文献情報
文献番号
200100698A
報告書区分
総括
研究課題名
大規模感染症発生時の緊急対応の在り方に関する研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成13(2001)年度
研究代表者(所属機関)
山本 保博(日本医科大学救急医学主任教授)
研究分担者(所属機関)
- 桑原紀之(自衛隊中央病院)
- 岩本愛吉(東京大学医科学研究所)
- 大久保一郎(筑波大学社会医学系)
- 岡部信彦(国立感染症研究所感染症)
- 小竹久平(国立感染症研究所)
- 中村 修(慶応大学環境情報学)
- 原口義座(国立病院東京災害医療センター救命救急センター)
- 佐多徹太郎(国立感染症)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 新興・再興感染症研究事業
研究開始年度
平成12(2000)年度
研究終了予定年度
平成13(2001)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
既知及び予想される大規模感染症やBioterrorism発生時に迅速かつ正確対応ができる為の事前準備のアジェンダと国内外の機関・人材・対応機材等のリソースリストを作成し、新しい時代に対応できるような体制の再構築と法体系の見直しを促進すること。
研究方法
平成12年度で得られた情報とケーススタディを基に、各研究者分担で大規模感染症発生時の緊急対応をより具体化した。具体的な課題として、来る2002年FIFAワールドカップ大会での大規模感染症(生物テロ)発生時における医療対応マニュアルと天然痘テロのシミュレーションを取り組み、これらをまとめることによって事前準備のアジェンダと国内外の機関・人材・対応機材等のリソースリストを完成させる。
結果と考察
初年度の平成12年度は情報収集とケーススタディを中心に活動した。
最終年度の平成13年度は、平成12年度で得られた情報とケーススタディを基に、各研究者分担で大規模感染症発生時の緊急対応をより具体化した。本研究班活動中の平成13年9月11日に米国で同時多発テロと、一連の炭疸菌テロが勃発し、本研究が取り組んできた課題が米国に於いて現実化する局面を迎えた。そこで、本研究班は研究員を米国に派遣し、炭疸菌テロの犠牲者の症例報告とテロの影響とその対策などの現地の情報を収集した。その情報と各研究者分担研究によって、班全体での具体的なリソースリストと対応マニュアルを作成することになった。具体的には、「2002年FIFAワールドカップ大会での大規模感染症(生物テロ)発生時における医療対応マニュアル」と「天然痘アウトブレイク(Cold Summer)シミュレーションと対応のためのツールキット」を完成させた。さらに2月になって本研究班は、九州大学の徳永章二先生を研究協力者として迎え、「天然痘バイオテロのシミュレーション:患者数及び必要ワクチン量推定の試み」に関する研究会を開催し、現在最も予期・懸念される天然痘テロに対するワクチン備蓄に関する重要な情報を入手して報告書を作成した。3月に本研究班は、米国(CDCとEmory大学)に5名の本研究員と研究協力者を派遣し、同時多発テロと炭疸菌テロを経験し、さらに続発が予想されている天然痘などのBiochemical terrorismに対して現実的な準備対応策を講じ実践している米国を視察した。米国に於けるBioterrorism Peparedness and Responseの中心を成すCDCとその関連機関(Emory大学)の情報を収集し、意見交換することによって、我が国に於けるBiochemical terrorismを含む大規模感染症発生に対する事前準備のアジェンダと対応の為の国内外の機関・人材・対応機材等のリソースリストを完成することができた。
最終年度の平成13年度は、平成12年度で得られた情報とケーススタディを基に、各研究者分担で大規模感染症発生時の緊急対応をより具体化した。本研究班活動中の平成13年9月11日に米国で同時多発テロと、一連の炭疸菌テロが勃発し、本研究が取り組んできた課題が米国に於いて現実化する局面を迎えた。そこで、本研究班は研究員を米国に派遣し、炭疸菌テロの犠牲者の症例報告とテロの影響とその対策などの現地の情報を収集した。その情報と各研究者分担研究によって、班全体での具体的なリソースリストと対応マニュアルを作成することになった。具体的には、「2002年FIFAワールドカップ大会での大規模感染症(生物テロ)発生時における医療対応マニュアル」と「天然痘アウトブレイク(Cold Summer)シミュレーションと対応のためのツールキット」を完成させた。さらに2月になって本研究班は、九州大学の徳永章二先生を研究協力者として迎え、「天然痘バイオテロのシミュレーション:患者数及び必要ワクチン量推定の試み」に関する研究会を開催し、現在最も予期・懸念される天然痘テロに対するワクチン備蓄に関する重要な情報を入手して報告書を作成した。3月に本研究班は、米国(CDCとEmory大学)に5名の本研究員と研究協力者を派遣し、同時多発テロと炭疸菌テロを経験し、さらに続発が予想されている天然痘などのBiochemical terrorismに対して現実的な準備対応策を講じ実践している米国を視察した。米国に於けるBioterrorism Peparedness and Responseの中心を成すCDCとその関連機関(Emory大学)の情報を収集し、意見交換することによって、我が国に於けるBiochemical terrorismを含む大規模感染症発生に対する事前準備のアジェンダと対応の為の国内外の機関・人材・対応機材等のリソースリストを完成することができた。
結論
初年度の研究班活動は「資料・情報収集」と考えていた。九州・沖縄サミットとウガンダ・グル地方でのエボラ出血熱Outbreakが最適なケーススタディであった。加えて、関連する課題で計3名の外国人研究者を招聘し、日本ではこれまで得ることができなかった重要な情報を収集することができた。平成13年度は、各研究員はこれらのケーススタディから得られた情報などを時に組み込みながら、それぞれの専門分野でのプラニングを練った。平成13年度は、米国で現実的なテロ事件が勃発し、日本に於いても現実化する脅威のある炭疸菌テロ、予想しなければならない天然痘テロなどのBiochemical terrorismに対して現実的な準備対応策を迫られた。本研究班は具体的なマニュアルとシミュレーションを完成させ、同時に、米国に於けるBioterrorism Peparedness and Responseの中心を成すCDCとその関連機関(Emory大学)の情報を収集して、大規模感染症発生時の緊急対応の関わる事前準備のアジェンダとリソースリストを作成することができた。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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