科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン作成に関する研究(総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200201281A
報告書区分
総括
研究課題名
科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン作成に関する研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
幕内 雅敏(東京大学)
研究分担者(所属機関)
  • 齋田幸久(筑波大学)
  • 沖田 極(山口大学)
  • 小俣政男(東京大学)
  • 金子周一(金沢大学)
  • 二川俊二(順天堂大学)
  • 山岡義生(京都大学)
  • 高山忠利(日本大学)
  • 有井滋樹(東京医科歯科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成15(2003)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では主として2つの大きなガイドラインを作成することを目的としている。1つは肝癌の診断に関するガイドラインで、ハイリスク群の設定と、適正な診断法の選択と実施頻度を明らかにする。もう1つは治療法のガイドラインで、各治療法ごとの現状の理解の一助となるようにすることを目指している。外科的切除、肝動脈塞栓術、エタノール注入療法、マイクロ波凝固療法、放射線治療、動注療法、凍結療法、ラジオ波焼灼術や肝移植など新しい治療法も加えて現在施行可能な治療法を網羅して各研究分担者に担当させ、各項目ごとに、世界中の医療情報を既存の文献等から収集評価・整理し、evidence集を作成することを目的としている。
研究方法
平成14年度には、このevidence集を作成するために、肝細胞癌について1980年以降のMEDLINEを利用した系統的な文献検索を実施した。得られた約6,000の一次選択論文を、予防、画像診断、腫瘍マーカー、手術療法、Ablation療法、化学療法の6分野に分け、分担した。論文の二次選択にあたっては、各論文のエビデンスレベルを評価し、症例数、追跡期間、脱落率などを参考にしながら、抄録およびfull paperを吟味した。各分野約100の論文を二次抽出し、アブストラクトフォームを作成した。肝癌の診療のそれぞれの領域における問題点、リサーチクエスチョンを念頭におきながらscientific statementを作成する準備作業を平成14年度末までに終了した。
結果と考察
平成14年度は3回の班会議を開催し、作業を進行した。
第1回班会議:班会議のメンバー構成を確認し、班の目的守備範囲、役割分担、作業の予定などについて討議した。肝癌のうち肝細胞癌に絞ったエビデンスの収集を行うことをまず確認した。次に予防、画像診断、腫瘍マーカー、手術療法、Ablation療法、化学療法の6分野に大まかに分け、作業を分担することとし、分担責任者を決定した。エビデンスの評価方法について京都大学松山裕助教授を招き、解説とミニレクチャーをして頂いた。
第2回班会議:エビデンスレベルの評価方法について、さらに理解を深めるために討論を行い、AHCPR、英国保健省、カナダ医師会のエビデンスレベル基準を参考にして本研究班独自のエビデンスレベル基準を作成した。肝細胞癌の各領域について1980年以降のMEDLINEで検索し、論文の一次選択を行った結果を報告し、問題点、今後の作業について討議した。アブストラクトフォーム入力のために国際医学情報センターに依頼して既存のFileMakerを利用したソフトウェアーを開発した。
第3回班会議:肝癌の各分野ごとに論文を評価して選択する作業の最終段階として、各分野での論文の選択過程を発表し、討議を行った。エビデンスレベル評価における問題点を明らかにし、班員全員の意見の統一をはかり、一定の基準で論文が選択出来るように配慮した。アブストラクトフォーム入力にあたっての問題点についても討議し、入力方法、要領について確認した。この時点で各担当分野の守備範囲についても最終確認を行い、次年度の作業予定を討議した。
第3回班会議以降、各分担研究者は担当する肝癌診療分野の論文選択を終了し、アブストラクトフォーム入力を終了した。
結論
2年計画のガイドライン作成の1年が終了した時点であり、特に結論は出ていない。計画の進捗状況は当初計画に対してやや遅れ気味ではあるものの順調に進行しており、平成16年3月末完成を予定している。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)