思春期の保健対策の強化と健康教育の推進に関する研究

文献情報

文献番号
200200373A
報告書区分
総括
研究課題名
思春期の保健対策の強化と健康教育の推進に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
望月 友美子(国立保健医療科学院)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤則子(国立保健医療科学院)
  • 井上孝代(明治学院大学)
  • 福島富士子(国立保健医療科学院)
  • 今成知美(特定非営利法人アスク)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成13(2001)年度
研究終了予定年度
平成15(2003)年度
研究費
11,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
思春期保健の諸問題の解決のために健康教育や保健対策の量的拡大と質的転換が望まれている。本研究では「健やか親子21」と連動したウェブサイトを開設し、思春期保健に関わる様々な当事者(子ども達を含む)の多様な関心と能力に対応した「自己学習型」の健康教育手法を開発し、子ども達の正しい情報選択と自己決定に関わる能力の向上、並びに子ども達を取り巻く大人の思春期保健の諸問題への理解を深めること、ならびに、思春期保健の問題解決拠点の一つであり「健やか親子21」の評価指標でもある「思春期外来」の質と量の向上と利用者のアクセスを高めるため、実態把握とデータベース構築を行うことを目的とする。
研究方法
思春期保健推進のための情報通信技術(IT)を利用した新たな健康教育手法の開発と評価
思春期保健のリサーチマップの作成、学会誌における原著論文および特集のテーマを分野毎に分類、評価。ホームページデザインの更新、アンケート機能を加えた。子供向けホームページとリンク、評価。米国の思春期保健の現状について文献調査。
(2)思春期保健の評価指標の実態把握?思春期外来のデータベース化および思春期外来の評価
思春期外来(相談窓口)を対象に、サービスの質についての自己評価を自己記入式の調査票で把握。日本家族計画協会のホームページ上に思春期外来(相談窓口)のリスト掲載。
(3)思春期支援の施策と現状および指標にみる今後の課題
市町村母子保健計画書より策定内容および指標の分析警告の抽出。
(4) 思春期の心理的問題へのコミュニティ・アプローチ
国内外の思春期問題に対するコミュニティ・アプローチに関する文献研究、思春期講座の開催および評価。
(5) 思春期保健に関する情報環境の実態と評価
国内外の学術雑誌から効率的に文献収集、データベース化するためのシステム構築。「思春期(保健)」関係のサイト検索、発信者と情報内容を分析。「思春期」関連語彙をネット上収集、子供達のおかれた情報環境を類推した。
結果と考察
思春期問題の情報環境:思春期の関心事は「健康」よりも「友人関係」「性」「ダイエット」「ファッション」などにあり、商業市場としても有望視され、様々な情報の氾濫の中におかれていることが明らかにされた。そのような子ども達に正確な健康情報を伝達し自己決定能力を向上させるには、的確なナビゲーションの下、魅力的かつ正確なコンテンツ、アクセスしやすい環境が必要であり、子ども達自身の当事者としての参加も必要である。一方で、学会等においても、思春期の課題としては緊急で特殊な問題(性感染症や望まない妊娠等)に主眼が置かれ、広く一般的な健康教育に資する情報生産が不足していることが分かった。
結論
日本の思春期保健対策の領域を、現実の思春期の子供達が抱える問題解決に適した領域に拡大することが望まれ、そのためにも情報の集約と分析、提供の仕組みと人材養成が必須である。
1

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-