リウマチ医療における集学的医療供給体制の現状評価とその改善に関する研究

文献情報

文献番号
200100786A
報告書区分
総括
研究課題名
リウマチ医療における集学的医療供給体制の現状評価とその改善に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成13(2001)年度
研究代表者(所属機関)
西林 保朗(三木山陽病院)
研究分担者(所属機関)
  • 永野純(九州大学)
  • 種市幸二(北見赤十字病院)
  • 力丸暘(国立療養所盛岡病院)
  • 齋藤輝信(東京女子医科大学)
  • 當間重人(国立相模原病院)
  • 長岡章平(横浜南共済病院)
  • 勝部定信(中伊豆温泉病院)
  • 村澤章(新潟県立瀬波病院)
  • 浅井富明(国立名古屋病院)
  • 高杉潔(道後温泉病院)
  • 松田剛正(鹿児島赤十字病院)
  • 阿部修治(甲南病院加古川病院)
  • 吉野槇一(日本医科大学)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 感覚器障害及び免疫アレルギー等研究事業(免疫・アレルギー等研究分野)
研究開始年度
平成11(1999)年度
研究終了予定年度
平成13(2001)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
リウマチ医療における集学的医療供給体制を構築するために、関節リウマチ患者の状況とその医療の現状を調査し、改善策を提言する。
研究方法
各研究者が自施設の関節リウマチ患者の状況と医療や介護保険制度利用の現状を調査するとともに、共同でQOL調査を行った。
結果と考察
多くは遠方の専門施設(センター)に通院しており、30%は通院に介助が必要であった。発症3ヶ月以内に診断され、抗リウマチ薬を含む治療が開始されると機能的予後は良好であったが、多くは診断までに多施設を受診しており、長期間を要した。リウマチ医療提供体制の改革案に示された条件を満足するセンターは皆無で、14県(30%)にはセンターが存在しなかった。センターで治療している患者の病勢のコントロール状況は良好46%、不良またはメトトレキサートを含む免疫抑制薬使用中38%、入院中または入院すべきもの14%、在宅医療を利用すべきもの2%であった。センターへの新患紹介率は50%と高率であったが、その逆は10%と一方通行の病診連携であった。以上より、遠方のセンターに軽症患者が押し寄せる構図が浮き彫りにされた。回復期リハビリ病棟の利用や、関係者による合同カンファレンスで入院期間は短縮され、在宅医療が可能なことも証明された。また約40%の患者はうつ傾向を示したが、身体機能を保持、改善し、痛みを軽減し、全人的サポートをすることでQOLは向上した。介護保険制度での不利が危惧されたが、要介護度認定は適切で、ヘルパーサービスと訪問看護が主に利用されていた。
結論
当面の課題はリウマチセンターの整備とリウマチ医療が可能なかかりつけ医の育成である。在宅医療や介護保険制度の活用、うつ対策は関節リウマチ患者に対する有利だけではなく、医療経済的効率をも良くするものと考えられる。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)