老化細胞で見られるストレス反応に基づいた細胞老化のテーラーメード的診断・治療技術の開発(総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200300241A
報告書区分
総括
研究課題名
老化細胞で見られるストレス反応に基づいた細胞老化のテーラーメード的診断・治療技術の開発(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成15(2003)年度
研究代表者(所属機関)
石川 冬木(京都大学大学院生命科学研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成13(2001)年度
研究終了予定年度
平成15(2003)年度
研究費
10,140,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
種々の刺激による細胞老化誘導の分子機構を明らかにし、個人別、臓器別に再生組織の老化程度を診断し、細胞老化を治療する方策を築く。
研究方法
正常ヒト線維芽細胞として、WI38および市販されている新鮮ヒト正常線維芽細胞を用いた。通常の方法により継代を行い、集団細胞数が2倍に増えるのに要する時間を集団倍加時間とし、集団倍化数をPDL (population doubling level)で表した。p38を活性化し細胞老化を誘導する系については、前年度の報告書に記載したとおりの方法を用いた。
結果と考察
ストレス反応性MAPK p38は、種々の細胞種における細胞老化発現のための共通経路である。本年度の本研究により、ドミナント・ネガティブ変異体であるTRF2DBDMによる細胞老化誘導系についても、p38が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。このことは、p38が分裂寿命も含めたさまざまな細胞老化誘導系で機能していることをさらに確実にするものである。一方、p38はアポトーシスを誘導することがよく知られているので、同じ分子がどのようにしてアポトーシスと細胞老化の異なった生物学的帰結をもたらすのかは非常に重要な問題である。本年度の研究により、老化シグナルとアポトーシスシグナルはともにミトコンドリアのpro-およびanti-apoptosis Bclファミリー蛋白質に作用している可能性が示唆された。今後、この制御機構を明らかにすることが非常に重要である。
結論
今年度の本研究により、p38誘導性細胞老化経路を分子標的とした臨床的応用を開拓する端緒が得られた。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-