文献情報
文献番号
200300132A
報告書区分
総括
研究課題名
我が国の国際協力を担う国内の人材育成及び供給強化並びにキャリア・パス拡充のために医学教育が果たすべき役割の研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成15(2003)年度
研究代表者(所属機関)
溝田 勉(長崎大学熱帯医学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 山本秀樹(岡山大学)
- 坂野晶司(弘前大学)
- 谷村 晋(長崎大学熱帯医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 社会保障国際協力推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
我が国は、1992年に東京大学に国際保健大学院が設立され、2001年には京都大学に公衆衛生大学院がつくられ国際保健学の講座もおかれた。一方で、全国の大学医学部では寄生虫学講座の廃止が相次ぎ、医学教育(卒前・卒後)における熱帯医学の比重は低下している。医学の国際化や橋本イニシアティブが叫ばれながら、一般の医療専門家はともかく国際保健の専門家といわれる人でも熱帯医学について十分にトレーニングを積んでいない専門家が増加しつつある。その結果、我が国の国際医療協力の現場で専門家派遣に対応できないケースも増えつつある。一方、少数の熱帯医学者は自分の専門の疾病・病原体には詳しいが医療政策、異文化と医療等の社会医学的知見に欠いているという問題が生じてきている。本研究では、長崎大学熱帯医学研究所の熱帯医学研修課程修了者やJICA専門家、NGOなどの国際協力の現場経験が豊富な集団に対して追跡調査を行い、現場で実際に必要とされる知識・技能と自分たちが受けた教育・研修でのカリキュラムとの検討を行い、現場でのニーズを明らかにして、今後熱帯医学が国際協力の人材育成に如何に貢献できるか検討し、望ましい人材育成カリキュラムの策定に反映され、我が国の保健医療分野での国際協力の質の向上につながることが期待される。
研究方法
分担研究の7つの課題ごとに研究方法を異にした。
①「長崎大学熱帯医学研修課程」については追跡調査を、②「日本国際保健医療学会」参加者については意識調査を行うと同時に「国連職員への道のセミナー」(自由集会)の結果を総合的に分析し、③国際保健・協力人材の育成に関してメーリングリストによる調査分析は、研究協力者が併行して進めた「医学教育国際協力人材」のデータ・ベース構築と連携しつつ検討、④「医師国家試験問題」に関しては調査検討、⑤国際コミュニケーションに関してはアンケート調査の結果を分析、⑥は米国チューレン大学の熱帯医学人材・育成プログラムについては、一時帰国した研究協力者から事情聴取を行った上分析・検討した。
①「長崎大学熱帯医学研修課程」については追跡調査を、②「日本国際保健医療学会」参加者については意識調査を行うと同時に「国連職員への道のセミナー」(自由集会)の結果を総合的に分析し、③国際保健・協力人材の育成に関してメーリングリストによる調査分析は、研究協力者が併行して進めた「医学教育国際協力人材」のデータ・ベース構築と連携しつつ検討、④「医師国家試験問題」に関しては調査検討、⑤国際コミュニケーションに関してはアンケート調査の結果を分析、⑥は米国チューレン大学の熱帯医学人材・育成プログラムについては、一時帰国した研究協力者から事情聴取を行った上分析・検討した。
結果と考察
上記「研究方法」欄に記した課題ごとに異なるが、総じてわが国の国際協力を担う国内人材の推定需要を上回って、育成及び強化の対象とされたい潜在的希望者が多く、しかも年々増加の傾向を示している。しかるにキャリア・パスの拡充は未だ緒についたばかりで、今後システムとしての多様性確保がつとに期待されている。かつ多様性確保のために医学教育シラバスの精査および、卒後や研修終了後のキャリア・パスを阻害している要因に関し、社会全体の医療需要と現行のシステムの相互関連に関する熟慮検討が望まれる。
結論
初年度においては、各課題の結果をさらに詳細に調査検討を行った上で結論を導くことに致したく、次年度に向け予め提出した課題につき、さらに検討・調査を行った上で提言を行うことを結論と致したい。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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