新型インフルエンザ対策に関する総合研究(総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200100703A
報告書区分
総括
研究課題名
新型インフルエンザ対策に関する総合研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成13(2001)年度
研究代表者(所属機関)
田代 眞人(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 喜田宏(北海道大学大学院)
  • 河岡義裕(東京大学医科学研究所)
  • 本郷誠治(山形大学医学部)
  • 小田切孝人(国立感染症研究所)
  • 鈴木宏(新潟大学医学部)
  • 榎並正芳(金沢大学医学部)
  • 菅谷憲夫(日本鋼管病院)
  • 奥野良信(大阪府公衆衛生研究所)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 新興・再興感染症研究事業
研究開始年度
平成11(1999)年度
研究終了予定年度
平成14(2002)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近く新型インフルエンザによる世界的な大流行が想定され、未曾有の健康被害と社会危機が起こること危惧されている。新型インフルエンザによる健康被害と社会的混乱を最小限にとどめるために、地球レベルでの危機管理対策としての事前準備と対応方法を検討し、その実施・行動計画を立案する。
研究方法
(1)大流行に対する事前準備体制の確立のために、新型インフルエンザ対策基本計画の改訂、新型インフルエンザ出現の予測・早期検知方法、大流行の規模・健康被害・社会的影響の予測、事前準備計画案、WHOを中心とする国際協力体制への貢献、新型ウイルス診断法の緊急開発および新型ワクチン緊急開発技術、抗インフルエンザ薬の備蓄・供給体制および副作用・耐性ウイルス検出体制を、(2)大流行発生時の危機管理行動計画の確立のために、新型インフルエンザ出現時の情報収集・解析・評価・還元方法、健康危機管理行動計画、大流行阻止方法、ワクチンの緊急開発・増産・供給・接種体制、医療サービスの確保、緊急時の国際協力、社会危機管理行動計画の策定の2点に関し、各分担研究者による資料収集と解析、基礎研究および国際協力を進めた。
結果と考察
1)高齢者予防接種法一部改正への基礎的根拠の検討、2)WHOのインフルエンザ総合政策への提言、3)感染研と各地衛研間の分離ウイルス解析ソフトの開発と整備、4)東アジアのトリ型ウイルスの抗原・遺伝子解析による次期新型ウイルスの予測、5)新型ワクチン緊急開発のための遺伝子操作技術の改良・確立、6)A/香港(H5N1)型ウイルスの病原性機構の解明、7)安全なワクチン製造施設の整備、8)新型ワクチン緊急増産のための組織培養ワクチンの開発、9)抗インフルエンザ薬耐性ウイルスのモニター、10)迅速診断キットの評価と品質管理、11)抗インフルエンザ薬の備蓄・供給体制の検討、12)ワクチンによる集団免疫効果の解明、13)トリ、ブタインフルエンザウイルスのモニターに関する省際間、国際間協力体制、等に関する研究を進め、新型インフルエンザに対する準備体制と緊急時の行動計画案を検討した。
結論
新型インフルエンザ対策には、毎年のインフルエンザ対策の確立が前提条件であり、その上に社会危機管理体制を構築する必要がある。この基本原則針に沿って、最近数年の世界の動きと科学技術の進歩等を考慮して、国としての新型インフルエンザ準備対策と行動計画を緊急に再検討する必要がある。

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