文献情報
文献番号
200200337A
報告書区分
総括
研究課題名
ピアカウンセリング・ピアエデュケーションのマニュアル作成及び効果的普及に関する研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
高村 寿子(自治医科大学)
研究分担者(所属機関)
- 堀内成子(聖路加看護大学)
- 小林雅興(栃木県安足健康福祉センター)
- 家保英隆(高知県健康政策課)
- 中村好一(自治医科大学)
- 飯島愛子(家族計画国際協力財団)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成15(2003)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
思春期保健対策の強化および健康教育の具体的な取り組みの方法の一つに、仲間:ピアによる性=生の自己決定能力を育てるピアカウンセリング手法がある。その手法が全国各地で円滑かつ効果的に実施できるためのマニュアル作成とその効果的普及を図る。
研究方法
研究班は5班に分かれ、以下のように研究課題に取り組むと同時に、全体班会議で各班の調整・統合を図った。
1.ピアカウンセリング指導者養成マニュアル作成班
既に主任研究者が考案・改良したピアカウンセリング指導者養成カリキュラムによるセミナー受講生に、質問紙調査を実施しその有効性を評価した。
2.ピアカウンセラー養成マニュアル班
既に主任研究者が考案・改良したピアカウンセラー養成カリキュラムによるセミナー受講生に、質問紙調査を実施した。その結果に基づきモデルセミナーを開催し、各地域での実践状況を追跡しその有効性を検討した。
3.関連機関との連携によるピアカウンセリング立ち上げ班
この班は2班にさらにわかれた。一方は県知事部局が中核となって他領域(特に学校保健)と連携してピアカウンセリングを立ち上げるプロセスの展開の分析と、学校現場(校長・教頭・保健主事・養護教諭等)の認識調査を実施した(栃木県)。他方は県知事部局単独で立ち上げるプロセスの展開分析のために、独自に養成したピアカウンセラーに継続可能性に対する質問紙調査を実施した(高知県)。
4.ピアカウンセリング評価研究班
ピアカウンセリング手法の有効性を評価するために、ピアカウンセリング受講者と非受講群から無作為抽出した者(抽出率20%)に同一調査票を用いて、調査を実施した。
5.ピアカウンセリングの国際的動向研究班
国際的なピアカウンセリング指導者養成およびピアカウンセラー養成マニュアルやテキストに関する、情報検索調査を実施した。
1.ピアカウンセリング指導者養成マニュアル作成班
既に主任研究者が考案・改良したピアカウンセリング指導者養成カリキュラムによるセミナー受講生に、質問紙調査を実施しその有効性を評価した。
2.ピアカウンセラー養成マニュアル班
既に主任研究者が考案・改良したピアカウンセラー養成カリキュラムによるセミナー受講生に、質問紙調査を実施した。その結果に基づきモデルセミナーを開催し、各地域での実践状況を追跡しその有効性を検討した。
3.関連機関との連携によるピアカウンセリング立ち上げ班
この班は2班にさらにわかれた。一方は県知事部局が中核となって他領域(特に学校保健)と連携してピアカウンセリングを立ち上げるプロセスの展開の分析と、学校現場(校長・教頭・保健主事・養護教諭等)の認識調査を実施した(栃木県)。他方は県知事部局単独で立ち上げるプロセスの展開分析のために、独自に養成したピアカウンセラーに継続可能性に対する質問紙調査を実施した(高知県)。
4.ピアカウンセリング評価研究班
ピアカウンセリング手法の有効性を評価するために、ピアカウンセリング受講者と非受講群から無作為抽出した者(抽出率20%)に同一調査票を用いて、調査を実施した。
5.ピアカウンセリングの国際的動向研究班
国際的なピアカウンセリング指導者養成およびピアカウンセラー養成マニュアルやテキストに関する、情報検索調査を実施した。
結果と考察
1.指導者養成マニュアル班
地域でピアカウンセリング講座を立ち上げるためには2種類の指導者、①地域の関連機関を連携して立ち上げていく(仮称)コーディネーターと、②(仮称)スーパーバイザーが必須であった。とくにピアカウンセラーを養成するスーパーバイザー養成カリキュラムとモデルセミナーの検討が緊急課題である。
2.ピアカウンセラー養成マニュアル班
ピアカウンセラー養成モデルセミナー実施後の、周辺への伝達講習会とピアカウンセリング講座の実践活動の追跡・評価を実施した結果、その有効性が確認されたが、サポートシステムなどの課題も表出してきた。
3.ピアカウンセリング立ち上げ班
県知事部局と教育委員会との連携ではとくに学校現場(高校)での理解が不足しており、一層の理解・協力を求める働きかけが必要である(栃木県)。ピアカウンセラーの養成が長期だったことと活動の場が限られていたことが 継続困難の理由であり、とくに活動の場を広げる必要性が表出された(高知県)。
4.ピアカウンセリング評価班
男女ともに受講者群において彼氏彼女のいる割合、性交経験のある割合、性に関する知識の正答割合などが高く、Self-Efficacy、Self-Esteemの平均点も高く、受講者群と非受講者群は異なる特性の集団であると考えられる。
5.国際研究班
コーディネーターおよびスーパーバイザー養成マニュアル作成の国際的な裏づけを取るために収集したマニュアル及びテキストを、それぞれの作成班と協議し選別した。
地域でピアカウンセリング講座を立ち上げるためには2種類の指導者、①地域の関連機関を連携して立ち上げていく(仮称)コーディネーターと、②(仮称)スーパーバイザーが必須であった。とくにピアカウンセラーを養成するスーパーバイザー養成カリキュラムとモデルセミナーの検討が緊急課題である。
2.ピアカウンセラー養成マニュアル班
ピアカウンセラー養成モデルセミナー実施後の、周辺への伝達講習会とピアカウンセリング講座の実践活動の追跡・評価を実施した結果、その有効性が確認されたが、サポートシステムなどの課題も表出してきた。
3.ピアカウンセリング立ち上げ班
県知事部局と教育委員会との連携ではとくに学校現場(高校)での理解が不足しており、一層の理解・協力を求める働きかけが必要である(栃木県)。ピアカウンセラーの養成が長期だったことと活動の場が限られていたことが 継続困難の理由であり、とくに活動の場を広げる必要性が表出された(高知県)。
4.ピアカウンセリング評価班
男女ともに受講者群において彼氏彼女のいる割合、性交経験のある割合、性に関する知識の正答割合などが高く、Self-Efficacy、Self-Esteemの平均点も高く、受講者群と非受講者群は異なる特性の集団であると考えられる。
5.国際研究班
コーディネーターおよびスーパーバイザー養成マニュアル作成の国際的な裏づけを取るために収集したマニュアル及びテキストを、それぞれの作成班と協議し選別した。
結論
1.ピアカウンセリング事業の立ち上げには2種類の指導者が必須であり、中でも、ピアカウンセラー養成者(スーパーバイザー)の養成が緊急課題である。2.ピアカウンセラー養成の基本的カリキュラム(内容・単位数・時間等)が構築されたが、サポートシステムの課題が表出した。3.ピアカウンセリング立ち上げは県知事部局と教育委員会と連携がとれていてもさらに学校現場(高校)での理解を深める必要性がある。他方、知事部局単独立ち上げの場合も先ずは関連機関との連携が必要であり、とともにピアカウンセラーの養成が問題となるが、その方法や内容そして活動の場を広げる工夫が必要性となった。4.ピアカウンセリング講座受講希望者は、一般的に積極的・行動的な特質をもっており、非希望者と異なる特性の集団であることがわかった。5.活発にピア活動が展開されている諸国で活用されている、ピアカウンセラー・ピアエデュケーター養成カリキュラムが入手できたので、その有用性の確認作業を開始することができると考える。
公開日・更新日
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