医療機関におけるコ・メディカルの業務分担に関する研究

文献情報

文献番号
200001131A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関におけるコ・メディカルの業務分担に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成12(2000)年度
研究代表者(所属機関)
星野 桂子(国立医療・病院管理研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 小高賢一(国立小諸療養所)
  • 杉山みち子(国立健康・栄養研究所)
研究区分
厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究事業
研究開始年度
平成12(2000)年度
研究終了予定年度
平成13(2001)年度
研究費
6,460,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在、医療機関における医療従事者の人員配置については、医療法や診療報酬点数表により、基準が設定されている。しかし、外来の院外処方せんが定着しつつあり、検査も外注が増える一方で、服薬指導や栄養指導、自己検査指導など各種専門職による新たな業務も生まれている。本研究の目的は医療機関の機能や各種専門職の業務内容を検討し、それぞれの専門性を活かした業務分担と人員配置を検討することである。
研究方法
各種統計データによる薬剤師人員配置の現状分析と配置基準変更による標欠病院の動向のシミュレーション分析、薬剤部と病棟における薬剤業務担当者調査による入院薬剤業務担当者の現状分析、病棟患者調査による病院病棟特性別薬剤使用状況分析、栄養ケア所要時間に関するタイムスタディの分析
結果と考察
①標欠病院は暫定基準22.8%、経過措置16.8%である。標欠割合は100床超の一般病院、国公立や公的病院に多く、療養病床保有病院で少ない。暫定基準から経過措置への移行により標欠となるのは、実数では私的小規模病院が多く、割合は国公立やその他開設者病院に多い。②薬剤部業務は病床規模が大きいほど機械化・システム化が進んでいる。③病棟薬剤業務は大部分が看護婦により行われ、医師や薬剤師の関与は病院規模や診療特性により異なる。④薬剤師は診療点数がついている業務を優先する傾向がある。⑤栄養士・管理栄養士の業務にはNCMを導入している病院はほとんどなく、タイムスタディによる所要時間から、現在の配置人員や診療報酬点数ではNCMの実施は不可能と考えられた。
結論
薬剤業務の役割分担は薬剤師以外の医療専門職も含めて検討する必要がある。各専門職の配置基準を決める際は、病院特性により専門職業務の需要と役割が異なることを考慮する必要がある。薬剤師、栄養士・管理栄養士など専門職が薬剤と給食の提供機能に加え患者への指導評価を行うことは医療の質の確保に有効と考えるが、その際、医師や看護婦などとの業務分担を検討し、効率的効果的方法を考える必要がある。

公開日・更新日

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