介護サービスの利用に伴う高齢者の経済的負担に関する実証研究-立案された介護サービス計画の経済学的検討

文献情報

文献番号
200400099A
報告書区分
総括
研究課題名
介護サービスの利用に伴う高齢者の経済的負担に関する実証研究-立案された介護サービス計画の経済学的検討
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 英俊(国立長寿医療センター包括診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 葛谷 雅文(名古屋大学大学院医学系研究科健康社会医学専攻)
  • 益田 雄一郎(名古屋大学大学院医学系研究科健康社会医学専攻)
  • 野口 晴子(東洋英和女学院大学国際社会学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
9,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我々の研究は、ケアマネジメントの具体例としてのケアプランについて、その現状と問題点を実証的に明らかにすることが目的である。
研究方法
我々の開発したケアマネジメントシステム使用中の居宅介護支援事業者を対象とした。
2000年4月から2003年3月の利用者の、介護保険に関する情報を収集し、その中でデータの保存状態が良好であった31ヶ所の事業所を対象に2000-2年4月のケアプラン作成者の1)年齢、2)性別、3)要介護度、4)利用サービスの種類・内容、そして2002年4月の5)平均利用回数、およびその6)平均利用額を集計した。さらにはサービス利用量と要介護度あるいは年齢との関係の関係、経時的な要介護度の変化がサービス利用量に与える影響を検証した。
結果と考察
ケアプラン作成者数は2000年が336名、2001年が838名、2002年が895名。平均年齢は、要支援が81.3歳、要介護Ⅰが81.5歳、要介護度Ⅱが82.4歳。要介護度Ⅲが82.5歳、要介護度Ⅳが83.1歳、要介護度Ⅴが80.2歳、また女性が66%であった。利用サービスの種類は、1種類の利用が圧倒的に多い。特に要支援では2002年4月での1種類のサービス利用者は全体の95.5%であった。さらに2002年4月に各要介護度において1種類の在宅介護サービス利用者696名を対象に、サービスの種類、サービスの平均利用回数(月平均)、平均利用額(月平均)を集計した。通所介護および訪問介護が、要介護度の悪化とともにサ-ビス利用量が増加した。また要介護度の悪化、加齢は介護サービス利用量増加の因子となった。経時的にサービス利用量の変化を検討したが、要介護度の悪化、および加齢がサービス利用量およびサービス利用額増加の一因であった。また要介護度Ⅱを除き、各要介護度において2000年から2002年にかけ複数のサービス利用が減少した。事業所側のサービス選定の結果なのか、要介護者側の利用サービス限定の結果であるのか、明らかではない。
結論
要介護者の平均年齢は80歳から85歳、1種類のサービスの利用が最も多く、その傾向は2000年から2002年にかけ顕著になった。また通所介護サービスにおいて要介護度の重症化にともなう利用量の増加の関係がみられたものの、他のサービスにおいては一様な傾向は特に見出せなかった。

公開日・更新日

公開日
2005-04-07
更新日
-

文献情報

文献番号
200400099B
報告書区分
総合
研究課題名
介護サービスの利用に伴う高齢者の経済的負担に関する実証研究-立案された介護サービス計画の経済学的検討
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 英俊(国立長寿医療センター包括診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 葛谷 雅文(名古屋大学大学院医学系研究科健康社会医学専攻)
  • 益田 雄一郎(名古屋大学大学院医学系研究科健康社会医学専攻)
  • 野口 晴子(東洋英和女学院大学国際社会学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ケアプランの現状と問題点をデータをもとに実証的に明らかにし、介護サービスの提供に伴う経済的負担が介護サービスの需要に与える影響等を検証するのが今回の研究の目的である。
研究方法
我々の開発したケアマネジメントシステムを使用している900ヶ所の事業所のうちデータ保存状態が良かった31ヶ所が対象となった。2000年4月から2003年3月の利用者の、介護保険に関する情報を収集し、2000-2年4月のケアプラン作成者の1)年齢、2)性別、3)要介護度、4)利用サービスの種類・内容、そして2002年4月の5)平均利用回数、およびその6)平均利用額を集計した。さらにはサービス利用量と要介護度あるいは年齢との関係の関係、経時的な要介護度の変化がサービス利用量に与える影響を検証した。
結果と考察
要介護度Ⅱを除いて、各要介護度において2000年から2002年にかけ複数のサービスの利用が減少した。この結果が、事業所側のサービス選定の結果なのか、要介護者側の利用サービス限定の結果なのか明らかではない。さらに1種類のサービスを利用した者に対しサービスの利用量を検証したが、通所介護サービスにおいて要介護度の重症化にともなう利用量の増加の関係がみられたものの、他のサービスにおいては一様な傾向は特に見出せなかった。この理由としては要介護度の重症化のみが介護サービスの利用量の増加につながるのではなく、1)地域の特性(サービス機関等の社会資源の充足といった問題も含む)、2)利用者の意識の問題、3)居宅介護事業所の特性などの影響を考えなければならない。さらには加齢、要介護度の経年的な悪化は、サービスの利用量を増加させる因子であることが実証された。サービス利用に関する法則性を見出すことは、そのあり方に影響を与えている因子の多様性を考慮しなければならず、容易でないことが示唆される。
結論
2000年4月から2003年3月まで3年間にわたってデータを収集し、データベースを構築した。在宅介護サービスの利用の特徴であるが、各要介護度において2000年から2002年にしたがって複数のサービスの利用が減少する傾向にあった。またデータを使用して介護サービスの提供に伴う経済的負担が介護サービスの需要に与える影響を検証したが、年齢の高齢化、要介護度の経年的な悪化は、サービスの利用量を増加させる因子であった。

公開日・更新日

公開日
2005-04-07
更新日
-