脊椎損傷者の褥瘡リスクマネジメントに関する研究(総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200100348A
報告書区分
総括
研究課題名
脊椎損傷者の褥瘡リスクマネジメントに関する研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成13(2001)年度
研究代表者(所属機関)
関 寛之(国立身体障害者リハビリテーションセンター病院)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 障害保健福祉総合研究事業
研究開始年度
平成13(2001)年度
研究終了予定年度
平成15(2003)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
脊髄損傷患者の日常生活におけるリスク要因のうち最も重要なものが褥瘡である。本研究は、活動的な脊損患者が褥瘡を予防するためのリスクマネジメントを確立することを目的とする。この目的のために、以下の目標を設定する。
1 在宅ならびに職場での生活実態に即したリスク評価し、生活動作に伴う褥瘡リスクを明らかにする。
2 上記褥瘡リスクに基づいて、個々の患者の病態、日常生活に対応した自己管理プログラムを作成する手法を確立する。
3 上記を実施する為の脊髄損傷センターでの褥瘡防止対応チームの開発により、個人への教育の質のレベルを上げる。
褥瘡は寝たきりなどの虚弱な高齢者におけるリスク管理の課題としても重要であるが、脊損患者においても活動性を減退させ、再入院、再手術を繰り返す最大のリスク要因となっている。医療技術とケアの発達によって入院中の褥瘡の発生は大幅に減少させることができているが、退院後の自己管理が不十分なために再発を繰り返す患者が絶えないのが現状である。
今年度は生活実態に即したリスク項目の選択および数量化の項目を導出し、また国立リハセンターで行われているシーティング適合サービスの褥瘡対応の有効性を確認することを目標とした。
研究方法
1 褥瘡原因追求手法の開発
① エキスパートによるブレインストーミングによる評価用紙の開発とデータベースの開発を行なう。 
② 実際のシーティング適合サービス褥瘡サービスでの評価用紙のチェック
2 褥瘡予防へのシステム工学導入
車いす上での褥瘡予防へのISM手法の導入
3 教育プログラムの現状
脊髄損傷専門機関への電話調査
4 日常生活のリスク調査
横浜と沖縄の脊髄損傷者連合会の協力を得て、脊髄損傷者への講習会と同時に、アンケート調査を実施し、生活状況を把握した。
5 日常生活のリスク
上記1と関連するが、複数のエキスパートにより、トイレでの褥瘡発生をテーマにリスクおよびスケールをブレインストーミングで決定する。 
機器供給の臨床サービスを実施しながら問題点を検討する手法をとった。
結果と考察
今年度は以下の項目について検討し、結果を得た。
1 シーティング適合サービスの有効性
シーティング適合サービスにおける評価項目の抽出と関係する職種によるリスク段階設定によって、データベースを開発した。
項目は基本的身体項目、医療項目、褥瘡項目、生活項目からなる。フィールドは118項目、そのうち、85項目が値選択による入力である。なお、データ・ベースはファイル・メーカープロver.5.5を使用した。
2 褥瘡予防へのシステム工学導入
車いす上での褥瘡を防止する時の問題項目を抽出する為、システム工学手法を取り入れて検討した。シナリオとして、①医療の中の褥瘡予防から生活場での褥瘡予防へ②褥瘡を起こさず、彼らのニードを健康的に遂行する為の手法生活に視点を置いた教育プログラム③専門職からなる褥瘡予防チームが挙げられた。
その結果、13項目が抽出され、その中で褥瘡防止用クッションの選択や機能の項目が3項目となった。
これらより、問題項目の対応策の検討、特にクッション選択手法の開発が重要であることが認識された。
3 教育プログラムの現状
6脊髄損傷専門機関に電話調査した結果、すべてが褥瘡教育を行っていることがわかった。しかし、詳細は不明であり、今後、統一した教育プログラムができるよう検討を重ねる。
4 日常生活でのリスク
① 横浜・沖縄調査(アンケート)
横浜と沖縄で在宅生活を送る脊髄損傷者に対して、予防に対する講演と同時にアンケート調査を実施した。横浜のデータのみ解析したが、参加者の1/3が褥瘡を持っていることがわかった。これにより、脊髄損傷者連合会とより密接になり、今後も症例数を増やすと同時に、協調した対応を得る手法を模索する。
② 日常生活のリスク度表示
入浴での褥瘡リスクについて検討し、項目の抽出と同時にリスクの数量化を行い、データベースの項目とした。
結論
1 シーティング適合サービスの有効性
シーティング適合サービスにおける評価項目の抽出と関係する職種によるリスク段階設定によって、データベースを開発した。
2 褥瘡予防へのシステム工学導入
車いす上での褥瘡を防止する時の問題項目を抽出する為、システム工学手法を取り入れて検討した。その結果、13項目が抽出され、その中で褥瘡防止用クッションの選択や機能の項目が3項目となった。
3 教育プログラムの現状
6ヶ所の脊髄損傷専門機関に電話調査した結果、すべてが褥瘡教育を行っていることがわかった。
4 日常生活でのリスク
① 横浜・沖縄調査(アンケート)
横浜と沖縄で在宅生活を送る脊髄損傷者に対して、予防に対する講演と同時にアンケート調査を実施した。1/3が褥瘡を持っていることがわかった。
② 日常生活のリスク度表示
入浴での褥瘡リスクについて検討し、項目の抽出と同時にリスクの数量化を行い、データベースの項目とした。

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