先進的IT技術の医療への応用と評価

文献情報

文献番号
200201306A
報告書区分
総括
研究課題名
先進的IT技術の医療への応用と評価
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
田中 博(東京医科歯科大学)
研究分担者(所属機関)
  • 開原成允((財)医療情報システム開発センター)
  • 村井 純(慶應義塾大環境情報学部)
  • 辰巳治之(札幌医大)
  • 秋山昌範(国立国際医療センター)
  • 中川晋一(総務省通信総合研究所)
  • 木内貴弘(東京大学医学部付属病院)
  • 櫻井恒太郎(北海道大学大学院)
  • 井上通敏(国立大阪病院)
  • 野川裕記(大阪大学サイバーメディアセンター)
  • 永田 宏((株)KDDI)
  • 三谷博明(ニホンインターネット医療協議会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成15(2003)年度
研究費
19,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
先進的ITのインフラ技術のみならず、具体的に使えるアプリケーションを念頭におき、次世代のインターネットプロトコールであるIPv6を使った全国規模のネットワーク構築実験をする。その為に、IPv6の利点を最大限活かすような仕組みを考案し、医療系での応用・実証実験を行い、将来の医療系ネットワークのあり方を検討するのが目的である。
研究方法
研究はWG毎に以下の通り5つのテーマに絞り、それぞれ調査を行い、そこから、先進的ITの利活用の為の方策を探り、実証実験を行うことにより医療系への展開を図る。(a)療サービスに適した先進的ネッワークの要件の定義と研究(b)IPv6の特徴を生かした保健、医療福祉アプリケーションの調査(c)ブロードバンドの特性を生かした遠隔医療アプリケーションの調査と評価(d)電子カルテ交換のためのセキュリティを中心とした調査(e)医療現場での先進的インターネットテクノロジー利用技術の調査と評価。
結果と考察
究極の医療系のアプリケーションである電子カルテの有効利用のためには、インフラネットワークが安定かつ快適なものでなければならない。しかし、コストエフェクティブネスを十分に考慮されなければ、実際に使えるものにはならず、研究成果を世に還元する際の大きな障害になる。そこで、IPv6の利点である天文学的な数のアドレスをどのように活用すべきか、理想的なユビキタスネットワーク到来の暁にはどのようなアプリケーションが可能かを検討した。その結果、IPv6 Topological Addressing Policy(IPv6位相空間アドレスポリシー)を提案するにいたり、さらに電子カルテ普及の為の方策を、従来とは異なった方向から、戦略的防衛医療構想(Strategic Defensive Msdical Care Initiative)を提案する。
結論
療系における先進的ITの利活用の為には、具体的なアプリケーションを想定したインフラのシステムの構築が非常に重要である。しかし、ともするとこのインフラのことは忘れがちで、目先のことしか考えない。しかし、一生一カルテを実現しようとすると、どこに居ても、自分自身のカルテ情報が参照できるようなシステムでないと、使い物にならない。その為にもユビキタスコンピュータネットワークが重要になり、IPv6はは必須のものになると考える。しかし、JPNICですら、IPv6のアドレス体系に対する明確な解答を持っていない。そこで、我々は大胆にもエンドユーザの発想から、医療系における究極のアプリケーションである電子カルテを念頭におき、IPv6位相空間アドレスポリシーを提案し大規模実験の用意を開始した。そのなかで、先進的IT利活用が目に見える形として、戦略的防衛医療構想を策定し、基礎実験を開始した。先進的IT技術の医療への応用と評価は物理層(ネットワークインフラ)からアプリケーション層、そして人的ネットワーク層までも含み、夢のある高度情報化社会の構築にも貢献する事が期待できると考える。

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