科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン作成に関する研究(総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200301090A
報告書区分
総括
研究課題名
科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン作成に関する研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成15(2003)年度
研究代表者(所属機関)
幕内 雅敏(東京大学)
研究分担者(所属機関)
  • 齋田幸久(筑波大学)
  • 沖田極(山口大学)
  • 小俣政男(東京大学)
  • 金子周一(金沢大学)
  • 川崎誠治(順天堂大学)
  • 山岡義生(財団法人田附興風会医学研究所北野病院)
  • 高山忠利(日本大学)
  • 有井滋樹(東京医科歯科大学)
  • 岡崎正敏(福岡大学)
  • 松山裕(東京大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全総合研究経費 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成15(2003)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
Evidence-based Medicine(EBM)の手法に基づいた効果的・効率的な診断・治療法を体系化するために日本肝癌研究会が中心となり、肝癌診療ガイドラインを作成する。
本研究では、主として2つの大きなガイドラインを作成する。1つは肝癌の診断に関するガイドラインで、ハイリスク群の設定と、適正な診断法の選択と実施頻度を明らかにする。もう1つは治療法のガイドラインで、各治療法ごとの現状の理解の一助となるようにする。外科的切除、肝動脈塞栓術、エタノール注入療法、マイクロ波凝固療法、放射線治療、動注療法、凍結療法、ラジオ波焼灼術や肝移植など新しい治療法も加えて現在施行可能な治療法を網羅し、各項目ごとに、世界中の医療情報を既存の文献等から収集・評価・整理し、evidence集を作成する。
研究方法
肝細胞癌についてMEDLINEを利用した系統的な文献検索を実施し、得られた数千編以上の論文を、予防、画像診断、腫瘍マーカー、手術療法、Ablation療法、化学療法の6分野に分け、各分担研究者が責任者となって論文の評価を行った。論文の選択は、各論文のエビデンスレベルを評価し、症例数、追跡期間、脱落率などを参考にして、抄録およびfull paperを吟味し実施した。選択された各分野約100の論文についてはアブストラクトフォームも作成し、リサーチクエスチョン別に分け、scientific statementを記述し、ここから導かれる推奨(recommendation)を班員の合意も含めてまとめた。
結果と考察
平成15年度中に計6回の班会議、その他随時関係研究者間での個別打合せを行い、また、雑誌Gutに発表された英国消化器病学会の肝癌ガイドラインも参考にして、肝癌診療ガイドラインの原案を作成した。また、肝癌の診療を概観し、より使いやすいものとするために、診断や治療のフローチャートも加えることとした。
平成14年度に、エビデンスレベルなどの評価基準やガイドライン作成の基本方針などを確立し、アブストラクトフォームの作成まで終了した。平成15年度にはそれらの点検、統一、などの整備作業を行い、その後にガイドラインの原形をほぼ完成させた。
班会議を12回開催した。うち10回はガイドラインの各章の責任者となる研究協力者を招集した拡大班会議であった。フローチャートはエビデンスのみで作成できるものでは無く、また、少しでも利用に役立つ様にするためにも、全体討論にかなり時間を費やした。
結論
2年計画のガイドライン作成がほぼ計画どおり進行した。今後の課題は、Web上から公開するために電子化し最適な形式にする作業、日本肝癌研究会を中心として評価を受けること、などである。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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