文献情報
文献番号
200300200A
報告書区分
総括
研究課題名
老化に伴うカルパイン活性制御不全の機構解明(総括研究報告書)
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成15(2003)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 玉夫(財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団、東京都老人総合研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
6,502,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
klotho変異マウスの腎臓と肺ではμ-calpainが異常に活性化され、その内在性阻害物質であるcalpastatinが消失している。こうしたcalpainの活性制御の異常が、細胞骨格系の分子を分解し、組織の正常な機能を損ねている可能性が考えられる。calpainは細胞内カルシウム濃度の上昇により自己消化を起こし活性化することから、klotho変異マウスでは細胞内カルシウム濃度調節に異常があると予想される。そこで、Klotho蛋白質と細胞内カルシウム濃度調節機構との関係、及びKlotho蛋白質減少からカルパイン活性化に至るシグナル伝達機構を明らかにすることを目的に、RNAi技術による細胞レベルでのklotho蛋白質の発現制御を試みた。
研究方法
1)内在性にKlotho蛋白質を発現している細胞株の検索: klotho mRNAの発現が報告されている各組織由来の細胞より膜蛋白質画分を調製し、抗Klotho蛋白質抗体を用いたウェスタンブロットにより、各細胞株におけるKlotho蛋白質の発現を調べた。
2)RNAiによるKlotho蛋白質の発現制御: klotho 遺伝子配列を基に6種類のsiRNAを作製し、上記1)においてKlotho蛋白質の発現が確認された細胞株に導入した。1~数日間の培養後、ウェスタンブロットでKlotho蛋白質の発現阻害効果を確認した。
2)RNAiによるKlotho蛋白質の発現制御: klotho 遺伝子配列を基に6種類のsiRNAを作製し、上記1)においてKlotho蛋白質の発現が確認された細胞株に導入した。1~数日間の培養後、ウェスタンブロットでKlotho蛋白質の発現阻害効果を確認した。
結果と考察
細胞レベルでKlotho蛋白質の発現制御を行うためには、Klotho蛋白質を内在性に発現している細胞が必要である。しかし、蛋白質レベルでklothoの発現が確認されている培養細胞株はこれまでに全く報告がない。そこで、細胞株の検索を行った。マウスにおけるKlotho蛋白質の主要発現臓器である腎臓を中心に、klotho mRNAの発現が報告されている各組織由来の培養細胞株についてウェスタンブロットで調べた。その結果、ヒト腎臓由来の細胞株からKlotho蛋白質が検出可能な株を発見した。
次に、Klotho蛋白質の発現阻害効果を持つRNA配列を検討した。ヒトklotho遺伝子の配列を基に6種類のsiRNAを合成し、上記細胞株に導入した。その結果、4種類のsiRNAでKlotho蛋白質の顕著な発現阻害効果が見られた。経時的な観察から、この効果は導入後1~2日が最も高いことが分かった。現在、これらのsiRNAを用いて、Klotho蛋白質の発現を抑制した場合の細胞内カルシウム濃度やμ-calpainの活性への影響を解析している。また、恒常的なklotho蛋白質の欠乏による細胞の変化を解析するため、ベクター系を用いてsiRNAを持続的に発現させる培養系の確立を試みている。
次に、Klotho蛋白質の発現阻害効果を持つRNA配列を検討した。ヒトklotho遺伝子の配列を基に6種類のsiRNAを合成し、上記細胞株に導入した。その結果、4種類のsiRNAでKlotho蛋白質の顕著な発現阻害効果が見られた。経時的な観察から、この効果は導入後1~2日が最も高いことが分かった。現在、これらのsiRNAを用いて、Klotho蛋白質の発現を抑制した場合の細胞内カルシウム濃度やμ-calpainの活性への影響を解析している。また、恒常的なklotho蛋白質の欠乏による細胞の変化を解析するため、ベクター系を用いてsiRNAを持続的に発現させる培養系の確立を試みている。
結論
Klotho蛋白質を検出可能なレベルで発現している培養細胞株を見いだした。本細胞株は今後のKlotho蛋白質の機能研究における重要なツールとなることが期待される。また、RNAi効果を利用したKlotho蛋白質発現制御の実験系を構築した。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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