日本における大規模医療用カードシステムのフィージビリティ研究

文献情報

文献番号
200001107A
報告書区分
総括
研究課題名
日本における大規模医療用カードシステムのフィージビリティ研究
課題番号
-
研究年度
平成12(2000)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 隆(京都大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究事業
研究開始年度
平成12(2000)年度
研究終了予定年度
平成13(2001)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
病院間医療情報システムが持つべき機能を調査し、ICカードと暗号技術とインターネットを使ってそれを実現するシステムのプロトタイプを設計することで、日本で大規模に医療用カードシステムが導入できるかを調査する。
研究方法
医療を受ける側の患者さんを対象に、医療における情報システムやセキュリティに関するアンケート調査を実施して結果を分析し、そのニーズに応えられるようなシステムの設計(前年度の設計の改良)と実現のためのコスト調査を行った。
結果と考察
アンケート調査の結果、患者さんや医療従事者のデータへのアクセス制御機構、プライバシー保護に対する十分な配慮、費用負担を中心とする行政の積極的なイニシアティブなどのシステム実施要件が浮かび上がった。
さらに、技術的な詳細を詰めた結果、医療機関外部からの不正なアクセスに対処するためのファイアウォール機能、他の医療機関の異なるデータベースにアクセスするためのインターフェース機能などを備えたゲートウェイサーバが必要との結論にも達した。
また、平均的な病院の場合で試算すると、このようなシステムにかかる1病院当たりの年間コストは、約44,420,000円/年(税別)、患者さん1人当たりの年間コストは、約620円/年(税別)と求められた。
結論
医療で扱う情報や、その個々の状況での扱いは様々であるので、あらゆる場合に対応できるような柔軟なシステムが必要である。また、システム導入を進めるためには、資金的な裏付けやプライバシー保護への十分な配慮も求められる。こうしたシステムに必要なコストは、医療情報の共有化による全体的なメリットを考えれば、十分ペイできる程度の金額であった。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

研究報告書(紙媒体)