地域における新しいヘルスケア・コンサルティングシステムの構築に関する研究(総括・分担研究報告書)

文献情報

文献番号
200200362A
報告書区分
総括
研究課題名
地域における新しいヘルスケア・コンサルティングシステムの構築に関する研究(総括・分担研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
山縣 然太朗(山梨大学医学部医学科保健学II講座)
研究分担者(所属機関)
  • 松浦賢長(京都教育大学衛生学)
  • 山中龍宏(緑園子どもクリニック)
  • 近藤直司(山梨県立精神保健福祉センター)
  • 中村 敬(日本子ども家庭総合研究所)
  • 谷原真一(島根医科大学環境保健医学第一講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成13(2001)年度
研究終了予定年度
平成15(2003)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、「健やか親子21」に資するため、地域ベースに着目した統合的な推進手法を開発し、一種のヘルスケア・コンサルティングシステムを提言することを最終目的としている。
研究方法
研究を構成する骨子として、以下の3つのフェーズを提示する。まず第1に情報の集積・評価・活用を1元化したシステムの構築及び試験運用である。第2に、この情報システム等を利用した継続的な地域マーケティング・リサーチであり、今回研究フィールドとする地域集団の背後に存在する特性、課題を把握し、問題に対して地域の保有資源をいかに効率的に運用するかについて多面的に検討する。第3に当該研究フィールドにおける介入研究であり、前段のマーケティング・リサーチから明らかになった地域課題に対して実際に重点的に保健指導、環境整備等の介入をおこない、その効果について定量的、定性的評価を加えて、有効な地域ヘルスケア・プログラムに関する知見(Evidence)を蓄積するものである。
結果と考察
①「健やか親子21」公式ホームページの構築・運営 母子保健サービス実施の情報収集と供給体制の整備のためにホームページ作成を提案し、「健やか親子21公式ホームページ」を作成、運営している。平成13年5月に公開、平成15年2月28日現在、約124,000件のアクセスを達成している。さらに、利用度解析により必要度の高いコンテンツから情報ニーズを抽出している。
②2つの母子保健関連データベースの更新と機能強化 ホームページには2つのデータベースを搭載している。一つは母子保健行政の一次資料となる2,830の疫学調査を中心とした母子保健医療情報データベースであり、1年間に約120の情報を追加できた。さらに、各種リンクにより一部内容へアクセスを可能にした。もう一つは全国市町村、都道府県等における「健やか親子21」の取り組み状況データベースである。取り組みデータベースは全く新しいコンセプトで構築されており、これを自治体の母子保健担当者の理解を促すこととデータベース情報収集を目的に研修会を開催した。
③2つの介入研究 山梨県の1市、1町においてこれまでの長期調査で把握した状況を踏まえて、実際のコンサルティングに必要な実践情報を得るために、小児事故対策の介入研究と、乳幼児健診を利用した母子関係のアセスメントとハイリスク児に対する介入研究の中間報告をまとめた。。
④検討会・研修会 「健やか親子21」を推進する当事者と直接意見交換するために、学会を利用して「知ろう、語ろう、考えよう健やか親子21」の自由集会を実施し、地域でのコンサルティングの必要性について地域の事例を本に検討した。また、取り組みのデータベース研修会と併せて「健やか親子21」を踏まえた母子保健計画見直しの研修会を全国4箇所で実施し、現場の状況を把握した。
参考 「健やか親子21」公式ホームページURL:http://rhino.yamanashi-med.ac.jp/sukoyaka/ 
結論
情報の集積・評価・活用について、地域での研修会およびホームページによるマーケッティングリサーチによりその課題を把握できた。また、介入研究によってその効果について良好な結果を得た。これにより、継続的な地域マーケティング・リサーチ、介入研究といった一連の流れを一般化し、地域レベルにおいて、保健課題に対する現状把握と対策の立案、実施を即応的に行い、その評価をフィードバックするヘルスケアシステム・手法のプロトタイプの作成に向け重要な情報を獲得できた。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-