者、ボランティアとを有機的に結びつけていくより高度な専門性が求められるようになってきているという結果が得られた。
結論
 ボランティア導入において、病院経営者の観点からして大きなものは、医療機能評価の項目に病院ボランティアの有無の項目が取り入れられたこと、すでに地域の多くの病院で導入が始まっていること等があげられる。病院側は、病院ボランティアの導入をせまられている状況と言ってよい。病院ボランティアの導入を考えてない病院は、全体のごく一部にすぎなくなっている。
 加えて、コーディネーターなしには、ボランティアが活動を維持・継続・発展することは難しい。3回にわたるワークショップから、コーディネーターの役割モデルと現状における課題を明らかにする必要性があること、そしてより専門性の高いコーディネーターを育成するための研修プログラムの開発が必要であるという結論を得た。

公開日・更新日

公開日
2005-06-29
更新日
-