文献情報
文献番号
200200607A
報告書区分
総括
研究課題名
感染症及び感染症対策の国際的動向に関する研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
宮城島 一明(京都大学大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 大菅克知(結核予防会結核研究所)
- 岡部信彦(国立感染症研究所)
- 角野文彦(滋賀県湖北地区振興局)
- 吉田哲彦(横浜検疫所)
- 森田公一(長崎大学熱帯医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成11(1999)年度
研究終了予定年度
平成14(2002)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、各国における感染症対策に関連する諸制度ならびにサーベイランスなどを含めた危機管理体制の調査を行い、我が国における感染症対策の向上に資することである。我が国では感染症対策に関する法制度の抜本的見直しを行って間もないが、感染症対策の分野においては、世界各国の動向を不断に把握し、柔軟かつ迅速に現行制度の評価と改良を行っていく必要がある。本研究ではその調査結果を直接に行政にフィードバックしていくことに意を用いた。
研究方法
本研究は、(1)外国政府・研究機関等に対する文書による資料要求、(2)外国における現地視察・聞き取り調査、(3)インターネット等を用いた資料収集、などの方法を組み合わせて情報を収集し、これを国内の情報等と対照しながら分析するという方法を用いた。
結果と考察
感染症及び感染症対策に関する諸外国の制度・実態等について、具体的には、1)予防接種、2)結核対策、3)感染症全般の3つの領域において調査を行った。予防接種については、各国の予防接種対策(新たな予防接種メニューの動向を含む)を調査 する一方、個別の感染症対策として各国の麻疹対策の現状を明らかにした。結核対策の領域では、結核中蔓延国の共通課題を明らかにし、結核対策において先進的な国の対策とこれらの我が国への適応可能性を評価した。感染症一般に関しては、検疫を含む各国の感染症対策の法令と個別対策の現状を網羅的・系統的に調査した。特に、9.11事件以降のバイオテロリズムの危険に対する米国の対応、感染症予防法1類相当疾患が発生した時の各国の政府レベル及び地方自治体レベルの対応、各国の検疫所における感染症対策の現状、さらに、保健サービスの行政主体の地方分権との関連について調査・評価を行った。
結論
国際化・グローバル化の進展に伴い、感染症対策はますます国際的な対応が求められるようになっている。特に、重篤な健康被害をもたらし極めて伝染性の高い新興感染症(感染症予防法一類相当の感染症)の対策、あるいは、旧来から知られた感染症でありながら世界的に流行再燃の兆しのある感染症等については、各国政府との相互調整のもと、総合的かつ国際的な対処が必要である。そこで、本研究の成果は、各国における感染症対策に関連する諸制度のならびにサーベイランスなどを含めた危機管理体制の強化など、我が国における感染症対策の向上に寄与することが期待される。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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