脳動脈瘤の責任遺伝子同定と出血前診断への臨床応用

文献情報

文献番号
200100422A
報告書区分
総括
研究課題名
脳動脈瘤の責任遺伝子同定と出血前診断への臨床応用
課題番号
-
研究年度
平成13(2001)年度
研究代表者(所属機関)
井ノ上 逸朗(東京大学医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 糟谷 英俊(東京女子医大)
  • 佐藤 敬(弘前大学)
  • 中島 敏晶(東京大学)
研究区分
厚生科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究事業(ヒトゲノム分野)
研究開始年度
平成13(2001)年度
研究終了予定年度
平成15(2003)年度
研究費
46,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
脳動脈瘤の破裂により重篤なくも膜下出血を引き起こす。脳動脈瘤は頻度の高い疾患であり、かつ遺伝背景が比較的強い。
脳動脈瘤成因解明のためには責任遺伝子の同定が重要であり、疾患機序の解明、ひいては新たな治療法の開発に結びつくと予想される。
研究方法
全国脳神経外科施設の協力により、104対の脳動脈瘤罹患同胞対を収集することができた。
罹患同胞対連鎖解析法によりゲノム全域スキャンをおこなった。連鎖を認めた領域において、SNPを用いたアソシエーション・スタディをおこなう。
脳動脈瘤患者250例、非脳動脈瘤患者(CT, MRI検査で脳動脈瘤の存在を否定できたグループ)200例、を収集しており、統計解析はカイ検定による。
結果と考察
脳動脈瘤のゲノムスキャン解析で5番、7番、14番染色体で有意な連鎖を認めた。
もっとも強い連鎖を認めた領域は7番染色体長腕(7q11-21)で最大ロッド3.22であった。連鎖ピーク近傍に存在していた候補遺伝子、エラスチン遺伝子、のSNP解析により、
イントロン20とイントロン23のハプロタイプが疾患と強く関連していることを明らかにした。また5、14番染色体領域でも候補遺伝子解析をおこなっている。
結論
OPLL罹患同胞対104対によるゲノム全域での連鎖解析により3ケ所で遺伝子座を同定できた。
候補領域からのポジショナル候補クローニングを試みているところである。その中でエラスチン遺伝子の関与について示すことができた。

公開日・更新日

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更新日
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