病院の機能に応じた経営指標に関する実証的研究

文献情報

文献番号
200200008A
報告書区分
総括
研究課題名
病院の機能に応じた経営指標に関する実証的研究
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
宮澤 健一((財)医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構)
研究分担者(所属機関)
  • 鴇田忠彦(一橋大学)
  • 井原辰雄((財)医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構)
  • 坂巻弘之((財)医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構)
  • 松原由美((財)医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構)
  • 小畑吉弘((財)医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構)
  • 小澤由幸((財)医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成15(2003)年度
研究費
8,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
良質の医療を安定的に供給する体制を確保するためには、その中核を担う病院の経営が継続的に行われることが重要である。また国民医療費の50%以上は病院に係るものであり、医療費適正化の観点からも、病院経営の分析は重要である。本研究では、1)医療施設データ、2)医療データ、3)財務データ-について、全国の民間病院へアンケート調査を実施し、これらの結果から帰納的に病院の機能を分類し、機能別の傾向を把握する。これらの実態把握により、病院経営の参考、及び医療政策議論の一助となる指標を開発することが本研究の目的である。
研究方法
病院経営などに関する文献調査をした他、全国の国公立を除く全ての民間病院(7,763施設)に対して、1)医療施設データ(病床数、医師・看護師数など)、2)医療データ(平均在院日数、術式別件数、紹介率、外来/入院比など)、3)財務データ(損益計算書、貸借対照表)-について、アンケート調査を実施した。
結果と考察
病院タイプ(一般病院・療養型病床群及び特例許可老人病床の割合が80%以上の療養型病院・精神病院)別に赤字比率をみると、一般病院が最も赤字比率が高かった。次に、平成13年7月と平成14年7月の一般病床の平均在院日数をみると、17日以下は22.2%から30.0%へと増加しており、全体的に一般病床の平均在位日数の短縮化が進んでいる様子が窺える。ただし、平成13年度の一般病床の平均在院日数と黒字赤字の関係をみると、平均在院日数が長い方が経営内容が良いという結果となっており、平均在院日数が短い程、病床利用率が低い傾向にあった。これにより、平均在院日数の短縮化は、病床利用率の低下も招き、収益に影響を与えている可能性が考えられた。また、外来入院比率については、急性期加算の条件である1.5以下では赤字比率が低く、外来入院比率が低い方が黒字の多い傾向が窺えた。
結論
本年度は、2年事業の1年目として、病院経営の実態を1)医療施設データ、2)医療データ、3)財務データ-から把握し、その豊富なデータを用いて、病院タイプ及び診療報酬上の加算要件等の観点から、病院の経営実態を明らかにすることができた。しかし、アンケート回収期間の延期や電話照会に時間を要し、これらのデータから帰納的に病院機能を検討するまでには至らなかった。次年度では経年調査が可能であり、病院の平均在院日数や紹介率、財務内容など、病院経営の動向の変化も含め、機能に応じた経営指標開発を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-