文献情報
文献番号
200300995A
報告書区分
総括
研究課題名
麻酔関連の医療事故を防止する方策を立案するための要因分析手法の開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成15(2003)年度
研究代表者(所属機関)
武田 純三(慶應義塾大学医学部)
研究分担者(所属機関)
- 大村昭人(帝京大学医学部附属溝口病院)
- 唐澤富士夫(防衛医科大学校)
- 畔政和(国立循環器病センター)
- 古賀義久(近畿大学医学部)
- 津崎晃一(慶應義塾大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全総合研究経費 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医療事故が日々報道される中で、医療の安全を求める声は、年々大きくなっており、国民の大きな願いとなっている。その中で、周術期の患者の安全についての、麻酔管理の果たす役割は大きい。日本麻酔科学会では、麻酔中の患者の安全を維持確保するために、「安全な麻酔のためのモニター指針」を設定し、「麻酔器の始業点検および定期点検」の基準を作成してきた。また、わが国における麻酔事故の実態調査の必要性が指摘され、全国約800施設の指導病院にアンケート調査を年1回行い、麻酔偶発症例として、年齢、手術部位、麻酔法、原因等により事故を分類し、麻酔科医として改善していくべきことを指摘するとともに、統計結果は、「麻酔」誌に掲載してきた。麻酔関連機器によるものは「麻酔関連機器故障情報」で周知徹底している。さらに日本麻酔科学会では、麻酔事故の賠償責任のみならず、事故の根本原因を分析し、今後同様の麻酔関連医療事故の防止を目的としてClosed Claims Studyの実施を開始している。このように日本麻酔科学会では周術期の事故防止に向けて積極的な取り組みを始めているが、指導病院以外や、麻酔科学会員以外の医師による麻酔での事故も数多く報告されている。そこで今回は麻酔に関する医療事故全般について、今までにどのような事故が起きているかを調査し、事故の内容、事故原因や素因、麻酔経験などの因子を分析して、事故防止対策をたてるための基本的方針と解析方法の検討を行い、今後の方策を決定するための基礎となるものを確立することを目的とする。本目的は、直接的に国民の麻酔の安全性を確保することになり、国民の医療への信頼性を回復させ、事故発生により生じる医療費の軽減に結びつく。
研究方法
わが国における麻酔事故の実態調査の必要性が指摘され、全国約900施設の認定病院にアンケート調査を年1回行い、麻酔偶発症例として、年齢、手術部位、麻酔法、原因等により事故を分類し、麻酔科医として改善していくべきことを指摘するとともに、統計結果は、「麻酔」誌に掲載してきた。今年度からは、電子麻酔台帳を認定病院に配り、来年度からデータの標準化を目指していく。電子麻酔台帳を全ての認定病院へ配布することで、電子化を推進すると共に、麻酔科学領域でのインシデント・アクシデントレポートの電子データ収集の標準化を進めている。普及数からみると、電子麻酔台帳は、事実上、同領域でのデファクトスタンダードであることは疑いの余地が無い。このような例は、世界的な医療情報の電子化・標準化事業の観点から見ても稀有である。電子麻酔台帳のデータ形式を産業界へ公開することにより、一層の普及を目指し、オープンソース事業の展開と同様の効果を期待する。さらに麻酔事故の賠償責任のみならず、事故の根本原因を分析し、今後同様の麻酔関連医療事故の防止を目的としてClosed Claims Study(以下CCS)の実施を開始している。なお,CCSとは米国麻酔科医会(American Society of Anesthesiologists, ASA)が保険会社の協力を得て、結審した、あるいは示談が成立した麻酔事故、偶発症例などを解析し、厳密な機密保持のもと有用な情報を公開し、麻酔事故の予防に役立てている研究である。CCSは偶発症例調査と平行して、認定病院以外にも対象を広げまた別の角度から有用な情報を集め、事故予防のための努力を更に強化しようと言う趣旨に基づいて実施を試みるものである。CCSを実施するためには種々の法的課題があるが,わが国では事故当事者(医
師,患者,医療機関)の個人的情報の調査に関わる法律的権限や保護,免責等の規定はなく,米国麻酔科医会(ASA)と同じレベルの調査は難しいと考える。制約された状況下での方法を検討し,個別の事故に対して匿名性が守られるような調査用紙を作成し、調査することにした。現在は、保険会社に別紙の調査用紙をもとに個々の事例を調査している。来年度中には、報告書を出す予定である。このように周術期の事故防止に向けて積極的な取り組みを始めたが、認定病院以外や、麻酔科学会員以外の医師による麻酔での事故も数多く報告されている。そこで麻酔に関する医療事故全般について、今までにどのような麻酔に関する事故が起きているかを判例集で調査し、事故の内容などの因子を分析して、事故防止対策をたてることとした。また、全国の病院8171施設に対して手術室内の安全のために必要と思われる麻酔器機の有無について調査することとした。また薬剤の誤投与について日本麻酔科学会認定病院宛に調査することとした。
師,患者,医療機関)の個人的情報の調査に関わる法律的権限や保護,免責等の規定はなく,米国麻酔科医会(ASA)と同じレベルの調査は難しいと考える。制約された状況下での方法を検討し,個別の事故に対して匿名性が守られるような調査用紙を作成し、調査することにした。現在は、保険会社に別紙の調査用紙をもとに個々の事例を調査している。来年度中には、報告書を出す予定である。このように周術期の事故防止に向けて積極的な取り組みを始めたが、認定病院以外や、麻酔科学会員以外の医師による麻酔での事故も数多く報告されている。そこで麻酔に関する医療事故全般について、今までにどのような麻酔に関する事故が起きているかを判例集で調査し、事故の内容などの因子を分析して、事故防止対策をたてることとした。また、全国の病院8171施設に対して手術室内の安全のために必要と思われる麻酔器機の有無について調査することとした。また薬剤の誤投与について日本麻酔科学会認定病院宛に調査することとした。
結果と考察
現在調査中のものであり、最終年度に報告するものとする。
結論
現在継続して調査中であり、最終年度に報告するものとする。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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