脳動脈瘤の責任遺伝子同定と出血前診断への臨床応用

文献情報

文献番号
200200417A
報告書区分
総括
研究課題名
脳動脈瘤の責任遺伝子同定と出血前診断への臨床応用
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
井ノ上 逸朗(東京大学医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 糟谷 英俊(東京女子医大)
  • 佐藤 敬(弘前大学)
  • 中島 敏晶(東京大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究(ヒトゲノム分野)
研究開始年度
平成13(2001)年度
研究終了予定年度
平成15(2003)年度
研究費
46,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
脳動脈瘤の破裂により重篤なくも膜下出血を引き起こす。脳動脈瘤は頻度の高い疾患であり、かつ遺伝背景が比較的強い。脳動脈瘤成因解明のためには責任遺伝子の同定が重要であり、疾患機序の解明、ひいては新たな治療法の開発に結びつくと予想される。
研究方法
104対の脳動脈瘤罹患同胞対でゲノム全域連鎖解析法をおこなった。連鎖を認めた領域において、188のSNPを用いたアソシエーション・スタディをおこなう。脳動脈瘤患者250例、非脳動脈瘤患者(CT, MRI検査で脳動脈瘤の存在を否定できたグループ)200例、を収集しており、統計解析はカイ検定による。本研究は東京女子医大の倫理委員会承認を得ている。
結果と考察
脳動脈瘤のゲノムスキャン解析でもっとも強い連鎖を得た7番染色体(最大ロッド3.22)からのポジショナルクローニングを目指した。連鎖領域の188のSNP解析によりエラスチン遺伝子内SNPで有意差を得ている。また同じ細胞外マトリックスタンパクであるコラーゲン1A2でも有意差を得ている。
結論
7番染色体の候補領域からのポジショナル候補クローニングを試みているところである。その中でエラスチン、コラーゲン1A2遺伝子の関与について示すことができた。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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