作業環境中有害物濃度の連続測定による二次元可視システムの開発とその応用(総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200201424A
報告書区分
総括
研究課題名
作業環境中有害物濃度の連続測定による二次元可視システムの開発とその応用(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
神山 宣彦(独立行政法人産業医学総合研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
9,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
有害物質取扱作業場においては、通常は作業環境測定を行い、その結果に基づき作業環境管理対策が行われる。この方法では、作業環境測定を行った期間の有害物質の平均濃度は示されるが、作業者がその期間に様々な異なる作業を行っていた場合は、作業環境濃度に影響を及ぼしている作業が特定できにくいという問題がある。
本研究は、作業環境中の有害物質濃度と作業者の動線を含んだ情報をリアルタイムに可視化するシステムを開発するものであり、このシステムに依れば、常時環境濃度をモニターできることから、作業様式が変わったり、事故や修理などに伴って急に高濃度領域が生じたりするような作業環境の変化に作業者や事業主が適切に対応することができる。また、作業者のばく露にもっとも影響を与える作業を特定することができ、異なる作業を行う作業者ごとに作業環境濃度が提示できる。
さらに、有害物を取り扱う作業者の自発的な防護行動や環境改善への動機付けなど、安全衛生活動に対する教育的効果をあげることができると考えられる。また、有害物質を取扱う作業者へのばく露量の減少や環境濃度の低減により、各種の職業疾病の防止効果も期待できる。
研究方法
本研究によって構築しようとする可視化システムにおいては、設置する測定器から電気的な出力信号をPCが扱えるような信号に変換してから、PCへ伝送することとした。これは、有害物の測定器が被測定物質毎に異なっていても、これらの測定器から出力される電気的な信号を基準化することによっていかなる測定器であっても、本システムへの接続が可能となるようにするためである。
これらの条件を踏まえ、本研究では、作業形態を粉じん発生作業とし、想定する有害物濃度測定器をデジタル粉塵計とした。本年度に行うこととしたテーマは、複数箇所に配置された測定器からの測定値を収集する技術の開発である。
作業場に広範囲に配置した測定器から、測定結果を収集するための方法は、数多く想定された。これらについて比較検討し、その中から、本システムに最も適当な手段を選択するとともに、測定値のリアルタイム収集装置を製作した。
結果と考察
デジタル粉塵計にデータ送受信装置を接続して、粉じんの濃度を測定した。このとき測定データを送信させ、PC側で受信した。デジタル粉塵計を事務室に置き、24時間の粉塵濃度を測定した。また、送受信装置を取り付けたデジタル粉塵計3台を動作させて、事務室の粉じん濃度を測定した。その結果、短い時間間隔で、粉塵濃度の情報が得られ、またそれを受信しPC内に格納できることが確かめられた。
作業現場の時々刻々変化する有害物濃度をリアルタイムで把握するための方法について検討し、無線電波を利用したデータ通信システムを導入することが適当であると結論づけた。また本研究では、測定対象有害物として粉じんを想定して、可視化システムの構築を行うこととした。そのために、使用する測定器には、デジタル粉塵計が適当と考えられたため、送受信機能を持つデジタル粉塵計を開発製作した。その後作業現場にこれらを複数個配置し、送られてくる濃度情報をPCに格納し、図示できることを確かめた。これらの結果は、来年度に計画されている収集した多点のデータを二次元表示する計画のために十分なものと考えられる。
結論

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研究報告書(紙媒体)

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