都道府県、市町村の「健康日本21地方計画」及び保健所におけるたばこ対策実施状況とその評価に関する研究(総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200201084A
報告書区分
総括
研究課題名
都道府県、市町村の「健康日本21地方計画」及び保健所におけるたばこ対策実施状況とその評価に関する研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
谷畑 健生(国立保健医療科学院疫学部)
研究分担者(所属機関)
  • 尾崎米厚(鳥取大学医学部社会医学講座環境予防医学講座)
  • 青山 旬(国立保健医療科学院歯科口腔保健部・疫学部)
  • 川南勝彦(国立保健医療科学院疫学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成13(2001)年度
研究終了予定年度
平成15(2003)年度
研究費
6,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
都道府県および保健所におけるたばこ対策はこれまで調査が行われ的が、市町村の規模によってたばこ対策がどのような違いを見せるのか、健康日本21地方計画は平成14年時点でどのくらいの割合で策定されているのかなど、今までのところ調査がなされてこなかった。特別区、政令指定都市、中核市、地域保健法施行令市には直轄の保健所があり、公衆衛生に関連する技術を持った者が市町村に比べて多いことから、並列して論じるのは困難があるのは確かである。そこで上記以外の市町村は保健所とどのように連携を取りながらたばこ対策を策定し、実行しているのかを明らかにする必要がある。本研究において市町村におけるたばこ対策実施状況の実態と今後の課題を明らかにするために、全国の市町村におけるたばこ対策実施状況調査を行った。
研究方法
調査対象は、全国3240か所全市町村(平成14年4月1日現在)とした。平成14年11月15日付けに市町村保健衛生担当部局宛に自記式調査票を郵送法により実施した。調査票の回収期限は平成14年11月30日とした。督促は2回行った。調査票発送数3240、回収数2723、回収率84.0%、有効回答率84.0%であった。
結果と考察
市町村における健康日本21地方計画を策定した割合は中核市が最も多く、未検討は村、町の3割強であった。地方計画においてたばこ対策を市町村レベルで策定していないことは少なくなく、この傾向は町村に強かった。特別区、政令指定都市、中核市、地域保健法施行令市には直轄の保健所があり、公衆衛生に関連する技術を持った者が市町村に比べて多いことになるが、たばこ対策策定および実施について保健所は市町村へデータベース機能および研修の拠点としての機能を期待される割合が多かった。特別区、政令指定都市、中核市、地域保健法施行令市では喫煙実態調査が行われているが、実態調査を行っていない市町村は7割にも上った。特別区、政令指定都市、中核市および地域保健法施行令市ではたばこ対策が高い割合で行われている。しかし市町村ではたばこ対策を行っていないという割合は平均で5割を超えている。たばこ対策の対象を「職域」「地域」とした市町村が多く、「学校」を対象としたところが少なかった。「公共の場・公的機関庁舎内での分煙」を実施した自治体は約6割、「自治体での職場・会議での禁煙・分煙の実施」は約50%で自治体の規模に代わりはなかった。今回の調査では目標を掲げていない自治体は村に多く、ついで、町であった。目標としては「分煙の推進」、ついで「喫煙が及ぼす環境影響についての知識の普及」が多かった。「未成年の喫煙をなくす」を目標に掲げた自治体は全体で約25%であった。政令指定都市、中核市、地域保健法施行令市は60%以上と高い割合であるが、市町村が低いことが明らかになった。
結論
市町村および特別区おいてたばこ対策が十分に行われていなかった。保健所との連携により、たばこ対策実行のための情報交換が必要と考えられる。また、国の施策である健康日本21の柱である成人喫煙率を将来的に低下させるためにも特に未成年者への対策は急務である。

公開日・更新日

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