文献情報
文献番号
200201260A
報告書区分
総括
研究課題名
看護師資格試験における良質な問題の作成システム及びプール制導入に関する研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
濱田 悦子(日本赤十字看護大学)
研究分担者(所属機関)
- 川原由佳里(日本赤十字看護大学)
- 吉田みつ子(日本赤十字看護大学)
- 佐々木幾美(日本赤十字看護大学)
- 谷津裕子(日本赤十字看護大学)
- 朝倉京子(新潟県立看護大学)
- 樋口康子(日本赤十字看護大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成15(2003)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、諸外国の看護師資格試験の実態をふまえて、我が国の教育制度、看護基礎教育における教育目的、資格試験で受験者に求める能力と照らし合わせながら現行の看護師資格試験制度を分析、検討し、看護師資格試験の作成システム及びプール制導入について提言することである。
研究方法
1)試験問題作成方法に関する文献・資料の収集、分析
(1)対象:試験問題作成技法、資格試験に関する国内外の資料
(2)日程:2002年9月~2003年3月
2)専門家へのヒアリング
(1)対象:National Council of State Board of Nursingを調査した日本人看護学研究者1名、医師国家試験に関する研究に携わる医学教育研究者1名、National Council of State Board of Nursingの試験問題作成に関わった米国人看護学研究者1名、医療系教育における模試・出版・研修等を行っている企業(株式会社テコムインターナショナル)関係者4名。
(2)日程:2002年9月~2003年2月
3)過去の看護師国家試験問題の分析
(1)対象:過去5年間(1998年~2003年)の看護師国家試験問題
(2)方法:株式会社テコムインターナショナルが収集したデータから算出した、看護師国家試験問題の正解率と識別指数を参照しながら、試験問題の形式、内容などを質的に分析した。
(3)日程:2002年10月~2003年3月
4)倫理的側面への配慮
本研究を実施するにあたり、対象となる機関及び個人に不利益とならないよう十分に説明を行い、双方の了解のもとにヒアリング調査、資料の収集などを実施した。
(1)対象:試験問題作成技法、資格試験に関する国内外の資料
(2)日程:2002年9月~2003年3月
2)専門家へのヒアリング
(1)対象:National Council of State Board of Nursingを調査した日本人看護学研究者1名、医師国家試験に関する研究に携わる医学教育研究者1名、National Council of State Board of Nursingの試験問題作成に関わった米国人看護学研究者1名、医療系教育における模試・出版・研修等を行っている企業(株式会社テコムインターナショナル)関係者4名。
(2)日程:2002年9月~2003年2月
3)過去の看護師国家試験問題の分析
(1)対象:過去5年間(1998年~2003年)の看護師国家試験問題
(2)方法:株式会社テコムインターナショナルが収集したデータから算出した、看護師国家試験問題の正解率と識別指数を参照しながら、試験問題の形式、内容などを質的に分析した。
(3)日程:2002年10月~2003年3月
4)倫理的側面への配慮
本研究を実施するにあたり、対象となる機関及び個人に不利益とならないよう十分に説明を行い、双方の了解のもとにヒアリング調査、資料の収集などを実施した。
結果と考察
1)諸外国(アメリカ、フランス、ドイツ)における看護師資格試験制度、特に試験問題の作成方法、出題範囲、出題形式、試験問題プール制のしくみ等について、実態を把握した。アメリカでは、 NCLEX-RNの開発の初段階として試験される内容や行動を選別する指針となるTest Planが準備されている。そこでは、新人看護師の業務分析からその看護実践の枠組みが作成され、患者ニーズの4つのカテゴリーとその内容が細かく設定されているが、その詳細や、試験の採点・管理方法に関する詳細についても明らかになった。
2)すでにプール制を実施している我が国の医師国家試験改善に関する研究について、資料を収集し、専門家からのヒアリング等から看護師資格試験への応用可能性について検討した。特に「良質な問題」と判断する基準について通過率(正解率)、識別指数、回答パターンの3つの指標を用いて評価をし、併せて内容妥当性を検討する点が示唆され、看護師資格試験での応用可能性が認められた。
3)既存の国家試験分析を行った文献や試験問題の質の評価基準に関する検討を行い、原案を作成した。試験問題の質を評価する基準として、①妥当性、②客観性、③信頼性、④公平性の4点が見出され、特に内容妥当性を確保するために、良質なBlue Printの作成、Taxonomy比率の検討、試験作成手順の明確化といった点が見出された。
4)我が国の過去5年間の看護師国家試験問題を収集し、3)の基準に基づき、分析を行った。その際、株式会社テコムインターナショナルから提供された受験者の解答傾向、正解率および識別指数なども参考にした。そこから、資格試験での良問、悪問の特徴、良問の作成に向けての提言を示した。問題の質にかかわる要素として、①題材の選択、②問題の難易度、③問題形式、④状況設定の仕方などが明らかになった。
2)すでにプール制を実施している我が国の医師国家試験改善に関する研究について、資料を収集し、専門家からのヒアリング等から看護師資格試験への応用可能性について検討した。特に「良質な問題」と判断する基準について通過率(正解率)、識別指数、回答パターンの3つの指標を用いて評価をし、併せて内容妥当性を検討する点が示唆され、看護師資格試験での応用可能性が認められた。
3)既存の国家試験分析を行った文献や試験問題の質の評価基準に関する検討を行い、原案を作成した。試験問題の質を評価する基準として、①妥当性、②客観性、③信頼性、④公平性の4点が見出され、特に内容妥当性を確保するために、良質なBlue Printの作成、Taxonomy比率の検討、試験作成手順の明確化といった点が見出された。
4)我が国の過去5年間の看護師国家試験問題を収集し、3)の基準に基づき、分析を行った。その際、株式会社テコムインターナショナルから提供された受験者の解答傾向、正解率および識別指数なども参考にした。そこから、資格試験での良問、悪問の特徴、良問の作成に向けての提言を示した。問題の質にかかわる要素として、①題材の選択、②問題の難易度、③問題形式、④状況設定の仕方などが明らかになった。
結論
以上より、今年度の研究成果として、「良質な問題」を作成する上での評価基準、問題の質にかかわる要素などが明らかになった。今後は、明らかになった看護師資格試験問題の作成方法や出題形式、信頼性・妥当性の検討方法について整理し、試験問題作成方法のガイドラインを試案し、その検証を行う予定である。その上で、我が国の看護師資格試験問題の作成方法、出題形式およびプール制の導入方法について、構造的に整理し、提言を行っていきたい。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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