血液製剤の使用状況の分析及び需給に関する研究

文献情報

文献番号
200000813A
報告書区分
総括
研究課題名
血液製剤の使用状況の分析及び需給に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成12(2000)年度
研究代表者(所属機関)
清水 勝(東京女子医大)
研究分担者(所属機関)
  • 西川健一(鳥取大医)
  • 面川 進(秋田大医)
  • 品田章二(済生会三条病院)
  • 高本 滋(愛知医大)
  • 飯野四郎(聖マリアンナ医大)
  • 上田恭典(倉敷中央病院)
  • 小松文夫(東医歯大医)
  • 半田 誠(慶応大医)
  • 池田久實(北海道血液センター)
  • 神谷 忠(愛知県血液センター)
  • 横山繁樹(京都府血液センター)
  • 柴田弘俊(大阪府血液センター)
  • 前田義章(福岡県血液センター)
  • 市川誠一(神奈川県立衛生短大)
  • 吉原なみ子(国立感染症研究所)
研究区分
厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬安全総合研究事業
研究開始年度
平成11(1999)年度
研究終了予定年度
平成12(2000)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
【研究要旨】
昨年度は疾患別術式別の血液製剤の平均使用量を検討し、各術式別に各血液製剤の使用量に大きな地域間差と施設間差の存在することを明らかにした。
本年度は血液製剤の新指針(1999年6月)による血液製剤、特に新鮮凍結血漿(FFP)の使用動向への影響を検討した。BCからの血漿製剤の供給量は全国的に減少し、最大約30%も減少したBCもあったが、これを個々の医療機関別にみると増減・不変など区々であるものの、多くの医療機関での使用量は明らかに減少しており、アルブミン[(HAS、特に等張アルブミン(PPF)]の代替使用へとシフトしている医療機関もあったが、そのような傾向は認めずに、HSA使用量の減少をも伴った医療機関もあった。つまり全血漿量{TPP:[FFP(Alb含有量3g/uに換算)+HSA]の総量}の減少傾向がみられた。同様の傾向は、今まで全血(WB)使用量の多かった医療機関でのRCCへの転換が推進されることによって、FFPあるいはPPFの増加傾向が認められる施設もあったが、WB中の血漿成分相当量の全量がFFPあるいはHSAに代替されることはなく、TPPとしては減少していた。
さらに、新たにFFPの適正使用症例を11医療機関(各連続30症例を目標)において新使用指針の検査値により評価すると、適正使用症例率は10~60%と施設間格差が大きかったが、総計399症例中175例、43.9が適正となった。これはFFP供給量あるいは使用量の減少を裏打ちする結果であり、新使用指針の普及を図ることにより、さらに減少するものと考えられた。
免疫グロブリン(IVIG)については、昨年の調査でいわゆる重症感染症に75%が使用されていたことから、その自給には重症感染症への適応の実態を把握することが急務と考えられた。総計330症例中220症例について個々の症例を検討すると、いわゆる重症感染症の客観的診断基準のないことが混乱を招いている面もあると考えられた。重症感染症の背景因子として、年齢(60歳以上)、全身状態、投与対象の疾患名(敗血症・肺炎・腹膜炎・蜂窩織炎・細菌性心内膜炎・肝膿瘍など)のほかウイルス性疾患、血液患、強力な化学療法・移植例は個別に検討すること、発熱は38度以上、発熱期間、白血球数は9000以上、または顆粒球数1千未満、CRP10mg/dL以上の各所見をとりあげて検討し、さらに術後使用例については重症感染症あり(4a)、重症化の可能性あり(4b)、術後感染予防(5)とについても明らかにしておくことが必要であると考えられた。特に、客観的な指標としては、発熱の有無、白血球数9000以上且つCRP10以上が有益ではないかと思われ、上記220例中の該当症例は109例(49.5%)であった。また、IVIG投与例の死亡率が可成り高いことから、今後は上記基準による重症感染症患者の転帰をも検討し、その上でIVIGの適応の在り方を検討して行く必要があるであろう。
昨年に引き続き、慢性貧血に対する赤血球輸血のトリガーについて検討した。入院と外来患者あるいは原疾患により若干の差はあるものの、多くの施設ではHb値が7g/dL前後で輸血をしていることが明かとなり、繰り返し輸血例でも6g/dL台で行なわれている例も少なくなかったことから、新使用指針の内容は現実的には概ね妥当であると考えられる。
さらに、安全な血液を供給し、血液確保量を増加して行く上で、より少数の献血者からより多くの血液を提供して貰うことが望ましく、その為には定期的献血者を増やすことである。その点、新採血基準の導入後の15年間で半数の献血者で需要を賄えるようになったとの報告内容は大きな成果であるが、一方実献血者の70~80%は年1回しか献血していない実態は、早急に改善する努力が必要であろう。さらに、高齢者(65歳以上)層の献血は、検査合格率が高く、副作用も少なく、安定している献血者群と評価できたことから、今後さらに活用すべき対象であると考えられる。
なお、血液の安全性確保(特にウィンドウ期対策)の観点から、献血者の動向調査とHIV検査キットの検討を行なった。STD患者では、過去1年間の献血率は一般集団とほぼ同じであったが、HIV感染リスクが高いと認識している者ほど献血率が高く、一方、MSM(men who have sex with men)では、HIV感染不安の低い者ほど高率であった。献血者の問診時の対応として参考になるであろう。さらに、HIVスクリーニング検査では、検査法の特性からPCRと抗体検査との併用をすべきであるが、今回実施したコントロールサーベイやアンケート調査の結果から、特に血液の安全性を高めかつ維持して行くためにも各検査キットの定期的な再点検が必要であると考えられた。
【研究目的】
血液の自給自足の達成には、献血者の確保とともに、献血された血液の効率的な有効利用と適正使用の推進が前提となる。有限な資源である血液の今後の需要動向を把握して、血液の確保対策を講じて行くことは重要な課題である。しかしながら、従来の血液製剤の需要動向調査は、統計上の資料を使用して過去からの推移に基づいて行なわれていることが多く、このような方法により得られる成績は、最大需要量の把握には好都合であるが、真の需要を見極めて行く上では適切な方法とは言えないであろう。真の需要動向を把握するためには、適正使用の観点からの評価を使用症例ごとに行うことにより最も適正な需要量を把握することが可能となる。特に、血液製剤の需要量は地域格差が大きく、さらに医療機関ごとにも可成りの差異があることから、投与症例について共通の使用適正化基準にもとづき適正な使用であるか否かを検討することが必要である。
本研究班では、班員の施設における血液製剤の需要動向とともに疾患別の使用症例数の把握に努め、さらに使用症例についての適正評価を行うことにより、真の需要量の把握と問題点を明らかにすることを目的とする。
研究方法
1) 各班員の施設における経年的な製剤別需要量(日赤血液センター(BC) の班員は管内の供給量)を検討し、需要動向の概略を把握することに務め、さらに血液製剤[赤血球濃厚液(RCC)、血小板濃厚液(PC)、新鮮凍結血漿(FFP)]の需給状況に及ぼす要因を把握するために、班員の施設(BCの班員は管内で調査可能な主要な医療機関)における疾患別あるいは代表的な術式別の血液使用動向の調査を行なう。
2) 医療機関所属の班員は各自の施設での各血液製剤、特に使用量が多く自給率の低いFFPとアルブミン(HSA)の使用が適正であるか否かの評価を症例別に、血液製剤の新使用指針[FFPの適応: PT活性は30%以下、APTTは正常対照の1.5倍以上の延長、フィブリノゲン(ζ)は100mg/dl以下]に基ずき行う。
3) 使用基準のない免疫グロブリン(IVIG)については使用実態調査を行い、さらにIVIGが投与された重症感染症例の背景因子[年齢(60歳以上)、全身状態、診断名(敗血症・肺炎・腹膜炎・蜂窩織炎・細菌性心内膜炎・肝膿瘍など)のほか強力な化学療法・移植例を加え、発熱38度以上、発熱期間(3日以上)、白血球数1?2万以上または顆粒球数1千以下、CRP10~15 mg/dL以上の各所見]を検討し、さらに術後使用例については重症感染症あり(4a)・可能性あり(4b)別についても調査し、使用指針の在り方について考察する。
4) 適正な血液の需要量は今後の人口動態に対応する献血者の確保対策によって裏打ちされなければならない。特に安全な血液を確保し、供給することを前提として、献血者の献血行動、特にSTD患者とMSMにおける献血意識と感染症関連試薬の精度、特にHIV関連試薬の問題について検討する。
結果と考察
1) 血液製剤の需要動向:北海道BCにおける平成12年のFFPの供給量は対前年比の90% で推移しているが、管内100医療機関の対前年の使用量の比較では、FFPの使用量が増加した施設もあるものの、全体としては78.5%に減少し、大規模施設(500床以上)での減少は2.4%、中小規模施設では15% の減少をみた。疾患別では肝胆膵疾患での減少が顕著(43.1%)であり、患者当たりの使用量も大幅に減少(12.2u→7.1u)していた。このような減少傾向の理由としては、新使用指針の影響(34.3%)とのことであるが、その周知度については82%の施設が不十分としていた。新指針の徹底により、FFPの使用量はさらに減少するであろう。一方、多くの施設でのHSAの使用量に変化がなかったということは、より適正なFFPの使用量削減が行なわれたことを示すものと考えられる。
新潟BCでは、従来より他県からの血液製剤の移入が常態化していたが、2000年にはPCは採血量の増加により、FFPは供給量の減少(対前年比73.6%)により、県内での自給が可能になった。
愛知BCにおけるFFPの供給量は新指針の出された平成11年7月から明らかな減少傾向を示し、平成12年12月の供給量は平成10年の70% 弱へと箸減した。京都BCでは生体肝移植時の血液使用量を平成11,12年とで比較したところ、1 症例当たりの使用量は各製剤共に減少傾向が認められた。大阪BCではFFPの供給量は過去5 年間に約 2/3 に減少し、特に平成12年には対前年比で79 % の減少をみた。一方、PC(HLA適合PC、CMV陰性PCを含む)は漸増傾向を示した。
福岡BCでは赤血球製剤の需要量はほほ不変であり、PCはやや増加傾向にあるが、FFPの供給量は最多であった平成5年に比して約60%に著減し、平成9年に比しても73% に減少した。供給上位24 医療機関のFFP供給量は、心臓手術の増加した 1 施設を除き減少し、1ベッド当たりの使用量も減少している。しかも、FFP/RCC の比率が1 未満の施設が19/24 (79%) であった。このようなFFPの減少の理由としては、58%の施設が診療報酬請求で削減された経験を持っていたが、34% の施設はないと解答した。以上のごとく、新使用指針の影響は診療報酬削減の効果もあるとおもわれるものの、施設における適正使用の推進も行なわれていることを示す結果と考えられた。
秋田大での血液使用量の推移を見ると、RCCとPCは漸減傾向、FFPは過去10年間のピーク時(1996年) に比して55.4 % に減少し、対前年比でも81.5 %に減少した。一方、等脹HSA製剤は対前年比で133 % に増加し、[FFP(Alb 3g/バッグに換算)+PPF]の総量は100.4 % と殆ど不変であったことからして、FFPの減少分のほぼ全量がPPFにより代替されたと考えられた。なお、HSAの使用量はピーク時(1985年)より漸減傾向にあり、近年はほぼ半減した。IVIGの使用量は1982 年以来余り大きな変動は認められていない。秋田県内45施設の輸血部門設置率は未だ17 % と低いが、輸血療法委員会は69 % の設置率であった。輸血部門や輸血療法委員会が設置されている施設では、RCCの破棄率が少なく、自己血輸血の実施率が高かった。
済生会三條病院では、全血の使用は殆どないが、この三年間でFFPとHSAの使用量が増加傾向(対前年比115.1%、対前々年比133.8%)にある。しかし、IVIGの使用量は対前年比で半減した。
都立駒込病院では、血液製剤の使用量が2年連続して減少したが、FFPとPCの減少によるもので、RCCは殆ど不変であった。FFPの使用量は全血(WB)をRCCへと積極的に切り替えることにより増加傾向を示し、1996年には10,807uに達したが、以後漸減して2000年には5495u(50.8%)になった。しかし、HSAの使用量1997年まで漸減したが、FFPの適正使用推進(特に循環血漿量の増加にはHSAを推奨)によりFFPの一部が等脹のPPFにより代替され、1998年のHSAの使用量は急増(154.5%)したものの、その後はほぼ不変である。これを[FFP+HSA]の総量の推移でみると、総量は一時的に増加をみるが、以後はFFPの純減となっている。同種骨髄移植例でPCの1回輸血量を10と15uで比較したところ、出血症状の出現には差が無く、PCの輸血単位数は10u輸血群では半減(54.2u対117.5u)した。
東医歯大では、WBが漸減し、2000年には0 となったが、自己血を含む全赤血球製剤は漸減傾向を示し、1980年代後半の約11,000uから2000年には8,406u(75%)になった。このようなWBの減少に対して、FFPの一時的な増加傾向はみられたものの、全体としては減少傾向を示し、HSAは増加したものの1995年をピークに減少傾向へと転じた。なお、2000年のFFPは対前年比で66%と著減したが、HSAも微減した。IVIGの使用量は殆ど不変であった。
慶応大では、WBが漸減しているが、FFPは対前年に比し68.8%へと著減したにも拘らず、HSAの増加傾向はなく、むしろ微減傾向にある。しかし、PPFの漸増傾向はFFPの一部の代替使用による可能性もある。FFPの減少は消化器外科で半ばルーチン化している周術期での投与が撤廃されたことによるもので、手術件数の増加にも拘らずFFPの使用件数は半減した。IVIGは殆ど不変である。
東女医大では、WBが対前年比で28%減少しており、特に後天性心疾患と消化器疾患での減少が目立ったが、FFPはこの3年間対前年度比13%[血漿交換療法(PEX)分を除くと13%、6%]づつ増加し、HSAも6%、13%の増加をみた。しかし、疾患別にRCC/WBとRCC/FFPの比率を前年と比較すると、前者の上昇の割に後者の低下が少なく、WBのRCCへの転換が全面的にRCCとFFPの併用に移行したとは考えられなかった。PEXに用いられたFFPは、1998年16.2%、1999年15.9%、2000年21.2%であった。なお、PCの使用量は血液疾患が41.5%、心疾患が40.4%で、心臓手術時の使用量が目立つ傾向は例年のごとくであった。また、IVIGの使用量が年々増加傾向にあり、使用症例数の増加によるもので、1症例当たりの使用量はほほ横ばいであったが、2000年の増加は使用症例数は減少したがものの1症例当たりの使用量(平均13.2g/dL)が増加したことによる。特に、血液疾患(骨髄移植;40g/症例n)、脳神経疾患(CIDP;60g/症例)、産婦人科(ITPの出産;39g/症例)などで顕著であった。
聖マリアンナ大では、RCCとPCとはほぼ横ばいであるが、FFPは対前年比で71.2%に減少し、特に外科のFFPの減少が50%と顕著であった。HSAは118%に増加したが、外科では減少し、[FFP+HSA]の合計は94%の減であった。
愛知医大では、1995年に総ての製剤の使用量がピークとなり、以後漸減して2000年には、自己血を含むRCCは67.4%、FFPは49.0%、PCは69.9%へと減少し、同様にHSAは49.4%、IVIGは59.4%へとそれぞれ減少した。
倉敷中央病院では、RCCは手術件数の増加にもかかわらず若干減少傾向が見られるが、PC増加傾向にあるものの血液疾患患者の増加に比すれば軽度と言える。FFPはPEXでの使用量増加があったが、HSAの使用量は、1993年以来減少し続けて2000年には59.5%となり、過去最大使用時の1982年に比すると26.6%に過ぎなく、心臓外科が29.5%を使用していた。IVIGの使用量は漸増傾向にあるが、造血幹細胞移植時のCMV感染の予防投与によるものである。
鳥取大では、WBが殆ど0となり、[WB+RCC]は緩やかに減少する傾向にある。PC とFFPは殆ど不変であるが、HSAの使用量は漸減傾向にる。IVIGの使用量は増加傾向にあるといえるが、感染防御よりも、小児科のITPや川崎病あるいは神経系疾患(CIDP)あるいは造血幹細胞移植などにもちいられている。
九大では、WBは0であり、輸血用血液製剤の使用量はほぼ一定しているが、使用本数では約3分の1に激減している。また、(FFP+HSA)/RCCの比率は漸減傾向にあるが、4~5と血漿蛋白、特にHSAの過剰使用状態が続いている。今後の問題点としてはPCとHSAの適正使用への対応と考えられる。
小括:WBは従来より大量に使用していた医療機関でもRCCヘの転換が推進されつつある。新使用指針の普及によりFFPの使用量は明らかに減少したが、一部はPPFなどのHSAヘと代替されてたものの、FFPとHSAの総量(FFP1単位をHSA3gに換算)は減少した医療機関が多かった。近い将来、原料血漿の最少必要量を国内で自給することも不可能ではないものと考えられる。
FFPの適正使用評価:なお、愛知BC管内の1 施設におけるFFPの使用された30症例43回の使用回数で症例の20%、回数の21% が適正と評価された。
秋田大では、FFP投与された連続34症例について使用適正について検討したところ, 7 例は使用前の凝固検査が行なわれておらず、投与基準を満たして適正とされたのは13 例(38 %)であり、使用目的として受持医が循環血漿量低下としていた症例が6例(17%)に認められた。
済生会三條病院では、12例のFFP投与例中3例(25%)のみが適正と評価しえたが、使用量からは223単位中137単位(61.4%) であった。
都立駒込病院での手術例15例中適正と考えられる投与例は2例(13%)であり、非手術例15例中では7例 (47%)であったが、明らかにDICを合併していると診断されてもPT、APTT、ATIIIが基準を満たさない場合が多く見られた。
東医歯大では、40例中19例(48%)が適正と評価しえたが、いずれもAPTTが1.5倍以上で、PTあるいはフィブリノゲンのみが異常の例はなかった。
慶応大の血漿交換例を除く30例中3例(10%)のみが適正と評価され、外科系22例中2例、内科系8例中1例であった。これら3例にはAPTT異常は認められなかった。また、大量出血による希釈性凝固傷害への投与が推定されたのが7例あったが、適正とは評価されなかった。
東女医大での30例中6例(20%)が適正と評価され、いずれもAPTTの延長を認め、PT30%未満は1例のみであった。また、Barnetteらの評価基準を若干改変して、FFPの使用量を評価すると、例年70数%が不適切とされ、疾患別にみると90?40%と大きな開きがあるが、理由としては医師の意向(30%弱)、低循環血漿量の補充(20%強)が相変わらず多く余り改善されていない。新指針の徹底した普及が望まれる。
聖マリアンナ大での31例の評価では9例(29%)が適正と評価され、PTのみの異常はなく、APTTのみの異常が5例であった。ちなみに1996年では42例中7例(17%)が適正との評価であった。
愛知医大では、30症例39回の投与で適正と評価されたのは24回、61.5%であった。PTの単独異常は1回のみであり、APTTのみの異常は15回、フィブリノゲンのみ低下2回であった。
倉敷中央病院での40症例46回投与で適正と判断されたのは28回、60.9%であった。PT単独4 回、APTT単独9回、フィブリノゲン単独2回であった。
鳥取大では、69例中7例、10%が適正と評価され、内科系が33例中4例、外科系が36例中3例であった。PTのみの異常はなく、PTとフィブリノゲンの組合せが1例、APTTのみ延長が2例、APTTとフィブリノゲンの組合せが3例であった。
九大では、未検査の3例を除く38例について検討した。22回(58%)の投与例が適正と判断された。PTのみの異常は8回、APTTのみの延長は2回、フィブリノゲンのみの低下は7回であった。
小括:FFPの新指針に基づく適正使用の推進が図られている医療機関が増加しており、それに応じてFFPの使用量も減少してきている。今回、新たにFFPの適正使用状況を新使用指針の検査値により評価した。各医療機関でそれぞれ連続30症例を目標において調査したところ、適正使用症例率は10~60%と施設間格差が大きかったが、総計399症例中175例、43.9%が適正となった。これはFFP供給量あるいは使用量の減少を裏打ちする結果であり、新使用指針による健康保健の査定による影響もかなりあるものと考えられが、医学的な普及にも負うている面もあり、今後とも啓蒙を図ることにより、さらに減少するものと考えられた。
免疫グロブリン(IVIG)の使用実態: 秋田大の33例の報告では、60歳以上が61%、PS4が61%、PS3と4が91% であった。発熱は19例(58%)に認められた。手術との関係での投与は22例(67%)で、特に耳鼻科あるいは小児外科領域では術直後から投与されていた。重症感染症ありとしての投与は僅か3例で、重症化の可能性への懸念(4b)のためが12例、術後の感染予防が18例であった。CRP未検査の5例を除く28例中の9例(32%)はWBC≧9000且つCRP≧10であり、WBC≧9000が7例、CRP≧10が2例であった。そのうちの重症感染症3例では発熱(+)、WBC≧2万、CRP≧15(未検1例)であった。その他の肺炎、腹膜炎、敗血症、膿胸あるいは髄膜炎と診断された10例の殆どでは、発熱があり、WBC1.5~2万以上、CRP10から15以上であった。また、CRP≧5とすると28例中18例(64%)が含まれることになる。
なお、発熱なし(<38度)の14例中11例は術後の感染予防に用いられており、2例はWBC≧9000且つCRP≧10に該当し、4例がWBC≧9000、CRP未検を除く7例中6例はCRP<1であった(残りの1例は5.5)。
済生会三條病院では、16例中11例が術後あるいは感染症で、川崎病が4例、ITPが1であった。PS3と4が10例中6例、発熱は12例に認められた。
都立駒込病院では、感染症に用いられた連続24例中感染症24例、川崎病1例、ITP3例であったが、感染症24例中5例が血液疾患であった。WBC≧9000が12例、CRP≧10が20例であり、8例(33%)が死亡した。
東医歯大では、40例中60歳以上が70%、PS4が48%、PS3と4が83%であった。発熱は33例(83%)にみられた。40例中8例が重症麻疹や髄膜炎などのウイルス感染で、全例PMN<1000であったが、CRP≧10が4例、9.6と9.5が各1例であったが、ウイルス性疾患には抗生剤に頼ることなく早々に使用されていた。重症感染症あるいは敗血症、腹膜炎、肺炎、膿瘍との診断例が17例あり、うち11例(65%)はWBC≧9000且つCRP≧10であり、CRP≧10が6例(うち2例はPMN<1000)であった。であった。血液疾患の4例(AL3例、再生不良性貧血1例)ではPMN<500であった。ウイルス性疾患と血液疾患とはいわゆる重症感染症と切り離して別途検討を要すると考えられる。また、CRP≧5とすると、40例全例が含まれることになる。
なお、発熱なし(<38度)の7例中5例はウイルス性疾患で、他の2例はWBC<9000でCRPは11.5、9.5であった。
慶応大では、外科系病棟での30症例について検討した。60歳以上が63%、PS4が70%、PS3と4が97%であった。発熱は28例(93%)にみられた。術後の投与例が19例(63%)を占めており、疾患別では癌などの悪性腫瘍性疾患が19例であった。術後の19例中15例(79%)はWBC≧9000且つCRP≧10であり、WBC>9000が1例、CRP≧10が2例であった。術後以外の投与例11例中6例(55%)がWBC≧9000且つCRP≧10であり、WBC≧9000が3例、CRP≧10が1例であった。また、CRP≧5とすると30例中27(90%)れいが含まれることになる。
なお、発熱なし(<38度)の2例中1例はWBC≧9000 (CRP9.1)、他の1例はCRP≧10 (WBC6500)であった。
東女医大では、重症感染症としてIVIGを投与された30例について検討した。60歳以上が53%、PS4が70%、PS3と4が93%であった。骨髄、腎と肝移植の6例中5例ではWBC<9000でCRP<10であった。これらを除く24例では、PS4が17例(71%)、PS3と4は23例(96%)であり、発熱は22例(92%)に認められた。CRP未検の1例を除く23例中8例(35%)はWBC≧9000且つCRP≧10であり、WBC>9000が1例(CRP9.5)、CRP≧10が9例(うち1例はPMN<500)であり、他の5例はWBC<9000でCRP<10であった。また、CRP≧5とすると23例中21例が含まれることになる。
なお、発熱なし(<38度)の2例中の1例はWBC≧9000且つCRP≧10、もう1例はCRP11.3であった。
聖マリアンナ大の重症感染症と思われる32例の年齢は60歳以上が63%、PS4が60%、PS3と4が83%であった。発熱は26例(81%)にみられた。この32例中8例(25%)は術後の投与であり、8例中明確な感染症3例(敗血症、肺膿瘍、MRSA感染の各1例)を含む6例(75%)はWBC≧9000且つCRP≧10で、残り3例はWBC≦9000でCRP≧10であった。他の24例の疾患は種々で、敗血症2例を含む7例(29%)はWBC≧9000且つCRP≧10であり、6例はWBC≧9000でCRP≦10、6例はWBC<9000でCRP≧10 (うち2例のPMN<1000)、さらに1例はPMN<1000 (CRP9) であった。また、CRP≧5とすると29例が含まれることになる。
なお、発熱なし(<38度)の6例中にはWBC≧9000且つCRP≧10の症例はなく、WBCの最高値は12800、CRPのそれは13.1であった。
愛知県内の1医療機関からの20症例の報告では、年齢は60歳以上が85%、PS4が50%、PS3と4が94%であった。発熱は18例(90%)に認められた。手術との関係は4例(切開排膿など)で、16例は外科的処置とは関係なく使用されていた。明確な感染症としては、敗血症5例、蜂窩織炎3例、腎盂腎炎3例、肺炎、陰部膿瘍、壊死性筋膜炎の各1例の計14例であった。WBCあるいはCRP未検査の2例を除く18例中、WBC≧9000且つCRP≧10が11例(61%)、WBC≧9000が1例、CRP≧10が3例であり、血液疾患の2例はPMN≦500(CRP:5.4、4.7)であった。上記感染症14例中WBCあるいはCRP未検査の2例を除く12例中8例(67%)はWBC≧9000且つCRP≧10、3例はWBC≦9000でCRP≧10、残りの1例は敗血症でWBC4300、CRP9.0であった。また、CRPを測定した19例中18例がCRP≧5であった。
なお、発熱なし(<38度)の1例はWBC<9000でCRP<13.6であった。
愛知医大では、重症感染症としてIVIGを投与された23例について検討した。年齢は60歳以上が74%を占めており、PS3と4が78%であった。発熱は22例(96%)にみられた。原疾患は様々であり、CRPの測定されていない2例を除く21例について、WBC≧9000且つCRP≧10は11例(53%)、血液疾患の2例ではPMN≦500且つCRP≧10であった。WBC≧9000は1例(CRP9.5)、CRP≧10は5例、PMN≦500が1例(CRP7.6)であった。23例中9例(39%)が死亡した。また、CRP≧5とするとCRPを測定した21例中20例が含まれる。
なお、発熱なし(<38度)の1例はWBC17200、CRP10.3であった。
倉敷中央病院では、28例について検討した。年齢は60歳以上が64%であり、PS4が79%、PS3と4が93%であった。発熱は21例(75%)に認められた。また、現在感染症あり(4a)が25例で、重症化の可能性あり (4b)が3例であった。明確な感染症としては、肺炎7例、敗血症6例、肝膿瘍3例、蜂窩織炎2例、腹膜炎、化膿性脊椎炎、壊死性筋膜炎の各1例の計21例であった。WBC≧9000且つCRP≧10は、4a群で14例、4b群で1例の計15例(54%)であった。WBC≧9000は1例(CRP8.4)であり、CRP≧10は10例(うち2例はPMN500未満)であった。上記21例については、WBC≧9000且つCRP≧10は14例(67%)、PMN<500且つCRP≧10は2例、その他WBC<9000であった6例中CRP≧10は4例であった。また、CRP≧5とすると26例が含まれることになる。
なお、発熱なし(<38度)の7例中5例がWBC≧9000且つCRP≧10の群であり、1例はPMN<1000 (CRP14.9)、他の1例はWBC<9000 (CRP14.3)であった。
鳥取大では、感染症関係(4a、4b)の23例について検討した。年齢は60歳以上が35%、PS4が57%、PS3と4が82.6%であった。発熱は23例中18例(78%)にみられた。明確な感染症は肺炎6例、敗血症7例、腹膜炎1例など計14例であった。また現在感染症あり(4a)が21例、重症化の可能性あり(4b)が2例であった。WBC≧9000且つCRP≧10は10例(43.5%)、WBC≧9000が1 例、CRP≧10が9例(うち3例はPMNが500未満)であった。上記の14例中では、WBC≧9000且つCRP≧10は8例(57%)であり、WBC<9000であった6例中CRP≧10は4例、残り2例のCRPは4.8、5.9であった。また、CRP≧5とすると22例が含まれることになる。
なお、発熱なし(<38度)の5例中 WBC≧9000且つCRP≧10は2例、CRP≧10は2例、WBC<9000が1例(CRP1.0)であった。
九大では、重症感染症に投与された症例を無作為に31例を抽出した。そのうちの10例(32%)は手術との関連で投与されており、3例が死亡したが、その他の21例中7例(33%)が死亡した。これらの死因が感染症であるかは不明である。肝移植(2例)とBMT(4例)を除く25例中WBC≧9000且つCRP≧10の症例は2例に過ぎず、その他WBC≧9000が3例、CRP≧10が5例であった。また、CRP≧5とすると15例が含まれることになる。
なお、発熱なし(<38度)の9例中2例がWBC≧9000且つCRP≧10に属し、1例はWBC≧9000 (CRP0.1)、2例はCRP≧10、他の4例はWBC<9000でCRP<1.9であった。
小括:上述のごとく、いわゆる重症感染症に対するIVIGの投与については、重症感染症の客観的な判定基準がないことから、適応についての混乱がみられる。したがって、重症感染症へのIVIGの投与に先立って、重症感染症のクライテリアを決める必要がある。重症感染症の背景は極めて多種多様であることから、その作業は容易ではないが、出来るだけ判定を簡略に行ないうるようにするために、以下のような判定基準(試案)を提案し、このような基準案が今後のいわゆる重症感染症の診断にどの程度役に立つのかを先ず検証し、その上でIVIGの投与の適否を検討することが望まれる。
1) 目的:(a) 感染症の治療である、(b) 感染症の悪化を阻止する、(c) 感染症合併を予防する、
2) 疾患:(a) 対象となる病名(ウイルス性疾患と血液疾患は区分する)、(b) 手術との関係、(c) 移植と化学療法中の症例は区分する
3) 病状:(a) 年齢、(b) PS、(c) 発熱(38度以上)、(d) 有熱日数(IVIG投与まで)、
(e) 抗生剤の優先的投与と投与期間、(f) 転帰
4) 検査所見:(a) WBC、(b) PMN、(c) CRP、
目的は感染症の治療に限るべきであるが、それを明確にするために(b)、(c) についても記載する。疾患としては、敗血症、肺炎、腹膜炎、蜂窩織炎、細菌性髄膜炎などの病巣の存在が特定できる場合のみを対象とし、ウイルス性疾患と血液疾患(PMNの減少)は別途検討することにし、感染予防に用いられることの多い手術との関係を明らかにし、また移植時と強力な化学療法時の投与は別個に検討されるべきである。病状としては、PSは原則として3、4とし、発熱は38度以上、抗生剤の投与が優先されべきであり、抗生剤投与後の有熱日数が3日を越えれば明らかな重症感染症とする。検査所見については、IVIG投与時にWBC≧9000あるいはPMN<1000且つCRP≧10の場合を採用するが、WBC≧9000でCRP<10あるいはWBC<9000でCRP≧10の場合は疑いとする。
今後の検討課題としては、年齢が60歳以上(あるいは小児)では状況によりPSあるいは発熱、また検査所見の程度を1ランク下げる(CRP を5以上など)必要があるか否か、また検査所見で上記の条件を満たさない場合にWBC、PMN、CRPの個々の値を考慮するかなどである。このような条件を仮に設けて、IVIG投与の有無と臨床経過を比較し、最終目標を上記各要因の改善の程度を評価することに置く。
慢性貧血におけるRCC輸血のHb 値:秋田大でのデータでは、75例の全平均では7.02g/dLであったが、血液疾患(35例)7.06g/dl、悪性腫瘍(固形癌; 27例)6.76g/dL、慢性心不全(6例)6.18g/dL、その他(7例)8.12g/dLであり、外来と入院の比較では7.45g/dLと入院の6.96g/dLに比して有意に高かった。
済生会三條病院での78例では、平均6.76g/dL(中央値6.7g/dL)であった。
都立駒込病院での入院45症例180回の輸血では平均6.9g/dL、外来13症例25回の輸血では6.7g/dLであった。
東医歯大での入院患者では、内科系(25例)は6.6~7.0g/dL、外科系(5例)は8.1~8.5g/dLで輸血を開始されている例が多く、輸血後の値は10~11g/dL以下であった。
慶応大での血液疾患(MDS、再生不良性貧血)患者42例196回の外来輸血について検討したところ、依頼時の値は平均6.99g/dL(4.3~10.4g/dL)で、多くは6~7g/dL(殆どは6~9g/dL)の範囲であった。
聖マリアンナ大では、血液疾患のHb値は6~6.5g/dL で輸血を開始し、血液疾患以外の疾患では6.5~7g/dLとやや高めであった。なお、男女差は認められなかった。
愛知医大では、血液疾患369件の輸血前Hb値は7.01g/dL(輸血後8.27g/dL)、CRF46件のそれは6.56g/dL(同8.39g/dL)、その他60件のそれは7.16g/dL(同9.37g/dL)であり、外来患者86件の輸血前Hb値は7.57g/dL(輸血後8.56g/dL)、入院患者389件のそれは6.86g/dL(同8.42g/dL)と、いずれも有意(p<0.05)であった。平均輸血単位数は2.9uであった。
鳥取大では、内科系入院(13例)7.5g/dL、内科系外来(12例)6.1g/dL、外科系入院(14例)7.3g/dLである。
小括:慢性貧血患者へのRCCの投与は、各施設ともほほ同様であり、貧血の原疾患により若干の差異はあるものの、ほぼ7g/dLを目安とし、6g/dL台でもかなりの輸血が行なわれているが、患者個々の背景要因(血液疾患、腎疾患、その他)を考慮して、実際の輸血が行なわれていることが明らかにされた。
予防的血小板輸血時の血小板(Plt)値:3ヶ月間の78例328回の輸血例について調査した。依頼時の平均Plt値は2.21万、輸血当日のそれは2.1万であり、当日の多くは3万以下であったが、2.0万以下が58%、1.0万以下が24%であった。かなりの症例が実際には1万以下で輸血されていることが分かった。
小括:このような事実を踏まえて、既に欧米での報告に見られるように、PCの投与基準を現行のPlt2万から1万に引き下げることが検討されてもよいものと考える。
血液の安全対策:京都BCにおける最近4年間の献血者について、献血回数別の解析では毎年の献血者の77~78%が年に1 回しか献血していない実態が明らかにされた。血液の安全性と量的確保の両面からして、年1 回以上の献血が行なわれる方策の検討が望まれる。福岡BCにおける献血者数、は昭和61年に導入された新採血基準の積極的な推進により、平成12年には43万人から23万人とほぼ半減したにも拘わらず、需要を賄えている。より少数の献血者からより多くの血液を確保することは、血液の安全性を維持する上で望ましいことである。また、65 歳以上の高齢者からの採血は、副作用の発生率が0.28 % と前献血者の0.8~0.9 % に比して低く、検査合格率は高いことなどから、今後の安定した献血者群となって行くことが期待される。
なお、血液の安全性確保(特にウィンドウ期対策)の観点から、献血者の動向調査とHIV検査キットの検討を行なった。STD患者では、過去1年間の献血率は一般集団とほぼ同じであったが、HIV感染リスクが高いと認識している者ほど献血率が高く、一方、MSM(men who have sex with men)では、HIV感染不安の低い者ほど高率であった。献血者の問診時の対応として参考になるであろう。さらに、HIVスクリーニング検査では、検査法の特性からPCRと抗体検査との併用をすべきであるが、今回実施したコントロールサーベイやアンケート調査の結果から、特に血液の安全性を高めかつ維持して行くためにも各検査キットの定期的な再点検が必要であると考えられた。
小括:近い将来の高齢化社会に向けての血液事業上の準備を積極的に図っていくことが必要である。高齢者献血や成分採血のなお一層の推進はその一環である。今後は赤血球成分採血も検討されるべきであろう。また、血液の安全性を確保して行く為には、献血者の問診によるスクリーニング法の向上と採血された血液の検査精度の十分な保証がなければならない。このような観点からの対策の推進が望まれる。
結論
血液製剤の需給動向を調査する為には、既存のデータより将来を見通す手法が従来よりよく用いられてきたが、これにより得られる成績は最大需要量であるものと考えられる。本研究では医療機関における個々の血液製剤の適用症例を使用指針により適正の有無を評価することに努め、血液製剤の真の需要量を求めることにした。特に、原料血漿の国内自給を達成することを目標に、RCC、FFP、HSAについて検討を加え、最低必要量の自給は可能であると考えられた。また、IVIGについては従来適正評価基準の設定は困難であるとされてきたが、重症感染症を客観的に評価できる方策を探ることによって、原料血漿の需給も可能になるものと考えられ、その手がかりとなりうる指標を提示すること(試案)にした。今後、このような指標の有用性を検証することが望まれる。

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