文献情報
文献番号
200301124A
報告書区分
総括
研究課題名
肝がん患者のQOL向上に関する研究(統括研究報告)
課題番号
-
研究年度
平成15(2003)年度
研究代表者(所属機関)
藤原 研司(埼玉医科大学)
研究分担者(所属機関)
- 小俣政男(東京大学大学院 医学系研究科)
- 工藤正俊(近畿大学 医学部)
- 熊田博光(虎の門病院)
- 佐田通夫(久留米大学 医学部)
- 國土典宏(東京大学大学院 医学系研究科)
- 門田守人(大阪大学大学院 医学系研究科)
- 兼松隆之(長崎大学 医学部)
- 田中紘一(京都大学大学院 医学系研究科)
- 森脇久隆(岐阜大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全総合研究経費 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
肝がんは根治的治療が行われても再発が避けられず、治療を長期に亘って繰り返さざるを得ない。従って、各治療法の有用性も生存率のみではなく、患者のQOL(quality of life)を考慮して評価する必要がある。そこで肝がんに対する各種治療法の有用性をQOLの観点から評価する目的で、肝がん患者用の質問票を作成し、その有用性を検討した。
研究方法
分担研究者を対象に、SF-36の質問項目以外で肝がん患者のQOLを評価する際に必要な事項を調査した。89項目が提案されたが、類似事項をまとめて18項目とし、更に肝がん治療後の患者のみを対象とした3項目も加えて、計21項目からなる新規質問表を作成した。848例の慢性肝疾患患者を対象に、SF-36と新規質問票を用いたアンケート調査を行い(Pilot study)、新規質問票の信頼性および両質問票のスコアと患者背景、肝機能、治療法との関連を統計学的に解析した。
結果と考察
10施設の慢性肝疾患患者に対するアンケート結果の成績を因子分析で解析したところ、新規質問票のうち肝がん治療後用の3項目を除く18項目は、4種類の下位尺度に分類された。その信頼性はCronbach α係数が0.70以上であった。非肝硬変と肝硬変のChild-Pugh分類 A、B、Cの各群間で、また、肝がん治療歴のある症例では手術、TAE、局所療法、化学療法の各治療法間で、SF-36と新規質問票の両方の成績に差異が認められた。
結論
新規質問票は肝がん患者のQOLの評価に有用である。これをSF-36と共に用いると、より厳密な評価が可能であると考えられる。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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