HIV研究の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200100747A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV研究の評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成13(2001)年度
研究代表者(所属機関)
永井 美之(富山県衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 山本直樹(国立感染症研究所)
  • 木原正博(京都大学大学院医学研究所)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 エイズ対策研究事業
研究開始年度
平成13(2001)年度
研究終了予定年度
-
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
世界で医学的にも社会的にも問題となっているエイズを克服することは現在の医学研究者の使命である。そのためには、基礎研究、臨床研究、更には、社会医学的研究と巾の広い分野において、限られた研究リソースを有効に使い成果を挙げなければならない。このため、エイズ研究をはじめ、ウイルス学、免疫学、疫学、臨床医学などの有識者の協力のもとに、今後の研究企画の強化をめざす。とくに、本年度は昨年に採択された多くの課題がどの程度の進展を示したか、また、今年度新規に採択された課題は順調にスタートしたかどうかを問われる時期となった。そこで各主任研究者から具体的な伸直情況の報告をうけ、それをもとに討議を行い、個別課題のさらなる推進にむけての問題点の整理と克服の方向を明らかにすることを目的とした。各課題相互の関係、相補性を議論し、本研究の全体像を得ると共にその中での各課題の位置づけを明らかにすることも目的とした。さらに分担研究者としては、山本直樹(国立感染研)と木原正博(京都大学)を加え、「HIV基礎研究の評価に関する研究」、「エイズ対策の企画と評価」についての研究を行った。それぞれの分野について一層掘り下げた分析を行い、方向性を見出すためである。
研究方法
1.研究目的を達成するために以下の会を開催した。
研究報告集会(ヒアリング) 平成14年2月21日(木)10:00-2月22日(金)15:00 於 国立感染症研究所   
各主任研究者から報告をうけ、各課題について“独創性・新規性"、“達成度"、“行政的意義" の3点について5段階評価を行った。さらに全課題を総括的に論ずるための総合討論を行った。
2.「HIV基礎研究の企画と評価」についての研究を山本直樹が分担して行った。
3.「エイズ対策の評価に関する研究」を木原正博が分担して行った。
結果と考察
研究結果、考察及び
1.平成12年度発足の17の課題は、基礎研究では感染予防(ワクチン開発の理論と戦略)と発症阻止(感染病態の解明と新しい発症防止法)に重点をおいた。臨床研究では新治療法の試行のほか、血友病の遺伝子治療、原虫感染症、母児感染の阻止など多くの新しいアプローチが加わった。さらに社会医学ではNGOの活用などの全く新しい観点での対策研究を加えた。したがって、本年度にHIVのウイルス的基礎研究と薬剤耐性検出関係の研究が採用されたのは、本研究の全体像として好ましいとの印象を得た。
2.研究報告集会(ヒアリング)(平成14年2月21日-2月22日)では、新規研究については45分、継続研究についてはそのサイズに応じて30~15分の発表・討論時間を保障し、研究の出発点、到達段階と問題点を徹底的に明らかにすることができた。このようなとりくみは中間・事後評価を厳正に、深く行うための必須の前提であることが、出席評価協力者のコンセンサスとなった。以下に参加した評価協力者から寄せられた主な、かつ共通する意見、コメントを列記する。
(1)継続中及び本年終了予定の課題にあっては、総体として昨年の発表より格段に進歩した発表が多かった。また昨年指摘された問題点の克服や疑問点の解明に努力した跡がみとめられる。(2)ウイルス学的、免疫学的に見て世界的にも通用しそうな仕事も生まれつつある。新規ワクチン開発では今後フェーズⅠ/Ⅱへ進めるかどうかに関心がもたれる。(3)新しい検査を薬剤耐性関連も含めてどのように普及していくかが問われる。(4)社会医学的には疫学からNGOの活用まで巾広くとりくまれている。その成果を具体的政策に結びつける道筋をこれから明らかにする必要がある。調査から説得力ある提言を行ってほしい。また、アジアとくに中国にも目をむける研究者が増えることを期待する。結核の重要性が浮きぼりになった。(5)全体として進展をみせている中で研究の戦略が明確でないものも散見された。改善が望まれる。また、わが国の感染者の実数把握のむつかしさの中で、将来予測も必ずしも容易ではないことに留意しておく必要がある。調査研究の中にはしっかりした対照がないものがあった。これらについては調査デザインの改善が必要であろう。(6)次年度は平成12年度に発足した多くの課題が終了する。これらについてきちんとした評価を行い、次にどのような戦線を構築するかが総合的に検討される必要がある。(7)HIVエイズ研究は時代と共に内容を変化させている。そのことに充分応えているかどうかについて、各課題再点検が必要であることが指摘された。研究のマンネリ化を防ぐためである。以上の諸点を主任研究者をとおして各研究班にフィードバックすることにした。
3.「HIV基礎研究の企画と評価」では、エイズとHIVの基礎医学的研究に焦点を絞り、該当する研究班について、さらに踏み込んだ評価を行うと共に国際的な研究の動向を考慮しつつ、今後の推進の方向性について論及した。
4.「エイズ対策の評価に関する研究」では、昨年にひきつづきエイズ予防指針の各項について国内外の情報を収集し、我が国の現状分析と問題点の解析を詳細に行った。 
5.年度当初には予想しなかった研究の発展がいくつか見られた。また、新しい研究の可能性の検討も必要となった。これらのうち、HIVの基礎研究の一部について、追加支援を行った。
結論

公開日・更新日

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