政策評価における実績評価のあり方に関する研究-評価指標の見直しと評価結果の活用方法の検討を中心に-

文献情報

文献番号
200400125A
報告書区分
総括
研究課題名
政策評価における実績評価のあり方に関する研究-評価指標の見直しと評価結果の活用方法の検討を中心に-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
池田 俊也(慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 大久保一郎(筑波大学社会医学系)
  • 福田敬(東京大学大学院薬学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は3つの小研究から構成される。第一に、政策評価における基本的な評価手法と研究対象である業績測定(実績評価)の理論を踏まえた上で、米国のGPRA(Government Performance and Result Act:政府業績成果法)とわが国の厚生労働省における実績評価(業績測定)の比較・分析を行い、同省の実績評価(業績測定)の改善策を提言することを目的とした。第二に、「理論的視点からの実績評価体系の見直し」に示した業績測定の理論に基づき、厚生労働省の実績評価において、適用が可能な目標および評価指標を策定することを目的とした。第三に、医療における政策評価指標を、既存の厚生労働統計を活用して充実させることを目的とした。
研究方法
第一に、厚生労働省における政策評価に関する基本計画(以下、基本計画)とOMB(Office of Management and Budget:連邦管理予算局)のガイダンスに示された実績評価(業績測定)の体系を比較した。第二に、平成16年度および平成17年度の厚生労働省の予算案を参考に、実績評価の対象とする施策を選定し、当該施策から予算の配分を受けている事業について、ロジック・モデルを作成して、当該ロジック・モデルに示された業績情報の中から、目標および評価指標を選定した。第三に、厚生労働省による医療施設調査および病院報告の個票の一部を用いて、新たな政策指標について検討した。
結果と考察
1、施策の成果(アウトカム)の測定を重視した実績評価(業績測定)を実施するためには、施策から予算の配分を受けた事業において、インプットからアウトプット、アウトカムまでの一連の流れを把握することが必要であることが明らかになった。2、事業のアウトカムを把握することで、実績評価(業績測定)の実施において適切なアウトカム目標およびアウトカム指標を選定できることが示唆された。3、厚生労働省は、実施中の施策について、ロジック・モデルを踏まえた実績評価を実施することで、既存の施策の軌道修正を行えることが示唆された。
結論
施策の成果(アウトカム)の測定を重視した実績評価(業績測定)の体系を作成するためには、ハトリーが提言したロジック・モデルの利用が有効であることが分かった。さらに、ロジック・モデルを利用して、施策の成果の測定に重点を置いた実績評価(業績測定)を実施することで、成果指向型の施策の策定および運営に資する情報を得ることができるという結論に至った。

公開日・更新日

公開日
2005-04-08
更新日
-