ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針の運用に関する研究(総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200100105A
報告書区分
総括
研究課題名
ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針の運用に関する研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成13(2001)年度
研究代表者(所属機関)
山口 建(国立がんセンター研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生科学特別研究事業
研究開始年度
平成13(2001)年度
研究終了予定年度
平成13(2001)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1999年、個人のゲノム情報を取り扱うミレニアム・ゲノム・プロジェクト研究について、生命倫理の観点から適切な研究の実施を目指すために、厚生科学研究として「遺伝子解析による疾病対策・創薬等に関する研究における生命倫理問題に関する調査研究」が実施され、2000年4月、「遺伝子解析研究に付随する倫理問題等に対応するための指針(通称:ミレニアム指針)」が策定された。その後、ミレニアム・プロジェクトに限らず我が国で実施される全てのヒトゲノム・遺伝子解析研究を対象とする指針の策定が望まれ、2000年度には、「ヒトゲノム解析研究に関する共通指針(案)」策定のための検討委員会のもとで指針の原案が策定され、2001年4月より「ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理指針(通称:三省共同指針)」が施行された。本研究では、三省共同指針の円滑な運用により、研究に参加する国民を研究に伴う危険から守り、指針についての理解を深めるための情報、研究者の疑義を解消するための情報などを収集し、それを、“ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針ホームページ"を開設し、公開することを目的とした。
研究方法
三省共同指針の円滑な実施に必要な情報を、研究者並びに社会に提供するため、以下に述べるような方法で研究を進めた。まず、研究者に提供する情報として、ヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施する研究機関が整備すべき組織等に関する情報の提供に務め、さらに、研究者等による研究計画の立案に役立たせるための指針の詳細な解釈、疑義照会への回答、指針策定過程の議論、関連する諸指針等についての情報提供にも務めた。これらの情報提供にあたっては、研究者に限らず、関心のある国民が、随時、迅速に情報に接することを可能にするため、インターネットを利用した情報提供について検討を進め、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関するホームページを立ち上げた。また、海外の倫理指針の策定・運用状況及び国内での運用実態を踏まえ、倫理指針の問題点を検討した。
結果と考察
本研究においては、研究成果を広く研究者、国民に開示するために、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針ホームページを開設し、情報提供に務めた。ホームページにおいて提供される情報は、指針策定のために収集された本邦及び各国の指針類、策定の過程における検討委員会の議論の詳細、指針の運用にあたっての疑義に回答した内容などに及び、研究者のみならず一般国民が、その内容から、遺伝子解析研究とその倫理的側面について、理解を深めるための貴重な資料となっている。ヒトゲノム・遺伝子解析研究の倫理指針は、海外でもあまり例をみない。国際的にみて、三省共同指針はかなり厳格な指針との評価を受けている。今後、その改訂も視野に入れながら、欧米を中心とした諸国の指針の状況を把握していくことが必要である。この点で、世界保健機構の下部機関でありフランス、リヨンに設置されている国際がん研究機関における倫理審査委員会の現状調査は、指針の今後の改訂などにおいて重要な役割を果たすものと考えられる。
結論
三省共同指針の円滑な実施のため、指針の策定に関わる資料、研究機関における倫理審査委員会の状況、指針の解釈に係る疑義照会とその回答などの情報を収集し、インターネット上に“ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針ホームページ"を開設し、研究者並びに社会に公開した。

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研究報告書(紙媒体)

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