文献情報
文献番号
200400104A
報告書区分
総括
研究課題名
経営・運営の変化が医療及び医療機関に与える影響に関する研究(国立病院移譲を例として)
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
谷 修一(国際医療福祉大学)
研究分担者(所属機関)
- 田村 誠(国際医療福祉大学)
- 高橋 泰(国際医療福祉大学)
- 加藤 尚子(国際医療福祉大学)
- 河原 和夫(東京医科歯科大学)
- 武藤 正樹(国立長野病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
6,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
厚生省は、昭和61年度に国立病院の再編を検討する委員会を設け、国立病院234施設のうち74施設を統合・移譲する計画を立てた。平成元年から平成14年度までには66病院の移譲があった。日本の病院が政策的にこのような大きな変革を行ったことは前例はなく、その政策の影響を調査して記録することは、今後の医療政策の立案や実施の上で重要である。本研究はこうした考えから、移譲を完了した病院について、移譲前後の経営、医療内容、患者の評価などを調査し、その実態を記録することを目的とする。
研究方法
研究対象は、平成元年から15年度末の間に移譲された60病院とである。移譲前のデータについては、厚生労働省が保有している各病院の管理データを収集した。移譲後のデータは、各病院にアンケートを行うと共に、各医療団体の資料、公営企業年鑑病院編、WAM-NETなどから公開されているデータを収集し、その上で一部の病院については現地に行って聞き取り調査を行った。
データが収集できた病院について、移譲前後の医療機能についての比較分析を行い、移譲前の状況や移譲後の経営主体による影響を分析した。一部の病院については、DEA(Data Envelopment Analysis)の手法を用いて、移譲前後の病院の効率性の変化について分析した。
データが収集できた病院について、移譲前後の医療機能についての比較分析を行い、移譲前の状況や移譲後の経営主体による影響を分析した。一部の病院については、DEA(Data Envelopment Analysis)の手法を用いて、移譲前後の病院の効率性の変化について分析した。
結果と考察
移譲先は、自治体、医師会、学校法人、厚生連、財団法人、社会福祉法人、社団法人、日本赤十字社、特定医療法人などさまざまであるが、自治体及び社会福祉法人が数の上では多かった。
診療機能を表す指標として、病床数は、国立病院、国立療養所ともに増加し、診療科数も、増加していた。職員数は、移譲後には増加している病院がほとんどであり、特に医師の増加が著しい。患者数も移譲に伴って増加する傾向にある。収支状況は、移譲後は、収支率は改善に向かう傾向にあった
診療機能を表す指標として、病床数は、国立病院、国立療養所ともに増加し、診療科数も、増加していた。職員数は、移譲後には増加している病院がほとんどであり、特に医師の増加が著しい。患者数も移譲に伴って増加する傾向にある。収支状況は、移譲後は、収支率は改善に向かう傾向にあった
結論
平成元年から16年3月までに移譲された国立病院及び国立療養所60病院の移譲前後の状況を調査し、経営主体の変更が病院の機能にどのように影響を与えるかについて考察を加えた。
移譲を受けた機関も地方自治体から民間の医療法人までさまざまであるので、全体に共通する結論は簡単には出せないが、あえてまとめるとすれば、移譲は病院の機能をより地域の医療ニーズに適合した方向に変化させる結果となっており、その意味ではこの政策は成功であったと考えられる。
移譲を受けた機関も地方自治体から民間の医療法人までさまざまであるので、全体に共通する結論は簡単には出せないが、あえてまとめるとすれば、移譲は病院の機能をより地域の医療ニーズに適合した方向に変化させる結果となっており、その意味ではこの政策は成功であったと考えられる。
公開日・更新日
公開日
2005-06-14
更新日
-