造血幹細胞の増幅とその臨床応用に関する研究(総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200200463A
報告書区分
総括
研究課題名
造血幹細胞の増幅とその臨床応用に関する研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
堀田 知光(東海大学医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 中畑龍俊(京都大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究(再生医療分野)
研究開始年度
平成13(2001)年度
研究終了予定年度
平成14(2002)年度
研究費
29,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臍帯血の体外増幅法を開発し、その有効性、安全性について検討する。体外増幅造血幹細胞を用いたより安全な移植医療の開発を目的として、臨床応用可能な、安全かつ有効なヒト造血幹細胞体外増幅法を開発し、その臨床展開をはかることを目的としている。
研究方法
1.臍帯血CD34+細胞を各種条件で培養する。培養後の細胞をNOD/SCIDマウスに移植し、SRCの増幅倍率を算出する。2.臍帯血CD34+細胞の増幅を支持するマウス骨髄ストローマ細胞HESS-5よりmRNAを抽出して、幹細胞増幅に関与することが想定される遺伝子について半定量的RT-PCR法により発現を比較した。3.臍帯血CD34陽性細胞をNOD/SCID/γc-/-マウスに増幅前および増幅後のCD34+細胞を移植し、経時的に各種組織中のヒト細胞の存在および分化をフローサイトメトリーで解析した。4.トランスレーショナルリサーチのための基盤整備について検討した。
結果と考察
1.マウス骨髄ストローマ細胞を用いた培養条件では5日間で臍帯血幹細胞を13倍に増幅することが可能であった。sIL-6/RIL-6複合体とSCF, TPO, FLを組み合わせることにより、ヒト造血幹細胞(SRC)を著明に増幅できることが明らかとなった。2.マウス骨髄ストローマ細胞HESS-5は支持能の低いMS-5と比較して、Delta-1の遺伝子発現が高かった。3.実験動物中央研究所の伊藤らが開発したNOD/Shi-scid, IL-2R?欠損 (NOG) マウスを利用することにより臍帯血CD34+細胞が成熟T細胞まで分化することを確認した。4.本年度、神戸先端医療センターにCPCを完成させた。また、その運用方法を含めた細胞療法の標準的培養施設となるべく細胞操作室、培養室、QC室、細胞保管庫、を完備し、セキュリティーも充実させた。
結論
ヒト造血幹細胞を増幅できることが示された。増幅造血幹細胞の臨床応用を準備中である。

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研究報告書(紙媒体)

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