特定疾患対策研究の企画又は評価に関する研究(総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200200741A
報告書区分
総括
研究課題名
特定疾患対策研究の企画又は評価に関する研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
清野 裕(京都大学大学院医学研究科教授)
研究分担者(所属機関)
  • 田嶼尚子(東京慈恵会医科大学)
  • 小池隆夫(北海道大学)
  • 池田康夫(慶応大学)
  • 千葉 勉(京都大学)
  • 作田 学(東京大学)
  • 山田祐一郎(京都大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 特定疾患対策研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
20,657,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
従来の評価班が在り方を検討し、適切性の確保を主眼として臨床・重点・横断的各研究を同じ評価表で評価することとした。しかし、評価が困難な項目、資料不足、班会議における発表では、達成度が評価できない面がみられ、さらに評価が研究に反映されていない面もある。3部門共通の評価項目であり、かつ各事業との連携状況が問題と考えられる。実施した結果、分析としては役に立つが、取り組みの熱意等において乖離がみられた。したがってこの評価法では評価が難しく、難病研究の評価の抜本的見直しを目的とする。
研究方法
評価法の研究の推進にあたって留意する点は以下の通りである。1)研究事業は,日本独自の事業であり誇れるものである。2)希少疾患に対して研究が進んだ結果、患者が増えたことは、診断の基準が確立した結果であり。そして、治療可能になった疾患もあることは評価できる。3)診断基準の確定にともなって、患者数が増加することは、難病とは言いがたい面もある。このような疾患を対象として残すのか、見直しが必要かについて検討する必要がある。4)ガイドラインの作成によって事業としての研究は終了と考えてもよいものもある。ガイドライン作成は社会的インパクトが大きく作成は必要と考える。しかし、学会のガイドラインと相違することもあって一概には良いとはいえない状況がある。また、学会のガイドラインは外国のガイドラインに沿っていて、日本の国情に合わせて、一部改訂しているものが多い。このような状況下においても、班研究事業においてガイドラインができることは重要なことであり、ガイドライン作成をもって研究事業の終了と考えてもよいのではないかとの意見があった。
結果と考察
以下のことが必要と考えられた。1)報告書を読んで評価し、ヒアリングの実施が望ましい。2)前向きに取り組みが反映されると関心が高い。3)評価結果は、各事業報告とともに特定疾患懇談会にも提出する。4)研究計画の段階では分担協力者に対する配分等についてはチェックが行われているが、研究結果の段階で配分バランスによる成果が挙げられているかについてのチェックが行なわれていない。検討の余地がある。5)評価結果の各班に対するフィードバックは特に2・3年目の研究にあたって委員である。6)研究課題名だけでは、研究内容が不明瞭であって、医学的、或いは国際的にニーズのある研究を進めていくことが必要である。7)究明と治療法の確立に対する評価方法の確立が当班の方向性と考える。その究明方向についてガイドラインや動物実験の必要性を含めて、5分程度のヒアリングでは難しい。8)研究の流れにそった基礎研究は必要と理解するが、報告書が必要である。9)評価委員の班会議出席はチェックが甘くなりやすいので、好ましくないとともに、別領域の研究者による評価は専門性の問題が発生する。10)研究事業の到達点は、ガイドライン作成にあると考える。研究事業によってガイドライン作成・発表は社会的にインパクトがあり評価されやすいが、学会のガイドラインと相違する場合もあり、両者のすり合わせも必要となる。また、国内のガイドラインの多くは、外国のガイドラインに沿っていて、日本の国情に合わせて一部を改訂しているものが多い。したがって特定疾患の班研究事業としてガイドラインを作製することは患者にとって重要である。11)ヒアリング評価方法は、評価点数は3段階方式であるが評価項目については多岐にわたる審査委員の参加でなされることが望ましく、ヒアリングは最低15分かける必要がある。評価
者の内、ヒアリング欠席者の評価点数は50%減点しても良いのではないかとの説明があった。12b)3年2期の本事業制度においてでは評価システム構築は難しく5年から10年程度の期間でシステム構築、評価制度の充実が必要。
結論
難病研究は発足から30年を経過して、現在は50疾患で医療費の公費負担として研究班と1対1ではないが対応している。この事業により、病因・治療法が確立した疾患もあるが、まだ、原因不明の疾患もある。これらの研究事業を見るに患者を対象としていない動物実験に主眼をおく研究班もある。このような研究班等に対して、科学的評価を行うための班を構成し、正しい評価を行えるようにすることである。したがって、評価委員の評価方法の評価 客観的評価の構築が必要となる。さらに、客観的評価法、指定医制度、特定疾患研究班の妥当性等の検討も必要である。

公開日・更新日

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