「世代とジェンダー」の視点からみた少子高齢社会に関する国際比較研究

文献情報

文献番号
200400109A
報告書区分
総括
研究課題名
「世代とジェンダー」の視点からみた少子高齢社会に関する国際比較研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
西岡 八郎(国立社会保障・人口問題研究所(人口構造研究部))
研究分担者(所属機関)
  • 津谷 典子(慶應義塾大学(経済学部))
  • 福田 亘孝(国立社会保障・人口問題研究所(人口動向研究部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
28,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、日本を含む国際比較によるマクロ・ミクロ両データの分析に基づいて、結婚・同棲を含む男女のパートナー関係、出産・子育て関係の先進国間の共通性と日本的特徴を把握し、これによって、日本における未婚化・少子化の要因分析とその対策に関する政策提言に資することを目的とする。
研究方法
先進諸国の大部分をカバーする国連ヨーロッパ経済委員会(UNECE)の人口部が、ヨーロッパ諸国の少子高齢化問題と家族・家族観の変化とを、世代とジェンダーという2つの視点から関連づける「世代とジェンダー・プロジェクト(GGP)」を発足させ、幸いにも、ヨーロッパ経済委員会域外の主要な先進国である日本にも参加を呼びかけてきた。本研究は、この呼びかけに積極的に応え、GGPプロジェクトの企画・設計段階から参加し、参加国共通のフレームに従い、人口・経済・社会・社会保障に関するマクロデータを収集するとともに、共通の調査票を用いた「世代ジェンダー調査(GGS)」を実施する。パートナー関係、出生力、家族ネットワーク、ジェンダー、家計と社会保障に関する調査項目を含む、家族に関する包括的調査であり、今後パネル調査も視野に入れており、この分野ではおそらく日本では初めての国際比較調査である。
結果と考察
本年度の研究結果は以下のようにまとめられる。第一に、日本やイタリアでは、家事・育児が妻に集中する傾向が強く、女性にとって仕事と家庭の両立が難しい。こうしたジェンダー平等の低さが、両国の高学歴女性の結婚忌避へ繋がっている可能性が高い。第二に、学歴や就業が出生力や出生タイミングに及ぼす影響は国によって異なり、学歴間の出生児数の差が大きい国と小さい国がある。従って、学歴や就業が出生力や出生タイミングに、どの程度、影響を及ぼすかは、社会的コンテキストの状況に影響される。
結論
 今後、男女間の役割分担の平等化をすすめ、男女共同参画社会を政策的に推進することによって、日本の未婚化の進展をある程度、軽減できることが本研究の結果から示唆される。また、本研究から政策-例えば、子育て支援政策-によって社会的コンテキストの状況が改善された場合、出生力の水準が変化する可能性があることを示唆しており、積極的な政策推進によって出生が促進される可能性があること含意している。

公開日・更新日

公開日
2005-06-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-03
更新日
-

文献情報

文献番号
200400109B
報告書区分
総合
研究課題名
「世代とジェンダー」の視点からみた少子高齢社会に関する国際比較研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
西岡 八郎(国立社会保障・人口問題研究所(人口構造研究部))
研究分担者(所属機関)
  • 津谷 典子(慶應義塾大学(経済学部))
  • 福田 亘孝(国立社会保障・人口問題研究所(人口動向研究部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、日本を含む国際比較によるマクロ・ミクロ両データの分析に基づいて、結婚・同棲を含む男女のパートナー関係、出産・子育て関係の先進国間の共通性と日本的特徴を把握し、これによって、日本における未婚化・少子化の要因分析とその対策に関する政策提言に資することを目的とする。
研究方法
先進諸国の大部分をカバーする国連ヨーロッパ経済委員会(UNECE)の人口部が、ヨーロッパ諸国の少子高齢化問題と家族・家族観の変化とを、世代とジェンダーという2つの視点から関連づける「世代とジェンダー・プロジェクト(GGP)」を発足させ、幸いにも、ヨーロッパ経済委員会域外の主要な先進国である日本にも参加を呼びかけてきた。本研究は、この呼びかけに積極的に応え、GGPプロジェクトの企画・設計段階から参加し、参加国共通のフレームに従い、人口・経済・社会・社会保障に関するマクロデータを収集するとともに、共通の調査票を用いた「世代ジェンダー調査(GGS)」を実施する。家族に関する包括的調査であり、今後パネル調査も視野に入れており、この分野ではおそらく日本では初めての国際比較調査である。
結果と考察
研究結果は以下のようにまとめられる。第一に、日本やイタリアでは、家事・育児が妻に集中する傾向が強く、女性にとって仕事と家庭の両立が難しい。こうしたジェンダー平等の低さが、両国の高学歴女性の結婚忌避へ繋がっている可能性が高い。第二に、学歴や就業が出生力や出生タイミングに及ぼす影響は国によって異なり、学歴間の出生児数の差が大きい国と小さい国がある。従って、学歴や就業が出生力や出生タイミングに、どの程度、影響を及ぼすかは、社会的コンテキストの状況に影響される。
結論
今後、男女間の役割分担の平等化をすすめ、男女共同参画社会を政策的に推進することによって、日本の未婚化の進展をある程度、軽減できることが本研究の結果から示唆される。また、本研究から政策-例えば、子育て支援政策-によって社会的コンテキストの状況が改善された場合、出生力の水準が変化する可能性があることを示唆しており、積極的な政策推進によって出生が促進される可能性があること含意している。しかし、政策の影響を吟味し、有効な少子化対策を提示するためには、同一の調査対象者を一定の期間、繰り返して追跡調査するパネル調査を実施する必要がある。従って、パネル調査による研究の継続が必要であり、今後もパネルでの調査継続が望まれる。

公開日・更新日

公開日
2005-06-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-03
更新日
-