老人介護施設における救急医療の現状と改善点に関する研究(総括報告書)

文献情報

文献番号
200200240A
報告書区分
総括
研究課題名
老人介護施設における救急医療の現状と改善点に関する研究(総括報告書)
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
村山 良雄(国立神戸病院)
研究分担者(所属機関)
  • 柳下芳寛(国立国際医療センター)
  • 氏家良人(岡山大学医学部)
  • 清水幸雄(恵山町立国保病院)
  • 青野 允(禎心会病院)
  • 坂野晶司(弘前大学医学部)
  • 柏 尚裕(香川県立中央病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成13(2001)年度
研究終了予定年度
平成14(2002)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
各種老人介護施設における救急医療の現状に関する包括的な報告は見当たらず不明な点が多い。本研究により、その現状を調査し、改善点を検討する。また同時に福祉先進国の情報も収集する。さらに災害発生時の被害に関して被災地内の施設の情報も収集する。
研究方法
全国の各種老人介護施設から無作為に抽出した施設にアンケート調査を行い、また、特定の地域内の全施設を直接訪問し、面接調査を行う。福祉先進国を訪問し、行政担当者や実務担当者から情報を収集するとともにそれらの国の施設を視察する。また阪神・淡路大震災の被災地である神戸市内の全施設にアンケート調査を実施する。
結果と考察
各種老人介護施設の救急医療に関するアンケート調査と函館市内の全施設への面接調査結果に差が認められたが、各施設では入所者の約5%程度が年間医療機関に救急搬送され、その中で外傷や食物による誤嚥・窒息等、初期に適切な処置を行うことにより良好な予後が得られる可能性のあるものが認められた。それに対応する医療機器に関しては予想以上に多くの施設に配備されていたが、職員に対する救急処置・蘇生訓練に改善の余地があった。福祉先進国では北欧2カ国では施設に医療機器が配備されておらず、英国やドイツでは吸引器、酸素、人工呼吸用具が常備されていた。阪神・淡路大震災の被災地では入所者の被害は無かったがライフラインの途絶や職員に被害があり、機能維持に困難を来たした。
結論
我が国の各種老人介護施設では入所者の急変に備えて予想以上に救急処置機器の配備が行われていた。また職員に対する救急処置訓練は内容な頻度等に改善の余地があり、全施設に最低限の救急処置用具の配備とともに標準的な職員の訓練が必要と考えられた。震災等に備えて建物の構造に工夫し、同時にライフラインの途絶に備えて各種の工夫も必要と考えられた。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)