老化疾患におけるKlothoの意義の解明とその臨床応用に関する研究(総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200100420A
報告書区分
総括
研究課題名
老化疾患におけるKlothoの意義の解明とその臨床応用に関する研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成13(2001)年度
研究代表者(所属機関)
鍋島 陽一(京都大学)
研究分担者(所属機関)
  • 永井良三(東京大学)
  • 倉林正彦(群馬大学)
  • 川口 浩(東京大学)
研究区分
厚生科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究事業(ヒトゲノム分野)
研究開始年度
平成13(2001)年度
研究終了予定年度
平成15(2003)年度
研究費
65,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は(1)血清Klotho蛋白測定キットの構築とKlotho蛋白の濃度測定による診断システムの開発、(2)血清中のKlotho蛋白の蛋白医薬としての可能性の検討、(3)Kotho蛋白が結合あるいは修飾する生体内分子の同定と医薬品開発への発展、(4)ヒトklotho遺伝子多型(SNP's)と老化関連疾患との連鎖解析、(5)Klotho蛋白のカルシウム恒常性維持機構における役割の解析、(6)循環器疾患、腎疾患におけるKlothoの意義の解析を目的としている。
研究方法
サンドイッチエライザー系による測定キットを完成させる。分泌型Klotho蛋白のレスキュー活性により、その有効性の解析と投与法の検討を行う。抗Klotho抗体を結合したビーズによりKlotho蛋白共沈分子を分離し、TOF-MAS解析により同定する。ヒトklotho遺伝子のSNPsと、動脈硬化症、骨粗鬆症、変形性脊椎症、脊柱靱帯骨化症、肺気腫、糖尿病、腎不全との相関を解析する。カルシウム代謝におけるKlotho蛋白の役割を解析する。アンジオテンシンを負荷した動物モデルにklothoのアデノウイルスを投与し、腎保護作用を腎機能検査及び病理組織検査にて検討した。また、klothoの血管保護作用、血管新生作用を検討した。
結果と考察
(1)ヒトklotho遺伝子座のSNPs解析により日本人閉経後女性においては、2カ所がBMDと有意な相関を示し、英国人においては、加齢とともにその相関は強くなり、65歳以上の高齢群では、他の2カ所においてもBMDとの間に有意な相関が認められた。また、promoter領域のSNPsは核蛋白との結合を著明に低下させた。klotho遺伝子産物は老化に伴う骨粗鬆化に関与している可能性が示された。
(2)循環器疾患におけるklothoの意義の解明を進め、klothoが下肢虚血における血流回復ならびに血管新生能に関与すること、klothoがアンジオテンシンによる腎障害に対して保護的に作用すること、さらにklothoが一酸化窒素の細胞内分子シグナル経路を介して作用すること等を明らかにした。
(3)Klotho遺伝子は血管内皮細胞におけるNO産生を高めることにより、血管保護効果を示すことを明らかにした。
(4)分泌蛋白を高感度に認識できるサンドイッチエライザー系を構築した。血清より130kd分泌型Klothoの同定に成功した。Klotho蛋白と共沈する5個の結合蛋白を同定した。Klotho蛋白の糖鎖切断活性を強く示唆する結果が得られた。Klotho蛋白が1a-hydroxylase遺伝子の発現を負に制御するシグナル回路の新たな構成要素であること、更に、klotho変異マウスではmCalpainの顕著な活性化と引き続く細胞崩壊が起こることが明らかとなった。
結論
血清Klotho蛋白、結合蛋白、糖鎖切断酵素活性、カルシウム代謝における機能mCalpainの活性化、並びにヒトklotho遺伝子多型と骨粗鬆症や変形性腰椎症などとの相関、Klotho蛋白の血管保護作用が明らかとなり、Klotho蛋白医薬開発の可能性が示唆された。

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