かかりつけ医の診療プロセスとアウトカムに関する研究

文献情報

文献番号
200400110A
報告書区分
総括
研究課題名
かかりつけ医の診療プロセスとアウトカムに関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
福原 俊一(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻医療疫学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 平井 愛山(千葉県立東金病院)
  • 松村 真司(松村医院)
  • 池田 俊也(慶應義塾大学医学部医療政策管理学)
  • 筧 善行(香川大学医学部泌尿器科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
4,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、21世紀の我が国においてかかりつけ医に求められる新しい役割、新しい役割機能を果たす際に求められる医療の質、その医療の質を評価する指標の開発と検証、指標を用いた評価、そして医療の質を標準化し改善することによってもたらされる国民レベルの健康アウトカムへの影響および医療経済的な節約効果を定量的に分析すること目的としている。
研究方法
以下の6プロジェクトに関して研究を行った。
1)かかりつけ医の診療の質とアウトカム測定研究、
2)臨床シナリオ(Vignettes)を活用した診療の質測定に関する研究、
3) 電子カルテ上でQIを活用して診療の質測定に関する研究、
4) 電子カルテネットワークと診療ガイドラインを活用した「かかりつけ医」の糖尿病診療の向上に関する研究、
5) かかりつけ医を地域リーダーとした排尿障害者に対する医療支援ネットワークの構築、
6) プライマリ・ケアにおける糖尿病疾病管理の費用対効果に関する研究
結果と考察
1)外来患者満足度指標を開発した。健康問題の疫学調査では急性疾患では、急性上気道炎、慢性疾患では本態性高血圧が外来で高頻度に接する問題であることが明らかになった。かかりつけ医自身による質指標作成のワークショップにおいて、質評価手法の理解や評価項目作成に時間がかかることが明らかになり、質指標を用いた診療評価の障害を解決する必要があることが認識された。
2)経験した症例数が多いほど、スコアが高いという結果が認められた。また、指導医が行う研修医評価とスコアの関連を調べたところ、問題解決能力などの項目で有意な関連が認められず、両者の乖離が認められた。
3)電子カルテを活用して診療の質を評価するための課題として、診断日の正確性、病名の正確性、他医療機関受診の可能性、電子カルテ入力漏れなど、が明らかになった。
4)電子カルテネットワークの導入は、糖尿病診療ガイドラインの研修会との併用により、地域中核病院から診療所への技術移転(インスリン療法の普及・拡大)を可能にすることが明らかになった。5) 規模はまだ小さいが、香川県内にかかりつけ医や介護士・看護士を地域リーダーとした排尿障害者に対する医療支援ネットワークが構築されつつある。
6)国内外の疫学データを参考に開発したシミュレーションモデルを用いて、予後予測ならびに医療費予測を実施したところ、疾病管理導入により患者の予後改善と大幅な医療費の削減が達成される可能性が示された。
結論
以上本研究班は、上記の目的のもとに3年間の研究を推進し、所期の目的を達成した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-

文献情報

文献番号
200400110B
報告書区分
総合
研究課題名
かかりつけ医の診療プロセスとアウトカムに関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
福原 俊一(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻医療疫学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 平井 愛山(千葉県立東金病院)
  • 筧 善行(香川大学医学部泌尿器科)
  • 松村 真司(松村医院)
  • 池田 俊也(慶應義塾大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、21世紀の我が国においてかかりつけ医に求められる新しい役割、新しい役割機能を果たす際に求められる医療の質、その医療の質を評価する指標の開発と検証、指標を用いた評価、そして医療の質を標準化し改善することによってもたらされる国民レベルの健康アウトカムへの影響および医療経済的な節約効果を定量的に分析すること目的としている。
研究方法
以下の6プロジェクトに関して研究を行った。
1)かかりつけ医の診療の質とアウトカム測定研究、
2)臨床シナリオ(Vignettes)を活用した診療の質測定に関する研究、
3) 電子カルテ上でQIを活用して診療の質測定に関する研究、
4) 電子カルテネットワークと診療ガイドラインを活用した「かかりつけ医」の糖尿病診療の向上に関する研究、
5) かかりつけ医を地域リーダーとした排尿障害者に対する医療支援ネットワークの構築、
6) プライマリ・ケアにおける糖尿病疾病管理の費用対効果に関する研究
結果と考察
1)入院患者満足度指標、外来患者満足度指標を開発・検証した。かかりつけ医が貢献する健康問題の疫学調査では急性疾患では、急性上気道炎、慢性疾患では本態性高血圧が外来で高頻度に接する問題であることが明らかになった。
2)Vignettesを活用した研究では経験した症例数が多いほど、スコアが高いという結果が認められた。
3) 電子カルテ上でQIを活用して診療の質測定に関する研究: 電子カルテを活用して診療の質を評価するための課題として、診断日の正確性、病名の正確性、他医療機関受診の可能性、電子カルテ入力漏れなど、が明らかになった。
4)電子カルテネットワークの導入は、糖尿病診療ガイドラインの研修会との併用により、地域中核病院から診療所への技術移転(インスリン療法の普及・拡大)を可能にすることが明らかになった。
5) 規模はまだ小さいが、香川県内にかかりつけ医や介護士・看護士を地域リーダーとした排尿障害者に対する医療支援ネットワークが構築されつつある。
6) プライマリ・ケアにおける糖尿病疾病管理の費用対効果に関する研究: 国内外の疫学データを参考に開発したシミュレーションモデルを用いて、予後予測ならびに医療費予測を実施したところ、疾病管理導入により患者の予後改善と大幅な医療費の削減が達成される可能性が示された。
結論
以上本研究班は、上記の目的のもとに3年間の研究を推進し、所期の目的を達成した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2022-09-13
更新日
-